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最弱な僕は<壁抜けバグ>で成り上がる ~壁をすり抜けたら、初回クリア報酬を無限回収できました!~【書籍化】  作者: 北川ニキタ
第三部

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102/112

―102― 開かずの扉

 レイドイベントが始まるまで、残り一週間を切った。

 始まるまでに、少しでも強くなろうと僕は今日もダンジョンを潜る。

 潜るダンジョンは、この町で最難関のダンジョン、コンプレジョダンジョン。


「〈必絶(ひつぜつ)(つるぎ)〉」


 スキルを使って、15層にいる中ボス、飛竜(ワイバーン)を打ち倒すことに成功する。


 ◇◇◇◇◇◇


 レベルが上がりました。


 ◇◇◇◇◇◇


「あれ……?」


 以前、飛竜(ワイバーン)を倒したさいには、経験値ボーナスが手に入りレベルが3つも手に入ったが、今回はそうではなかった。

 どうやら経験値ボーナスが手に入るのは、初回だけなんだろう。


 さて、以前は中ボスを倒した先にある転移陣を使って、地上に出たが、今回はさらに下層へと進む。

 今日の目的は以前、ロドリグさんに教えてもらった開かずの扉だ。

 16層か17層のどこか、という曖昧な情報を頼りに僕はくまなく探していく。

 途中、モンスターと遭遇した際にはレベルを上げるためにできるかぎり倒しながら。


「あっ、これだ」


 ダンジョンの壁面に扉があるのを確かに見つけた。

 その扉は壁と同色で、取っ手のようなへこみがあるだけで、事前に扉があることを聞いていなければ、見落としていたことだろう。

 念の為、本当に開かないのか、試しに取っ手に手をかけてみる。

 扉が動く気配が一切ない。

 やはり、開けるにはなにかしらの条件があるんだろうけど、ここには扉があるだけで、ヒントのようなものはどこにも見当たらない。

 これでは、いくら考えてもわかりようがなかった。

 と、なれば、僕の壁抜けの出番だ。

 いくら開かない扉があろうと、壁を抜けてしまえば関係ない。


 だが、いくつか問題がある。

 壁抜けにはいくつかの条件がある。

 その条件として、僕の体がモンスターに吹き飛ばされる必要があるわけだ。

 そう考えたとき、このダンジョンでそれを達成するのが非常に厳しいことがわかる。

 例えば、このダンジョンの代表的なモンスターとして巨大芋虫(ジャイアント・ワーム)がいるが、このモンスターは手足がないモンスターなため、吹き飛ばすのは得意ではない。

 このモンスターは、噛み付いたり、毒を吐いて攻撃するのが得意な部類のモンスターだ。

 他には、火蜥蜴(サラマンダー)は全身が燃えているため、触れるだけで大ダメージを受けてしまうし、火を吐く猟犬(フエゴ・ハウンド)も火を吐くばかりで近接攻撃は滅多にしない。

 あとは、水晶亀(クリスタルタートル)なんかもいるが、このモンスターは守ってばかりで攻撃をほとんどしてこないし。

 というわけで、このダンジョンに限って、僕を吹き飛ばすのに向いていないモンスターばかりだ。

 もし、吹き飛ばすのが得意なモンスターがいれば、扉の前までなんとか誘導して、吹き飛ばしてもらえば壁抜けができるんだけど。


 さて、困ったぞ。

 立ち止まって考えたところで、いい案が浮かぶわけではないし、ここはダンジョンを散策しながら考えよう。

 まだ見たことないモンスターと出会える可能性もあるし。


 ◇◇◇◇◇◇


首なしラバ(ヘッドレスミュール)

 討伐推奨レベル:82

 首のないラバ。首の断面から炎が燃え上がり全身を包んでいる。


 ◇◇◇◇◇◇


 早速、上層では出会わなかったモンスターと対峙できた。

 だけど、このモンスターも炎に包まれており、吹き飛ばれされようと攻撃を受けた瞬間、炎によって焼かれてしまう。

 炎のせいで近づくのも難しいモンスターだが、僕には氷属性の魔法、〈氷の槍(フィエロ・ランザ)〉があるため、なんとか倒すことに成功する。

 他にも、何体かのモンスターと対峙したが、どれも僕を吹き飛ばしてくれるのに向いたモンスターではなかった。


 結局、この日は開かずの扉に入ることは叶わなかった。



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― 新着の感想 ―
[一言] オーロイアさんだっけ?に吹き飛ばしてもらうとか。 秘密を打ち明ける必要があるけど。
[気になる点] 扉の向こうがただの宝物庫とかだったら詰みですね。 イレギュラーな扉の場合もっと慎重になら無いと。 それとも扉の向こうに壁抜けに適したモンスターか地上への転移装置があるって情報を私が見落…
[一言] これだけ速度ステータスが高ければ、そろそろモンスターからの攻撃に頼らなくても自力で壁へ跳んで壁抜けできそうですね
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