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追放王子の異世界開拓!~魔法と魔道具で、辺境領地でシコシコ内政します  作者: 武蔵野純平
第十章 レッドアラート!

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第268話 初見殺し

 黒丸師匠が、地面へと墜ちていく。

 俺は身をひるがえして、急降下で黒丸師匠を追った。


「グッ!」


 黒丸師匠は背中から地面に墜落した。

 声が聞こえたので、生きている!


「黒丸師匠! 大丈夫ですか?」


「大丈夫である……。イツツである……。ここに一発食らったのである」


 黒丸師匠は、額を指さした。

 額に弾丸をくらって、意識が飛んだのだろう。


「他に怪我は?」


「大丈夫である。体のあちこちに痛みを感じたであるが、まあ、どうということはないのである」


 黒丸師匠はドラゴニュートだ。

 全身が硬い鱗に包まれているので、防御力が高い。

 火縄銃の弾では、傷一つつかなかった。


「あの攻撃は何であるか?」


「たぶん、鉄砲です」


「あれが……。話に聞いていたテポであるか……」


 黒丸師匠が立ち上がると、棒型の鉄砲を構えていた横陣の女隊長が声を上げた。


「退却!」


「「えっ!?」」


 横陣の棒型の鉄砲を持った女の人たちは、撃ち終わるとさっさと退却していった。


 俺と黒丸師匠は、あっさりと退却する女性たちを呆然と見送った。


「第二射は……、ないのであるか?」


「初見殺しに徹すると……。空から撃ち落としたので、そこで鉄砲隊の仕事は終わり……。次のお客さんが、来ていますよ」


 鉄砲隊と入れ替わりに、後方にいた剣盾装備の歩兵部隊が突撃してきた。


 初見殺しの鉄砲で敵の隊列を崩したところへ、歩兵が突撃する。

 なかなか悪くない攻撃パターンだ。


 ただ、悲しいかな。

 ドラゴニュートの黒丸師匠に、鉄砲は無効だ。

 なにせ、存在自体が、反則みたいな人だからな。

 人族や獣人相手なら上手くいっただろう。


「さて、アンジェロ少年。敵は千ほどであるが――」


「ハイヨー!」


 空からルーナ先生が降ってきた。


 イセサッキに乗ったルーナ先生は、防壁の上から飛び降りたのだろう。

 黒丸師匠の上に落下して、黒丸師匠がぺしゃんこになって、また気絶してしまった。


「行くぞ! マエバシ! タカサキ! イセサッキ! グンマーストリームアタックをかけるぞ!」


「「「グアア!」」」


「ちょっと! ルーナ先生!」


 ルーナ先生は、突撃してきた歩兵部隊にグンマーストリームアタックをかけた。

 突撃に対して、突撃で応戦した訳だ。


 赤軍兵士は、きりもみ回転するグンマークロコダイルに、次々と吹き飛ばされて星になった。



 *



「黒丸が墜とされただと!? 敵が強かったのか!? 古代竜が出たのか!?」


「いや、人族のおばさんとお姉さんである」


「?? 古代竜並に強いおばさん?」


「違うのである!」


 ダメだ!

 会話が、かみ合ってない!


 戦いが終わって、ルーナ先生、黒丸師匠と反省会の最中だ。


 今回ソ連の攻撃を振り返ってみると、この異世界では異質過ぎることがわかる。


 ・不意打ち攻撃

 ・テロ攻撃

 ・初見殺しの火縄銃


 そこには、転生者の影が見える。


 ヨシフ・スターリンだよな……。

 同じ転生者でも、俺とは違う。


 俺は自分の感じたことを二人に話した。


「今月末までに回答しなければ開戦である。連中は、期限の前に攻撃してきたのである」


「女子供を巻き込む自爆攻撃なんて、考えられない」


 黒丸師匠もルーナ先生も、ソ連の攻撃方法に否定的だ。


 だが――。


「有効であったのは確かです。こっちは多くの死傷者を出しました」


「むむ! 悔しいのである!」


「対策が必要。それより、アンジェロ。攻撃はここだけ?」


 ルーナ先生の質問が、ひどく嫌な予感を俺に持たせた


「ルーナ先生。どういう意味です……?」


「私がソ連の将軍なら、他の拠点にも同時攻撃をかける」


「クソッ……!」


 他拠点への同時攻撃は、俺がメロビクス王大国戦でとった戦法だ。

 同じことを、ソ連がやらない訳がない。


「一旦、キャランフィールドへ戻りましょう! 情報を集めます!」

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