―32― 大より上……?
◇◇◇◇◇◇
スキル〈物理攻撃クリティカル率上昇・中〉の所持を確認。
〈物理攻撃クリティカル率上昇・中〉は〈物理攻撃クリティカル率上昇・大〉にレベルアップしました。
◇◇◇◇◇◇
「おぉーっ!」
と、僕は一人で歓声を上げていた。
再びトランパダンジョンに来た僕は無事、報酬エリアに辿り着き、初回クリア報酬の〈習得の書〉を入手しては早速使っていた。
どれだけ強くなったか、狼で試してみよう!
「うわぁっ、ほとんどクリティカル攻撃になる」
ナイフで狼を斬りつけながらそんな感想を抱く。
2回に1回はクリティカル攻撃になる感じだ。
「大より上ってあるのかな……?」
ふと、そんなことを思う。
大の状態で、〈習得の書〉を使ったらさらに成長するのだろうか?
よしっ、もう一回トランパダンジョンに潜ろうっと。
◇◇◇◇◇◇
スキル〈物理攻撃クリティカル率上昇・大〉の所持を確認。
〈物理攻撃クリティカル率上昇・大〉は〈物理攻撃クリティカル率上昇・特大〉にレベルアップしました。
◇◇◇◇◇◇
「大の上は特大だったのか……」
流れてきたダイアログを見て、そう口にする。
その後、ファッシルダンジョンに行き狼でクリティカル率を調べてみたところ、100%の確率でクリティカル攻撃になるようだった。
「これなら必ず一撃で倒せる!」
必ずクリティカル攻撃になるならば、クリティカルが出るまで何回も攻撃をする必要がなくなり、随分楽になったなぁ、とか思う。
「この状態で〈習得の書〉を使えば、どうなるんだ……?」
ふと、そんなことを思う。
今まで小から中、中から大、大から特大と成長してきた。
ならば、さらに〈習得の書〉を使えば、特大がさらに成長することになる。
けど、特大の上ってどういうことだろう?
すでに、クリティカル率は100%だ。
例えばクリティカル率が120%になるとか? それって、数学的におかしいよな。
ゴクリ、と喉を鳴らす。
好奇心が体中から湧いて出てきたのだ。
気になるなら実践あるのみ。もう一回トランパダンジョンに行こう!




