ち
俺には、幼馴染がいる。
親同士仲が良くて、同じマンションの隣の部屋で育ってきたという
まあ、よくある少女漫画のような展開で出来た幼馴染だ。
一般的に少女漫画では、最初は意識してなかったのに、高校生になると同時に、お互い惹かれあって恋に落ちるって言う展開が期待されるのではないだろうか。
まあ実際、俺も淡い期待をしていないと言えば嘘になる。
俺は自分で言うのも、恥ずかしいが、そこそこイケメンだし、そこそこモテるし自覚もある。
また、彼女も普通に美少女。うん普通に。とにかく発育がいい。
本人に言ったら殴られそうだけど。
そんな俺も高校2年生になった。
そりゃ期待はするよね、喧嘩もするけど、二人の仲も良好だし、
いつこの2人の恋は始まるのかってさ。
…でもそんな彼女から、予想もしてなかった相談をされた。
「彼氏ができた」
「…へ?」
言葉を失った。
頭の中が真っ白、正に思考停止状態。
「ねえ、ちょっと聞いてるの!お母さんにも、誰にも言えてないんだから!」
「待って待って待って、え?えっと誰と、どこでいつ!?」
待って待って待ってくれ、違う違う。
俺は何の為に、今まで彼女も作らず、告白してきた女の子達を振ってきたと思ってるんだ!?
そんなことを頭の中で、考えてると彼女は見たこともないような、恥ずかしそうに赤らめた顔で言った。
「…2組の熊谷春樹くん」
…?
聞いた事もない名前だった。
違うクラスだとしても、同じ学年で1年も過ごしてたら名前ぐらい分かるはずだ。
あ、ちなみに俺と彼女は1組。
いや、それに隣のクラスじゃないか。
「…そんな奴いたっけ?」
「へへ、明日紹介してあげる!楽しみにしてて!あ、明日から一緒に登下校できないから!よろしく!」
「え!ちょっ…!」
言いたいことだけ言って、陽気に俺の部屋を出て行きやがった。
待って俺、間接的に振られてる…?
しかも俺、明日からの登下校まで無くなった…?
同じマンション住んでいて、同じ高校通っていて、必然的に一緒に登下校出来ていたあの日々が一瞬にして無くなったのか…。
「俺のハッピーラブラブライフ…」
そんな絶望感に浸ってる俺、一ノ瀬匠と、
絶望感を味合わせてくれた、葉山まゆとの
ハッピーラブラブライフの物語が、17歳の夏頃から始まると思っていたのに!?
「うん、夢だ寝よう。」
俺は、寝た。とりあえず寝た。
夢なら早く覚めてくれ。




