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落ちこぼれ勇者は最強吸血鬼とエンカウントしたようです  作者: 猫山 鈴
〜第三章 勇者の故郷〜
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三章 第一話 新たな大陸

12月15日 投稿 

一応三章です

 "マグノリア大陸"…パキラ大陸の近くに浮かぶ大陸。大きさはパキラ大陸の1.5倍程である。

 一行はマグノリア大陸に足を踏み入れた。


 「わ〜。私違う大陸に来るの初めてですよ!」

 ベルは興奮していた。旅をしてからというもの。見るもの全てが新鮮なのである。

 そしてそんなベルをまるで父親のように見守るハチ。


 「…久しぶりだなぁ…。この大陸に来るの…」

 エーデルは感慨深く、つぶやいた。思えば兄が家を出てからどうにも実家に居づらくてほぼ家出同然に実家を出て行った。

 兄にしか自分の居場所を教えてない。それに両親に教えた所で心配もしないだろうから…


 「私の実家があるのはこの大陸の東側にあります。"ガーベラ村"という村なんですよ?」

 "ガーベラ村"…エーデルの育った村。余り良い思い出がない。エーデルは浮かない顔をしていた。


 「小娘。何を辛気臭い顔しとるか?貴様の家庭事情など知ったこっちゃないが…貴様の魔法のことを知るために行くしかないのだぞ?」

 「うん…そだね?ゴメン…」

 「それに…少し魔法の使えなくなった時期を聞くのみ。何か言ってきても今度は俺たちがいる。一人ではないのだ。と言うか貴様一人で行かせて泣き喚かれても困る」

 「!」

 ヴラムはプイとそっぽを向きさっさと行くぞと前へ進む。


 「…お願いだから…諦めさせてよ…。まだやっぱり好きだよ…ヴラム」

 ヴラムの背中を見つめながら、恋心が渦巻く胸をギュッと抑えているエーデル。

 そしてそれをを何とも言えない不気味な笑顔のベルが見つめている。


 「ロマンスはまだ続くんですね♡」

 「ベル?ど…どうしたんだにゃ?」

 そんなベルの顔にビビるハチ。


 一方のマギリカ。

 「フゥ…やっぱりあの子…ヴラムの事諦められ

ないみたいね…」

 エーデルを見つめてため息を吐いていた。

 「はい…どうやらその様ですね。確かに種族の寿命の壁というのは大きいのもあるのでしょうが…。やはり…。」

 「…ヴラムはまだ未練を断ち切れてないのかしら?」

 「はい…それに未だにご自分を責めてらっしゃいます。く…俺があの方の未練を断ち切ってしまえたら…」

 シュリは悔しそうな顔をしているが、マギリカはそれもどうなんだろう?という微妙な顔をしている。


 「愛って鎖みたい…。」

 幾重にも積み重なり縛りつける重い鎖は時に人を狂わせる。

 「…でも思うのよね…。もしかしたらエーデルちゃんなら…断ち切れちゃうんじゃないかって」

 

 一行はエーデルの実家に向けて歩き出した。



 一方一行が出発してから数時間後。

 「はぁ…船旅は疲れる…。んで?これからもっと疲れる場所に戻るのかぁ…。」

 アルスである。休暇をとったアルスが、両親のあまりにしつこい帰ってこいの嵐に辟易してここらで一回行っとこうかと考えた。


 「だから勇者騎士団入ったのに…」

 "勇者騎士団"…勇者のみが在籍してる騎士団。普通の勇者ならばギルドで依頼を受けて報酬を貰うが、こちらはそれをせずとも安定した給料が貰える。

 そして何よりも寮付きというのがアルスにとって最高の条件なのである。


 勇者騎士団に入るのは名誉な事だ。色々と世間の評判を物凄く気にする両親は大喜びしていたが、自分にとってはエーデルの寂しそうな顔の方が重要だった。

 少し後悔していた。自分が遠くへ行けばエーデルに味方がいなくなる事を…


 「エーデルが家出したから少し安心したけど…あぁ…エーデルのいない家とか帰りたくないなぁ…。」

 と言いながら実家を目指すアルス。

 

 そして後に妹と再会し、その上妹が何処の馬の骨とも知らない吸血鬼に恋をしたと知って、絶望するのは、別の話。


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