↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/311

5:自分が下着姿であることに気づく

どこなのかと考えても……。

まったく見当がつかない。

部屋の雰囲気を見る限り、貴族の屋敷に思えるけれど……。


ここがどこであるかは分からない。

だが私をさらったらしい男については、分かることがある。


あの黒ずくめの男は、私の耳元で魔法の呪文を囁いた。

つまり魔法が使える人間だ。

それにしても、随分とシンプルな魔法の呪文だった。


この世界で使われる魔法の呪文は独特だ。

なんというか、ポエムだ。


結局のところ魔力というのはその個人の中にあり、それをどう呼び出して形にして使うかは、個人の自由。だから呪文に定型文がない。


例えば火をつけたければ「この暗闇を照らし 数多の敵を打ち砕く 熱き炎をこの手に」とか「眼前迫る敵を焼き払う業火を この窮地を出するための 紅蓮の炎を」とか、もうそれぞれで呪文が異なる。中二病まっさかりの時は、これらの呪文に陶酔していたが、さすがにオタクとはいえ、この年齢になると……。『戦う公爵令嬢』でたまに目にするポエムな呪文には、半笑いだった。愛の言葉がポエムっぽいのは大歓迎だったけど。


たまに目にする呪文。

そう。

これは魔力を持つ人の話。


『戦う公爵令嬢』という乙女ゲーは、魔法がメインのゲームではない。だから魔力を持ち、魔法を使える登場人物は限られる。さすがにヒロインは魔法を使えたが、悪役令嬢である私には無理だ。


って魔法の件はさておき、私は呪文で眠らされ……気を失った?


いや、眠らされたのだ。

あの場で殺害せずにさらった理由は不明。

でも何をされるか分からない。

となれば、逃げるしかない。


サイドテーブルにティーカップを置き、ベッドから立ち上がろうとして、自分が下着姿であることに気づく。


え、修道服は……?


「す、すみません。私の修道服を知りませんか?」


どうやらパウンドケーキを切り分けていたらしい少女が手を止め、私の方を見て微笑む。


「あ、グレーのワンピースですね。あれは地味なので、もう少し若々しい服を着るようにと、アズレークさまが仰られていました。こちらにドレスがいくつかあるので、ご覧になりますか?」


アズレーク……?

あの黒ずくめの男の名はアズレークというのか。


!!


綺麗な少女がクローゼットを開けると、ずらりと衣装が並んでいる。


す、すごい……。


すっかり修道院の質素倹約が身についていた私には、目の毒だ。


こんな素敵な衣装は、着られない……。


いや、そんな場合ではない。今は下着姿。

速やかに服を着よう。

おずおずとベッドから降り、クローゼットに向かう。

一応で尋ねてみる。


「ちなみに修道服は……?」

「ございますが、今ここにはありませんよ」


少女はニッコリ笑う。

修道服の在り処も知っているし、この屋敷のメイド、なのだろうか?


どう見ても善良そうに見える少女の正体も気になるが、今はまず服を着よう。


クローゼットから服を見繕うことにする。

デイドレスからイブニングドレスまで一通り揃っているようだが……。


あ、コタルディがある。


『戦う公爵令嬢』という乙女ゲーは、衣装がバラエティに富んでいて、ありとあらゆる種類の衣装が揃っていた。ここはその『戦う公爵令嬢』の世界なのだから、コタルディがあってもおかしくない。


ということで取り出したコタルディは……。

澄んだスカイブルーに白い飾りボタンがとても美しい。


悪役令嬢のパトリシアは、原色の赤や紫のドレス姿でゲーム中に登場することが多かった。でも私自身は水色系が好きなので、このコタルディを着ることにした。


腰の白いリボンを結び、着替えを終えると、改めて少女に声をかける。


「あの、あなたはここの屋敷のメイドの方ですか?」

「違います。私はスノーですよ、パトリシアさま」


その顔は、私と知り合いであると言っているように思えるのだが……。


どう見ても初対面としか思えない。


「ごめんなさい。あなたは私を知っているようですよね、スノーさん。でも私は……あなたのことが分からなくて……」


するとスノーは、切り分けたパウンドケーキを乗せたお皿を私に渡した。


「こちらに座って、一緒にいただきましょう、パトリシアさま」

「えっ、でも……」


服は着たので、できれば速やかにこの屋敷から逃げ出したい。


だが……。

お読みいただき、ありがとうございます!

引き続きお楽しみください☆

このあともう1話公開します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●9/2発売●
バナークリックORタップで書報ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

●現実世界の恋愛物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。