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断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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74/311

74:闇落ちルート!?

「ど、どうして、なぜカロリーナが……!? 婚約者ですよね……?」


「そうだよ。でもさっき話した通り、わたしとカロリーナは婚約しているが、お互いの心は離れていた。わたしはまったくカロリーナに気持ちがなかったが、彼女の方は違う。好きという気持ちがあった分、想いが通じないと分かると、可愛さ余って憎さが百倍になってしまった。それに父親であるドルレアン公爵の、入れ知恵もあったと思う。


いずれわたしが王位を継いだ時、体に不調があれば、政務もままならなくなる。そこで妃という立場になるカロリーナとドルレアン公爵は、政務に口出しをするつもりだったのだろう。もはや愛のない結婚をするなら、利用できるものは利用する、そんな感じなのだろうね」


まるで他人事のように話しているが、それはとても辛い状況ではないか。


国王になるべくして、アルベルトは努力してきたはずだ。

それがそんな理不尽な理由で、傀儡かいらいのようにされてしまうなんて……。


というか、カロリーナ、乙女ゲーのヒロインなのに、どうしてしまったというのか!?


こんなカロリーナの闇落ちルートなんて、あった!?


でも斬新さを売りにしているゲームだった。

攻略失敗からの闇落ちルートも、新たに設けたのかもしれない。


「カロリーナがわたしにかけた『呪い』は、実に厄介だった。というのも『呪い』というのは、解く際、かけた時と同じ条件が必要だと言われている。カロリーナは私を憎みつつも、愛しているという矛盾をはらんだ気持ちで、この『呪い』をかけた。だからこの『呪い』は、わたしが愛する人、もしくは、わたしを愛する人が、わたしを殺そうとすることで、解くことができる――そう、王宮付きの魔術師レオナルドは、分析した」


魔術師レオナルド。

『戦う公爵令嬢』に登場するこの国の最強魔術師。

魔力も強く、使える魔法も幅広く、そして当然だが、超がつくイケメン。


王太子アルベルトと魔術師レオナルドが、『戦う公爵令嬢』では人気を二分していると言っても過言ではない。


それにしてもアルベルトは、なんとも悩ましい『呪い』をかけられたものだ。


「……随分と厄介な『呪い』ですね」


というか……。

カロリーナの屈折度合いが、心配になるレベルだ。

私の言葉に苦笑いのアルベルトは、スープを一口飲む。


「しかも『呪い』を解くために殺そうとする、ではダメだ。あくまで、愛している、でも殺す、という状況を作り出せなければならない。カロリーナの愛しているけど、あなたを呪う、を再現するためにね」


鴨肉のローストを飲み込むと、アルベルトが再び話し始める。


「不幸中の幸いだったのは、本当に殺さなくてもいい、ということだけ。カロリーナも『呪い』をかけはしたが、殺すことまではしていない。だから、愛しながらも殺そうとしてくれさえすれば、この『呪い』は解けた」


不幸中の幸い……。そう言っていいのかどうか。

そもそも事情を知らせず、アルベルトを愛しているという女性に、アルベルトを殺してくれと言っても、そう簡単に従わないだろう。しかも本当に殺すつもりはない、直前で止める、なんてことも明かせないわけだから。


愛している。でも殺したいと思う程憎い。

そして実際に殺そうという行動まで起こせる。

そんな矛盾をはらんだ女性なんて、いるのだろうか……?


「条件にあう女性が見つからないと、思ったかい?」


実際にそう思ったので頷くと……。


「条件にあう女性はいた。ただ、居場所を見つけ出すのに、時間がかかった。でも魔術師レオナルドは見事に見つけ出し、彼女の協力をとりつけてくれた。本人は未だ、自分が何をしたのか理解していないようだけどね」


不調は解消されたと言っていた。

それはつまり『呪い』を解くことに成功した、ということだ。

その女性は気づいていないのだろうが、結果オーライに思えた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回は本日12時に「え、え、ちょっと待ってください」を公開します。


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