表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放王子の異世界開拓!~魔法と魔道具で、辺境領地でシコシコ内政します  作者: 武蔵野純平
第十章 レッドアラート!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

281/358

第281話 嫌がらせのメロディー

 ――翌朝。二月二日、キャランフィールド。


 赤獅子族のヴィスを見送るため、俺は飛行場に来た。


「ヴィス。じゃあ、頼んだよ!」


「おう! 任せとけよ! 腹一杯食わしてもらったからよ。その分、働くぜ!」


 俺は、じい、ルーナ先生、黒丸師匠と打ち合わせて、仕事を分担した。

 例によって例のごとく、悪巧みだ。


 ヴィスとイネスにも一働きしてもらう。


「ヴィス。これを持っていけ。お弁当、当座の活動資金、やることリストだ」


「お! サンキュウな! 弁当は何?」


「カツサンド」


「お前、マジでイイヤツだな……」


 泣くな。バカ!

 どんだけ揚げ物が好きなんだよ!?


「活動資金はイネスに渡してくれ。やることリストは日本語で書いてある」


「じゃあ、なくしても大丈夫だな」


 紛失前提かよ!

 俺はヴィスのズボンのポケットに、やることリストをねじ込む。


「ヨシフ・スターリンに見つかったらアウトだから……。気をつけて。ヤバくなったら、こっちに逃げてきて」


「ああ。無理はしねえよ……。じゃあ、次はから揚げを頼むぜ!」


「任せとけ!」


 そう言うとヴィスは、異世界飛行機グースの後部座席に乗り込んだ。

 プロペラが回り、グースが滑走路からふわりと飛び立つと、ヴィスは俺に手を振った。


 俺も手を振り返す。


 何とも憎めない男だった。

 同じ転生者でも俺とは違うし、ハジメマツバヤシとも違っていた。


 ヴィスが上手く立ち回ってくれることを祈る。

 まあ、イネスがいるから大丈夫だろう。


 ヴィスに頼んだ仕事は、ソ連から従属国を引っぺがす工作だ。


 カタロニア地方、エウスコ地方、アラゴニア地方は、ソ連の従属国となっている。


 この三つの地域は、元々民族独立運動をやっていた。

 その独立運動組織が、共産主義革命組織に看板を付け替え、ソ連の支援を受け独立した。


 独立したまでは、良かったけれど、すぐにソ連の従属国……いや、構成国として吸収されてしまったのだ。


 そして、ソ連の収奪が始まり、食料を奪われ、中央委員会から来た人間が、色々仕切り始めた。


 元々独立運動をやっていた連中は、不満が溜まっている。


 カタロニア地方は、イネスからコンタクトがあった。

 ここはグンマー連合王国陣営に、寝返ることが確定だ。


 カタロニア地方が寝返れば、エウスコ地方、アラゴニア地方も同調する可能性はある。


 この策は、はまればデカイ!

 ソ連の西側をごっそり削りとれるのだ!


 こうやってソ連の力をそげるだけそぐ。

 ヴィスにやってもらうのが、第一弾だ。


 そして、第二弾、第三弾を実行し、ヨシフ・スターリンを丸裸に……。

 ヒゲの同志の丸裸を想像して、ちょっと気持ち悪くなった。


 ヨシフ・スターリンと名乗っている人は、俺と同い年の子供だそうだ。

 転生者なのだが、どんなヤツなのだろう?


 ヴィスから話は聞いたが、イメージ出来なかった。


 しかし、まあ、これは策なんて良い物じゃないな。

 俺たちがヤルのは、嫌がらせだ。



 俺はヴィスを見送ると、情報部の建物に向かった。


 じいは、情報部で引き継ぎを行っている。

 しばらく留守にするので、仕事を部下に振り分けているのだ。


 俺はじいと合流すると、情報部員のエルキュール族と一緒に、ギガランドへ転移した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★☆★ランキング参加中です!★☆★

クリック応援よろしくお願いします。

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ