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断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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98/311

98:君と過ごした10日間

私が頷くのを見たアズレークは……。

頬が瞬時に赤くなり、慌てたように視線を窓の外に向ける。


気持ちが動くかと問われ、頷いた。

その答えに喜んでくれている……?

そう思うと嬉しさで、心が満たされる。


「……君がこの姿を望んでくれていると分かった。二人きりの時は、このアズレークの姿で会おう。だがそうでない時は、レオナルドの姿で会う。お互いに気持ちを抑えられるから、それでいいだろう。呼び方は、その姿に合わせて変えればいい」


大きく息をはき、アズレークは落ち着いた声でそう告げた後。


「……とはいえ、魔術師さま、はやめてほしい」


呼び方……。魔術師さまがダメならば……。


「ではレオナルドさま?」


「……レオナルド、と呼んで欲しい」


「でも、王太子さまも、魔術師さまと呼んでいるのに、呼び捨てにするのは……」


するとアズレークは、曇りのない黒い瞳で真っ直ぐ私を見る。

この目で見つめられる度、胸が高鳴ったが、今も同じだ。

ドキドキが止まらない。


「王太子、三騎士が、揃ってお膳立てをしている。……パトリシアも分かるだろう?」


名前の呼び方の話をしていたのではないの?

それにお膳立て?

アズレークはキョトンとする私を見て、今度は両手で頭を抱えた。


「屋敷にいた時は、ちゃんとコントロールできたのに」


呻くように呟き、指と指の隙間から私を見る。

その瞳がとんでもなく艶っぽくて、心臓がドクンと大きな音を立てる。


「正面の席に座らなくて正解だ。私の心臓が持たない」


まるで私の気持ちを代弁するかのような言葉だ。

それをアズレークが口にしたことに、驚いてしまう。


もしかして読心術?


「その顔だと、何も分かっていないようだな」


アズレークは先程と同じように大きく息をはくと、両手を頭から離し、私を見た。


「みんな、君と私が結ばれるよう、画策している。今もこうやって馬車で二人きりになるように仕向けた。このまま王都に戻ったら、この流れは加速されるだろう。国王陛下夫妻だって、この流れに加担する」


なるほど。そういうことか。

ようやく事態が分かり、分かったと同時に顔が赤くなる。


「私は……パトリシア、君のことが好きだ」


黒曜石のように輝く瞳でまっすぐに私を見て、照れることなくアズレークは私に対し、「好きだ」と告げた。そして……。


「それは君がつがいだから、というのは否めない。でも例え君が番ではなかったとしても、10日間、君と屋敷で過ごしていれば、好きになったことは間違いないだろう。懸命に頑張ろうとする姿、スノーへの優しさ、意志の強さ……君を好きになった理由は、あげればきりがない」


そこでアズレークは、肩の力を抜いた。

その瞬間、優しい笑顔になる。

心がとろけそうだった。


「パトリシア、君と結婚したいと思っている。だから魔術師さま、なんて呼ばないで欲しい。レオナルドさま、アズレークさま、と敬称はつけなくていい。名前で呼んでくれないか」


こ、これは……。

呼び方の件と同時に、プロポーズをされている……!

心臓がバクバクしてきて、頭の中が真っ白になりそうだ。


「パトリシア?」


「は、はいっ」


「それはイエスということか?」


「!! そ、そうです。……私も、アズレークさ……アズレークのことが好きです。つがいのこととか知らない時から、好きでした」


「そうか、ありがとう」


そう言ったアズレークの笑顔が、あまりにも可愛らしく……。

クールなイメージのアズクールが、こんな顔をもできるのかと、胸がキュンとしたその時。

ガタンと大きな音に驚いて床を見ると、スノーが悶絶している。


「仕方ないな。スノー、君はどうしても人間の姿になりたいようだ」


そう言ったアズレークはいくつか魔法を唱え、その結果。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回は本日12時に「顔を赤くして黙り込む」を公開します。


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