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追放王子の異世界開拓!~魔法と魔道具で、辺境領地でシコシコ内政します  作者: 武蔵野純平
第九章 新しい王国

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第244話 無双のブンゴ隊長と奴隷狩りの男たち

 ――四日後。


 黒丸、ルーナ・ブラケット、サーベルタイガー・テイマーのイネスは、ブンゴ隊長を訪れた。

 サーベルタイガーのラモン、グンマークロコダイルのマエバシ、タカサキ、イセサッキ、ミドリも一緒である。


 ルーナの転移魔法でゲートをつなぎ、数回の転移で移動してきたのだ。


「おお! 黒丸さん! ルーナさん! お久しぶりッス!」


「ブンゴ隊長、久しいのである。助っ人に来たのである」


「悪いヤツをやっつけにきた」


「頼もしいッス!」


 ブンゴ隊長は、南メロビクス王国の南部、ミスル王国との国境近くにベースキャンプを設定していた。

 異世界飛行機グースによる上空からの哨戒と、ケッテンクラートによる見回りを実施中である。


 手はいくらあっても足りない。

 黒丸たちの参戦はありがたかった。


「それで、そちらの方は? なんか凄いのを連れてるッス!」


 ブンゴ隊長は、イネスとサーベルタイガーのラモンを見た。

 ルーナがイネスを紹介する。


「こちらはテイマーのイネス。接近戦もいける」


「よろしく……、ブンゴ隊長……。この子は従魔のラモンよ。サーベルタイガーだけれど、優しい子よ」


「がう!」


 ラモンがひと声鳴くと、ブンゴ隊長はメロメロになった。


「ふああ! かわいいッスね! なでていいッスか?」


「うふ。いいわよ……」


「はあああ……。モフモフッス……。肉球が大きいッス!」


 ブンゴ隊長が、ラモンとスキンシップをしている横で、黒丸師匠とルーナは、イネスを励ました。

 イネスは、独立支援の話をアンジェロに断られ落ち込んでいたのだ。


「まあ、アンジェロ少年も責任のある立場なので安請け合いは出来ないのである。ここらあたりに、奴隷目的で人狩りをしている不届き者がいるのである。捕まえていじめればスッキリである」


「そうそう。悪者をいじめる。スッキリ。しばきたおす」


 黒丸とルーナは、平然と悪党をいたぶれとイネスにすすめた。

 いくら相手が悪党とはいえ、イネスに加虐趣味はない。


 イネスは頭に手を添え、首を振りながら、二人に呆れた。


「長生きすれば、丸くなるっていうけど、アレはウソだね……」


 イネスとしては、ちょっとでもアンジェロに協力することで、心証を良くしようと考えていた。


(少しずつ武功を重ねていけば、あるいは……。ここの悪党は、私の点数稼ぎに利用させてもらおう……)


 イネスは、そんなことを考えていた。

 武功を重ねることで、アンジェロの信頼を得る。

 そして、独立支援を願い出る。


「はあ……」


 長い道のりに、イネスは深くため息をついた。






 ――三日後。


 ブンゴ隊長率いる部隊は、見回り中に不審な馬車を発見した。


 馬車には、若い男が四人乗っていた。

 商人にしては、若すぎる。

 どこかの商会の若い使用人にしては、顔つきに険がある。


 ブンゴ隊長はケッテンクラートを寄せ、馬車を停車させた。

 早速、部下が荷を調べた。


「隊長! 子供です!」


「こっちは女です!」


 馬車の荷台に積まれた樽の中に、女の子が二人と若い女性が一人隠されていた。

 三人とも、縛られ、猿ぐつわをかまされ、目に涙を浮かべている。


 奴隷狩り、ないし、非正規の人身売買であることは、あきらかだった。


 ブンゴ隊長の表情がスッと変わった。


「ちょっと! お兄さんたち! これ、どういうことッスか?」


「「「「……」」」」


 四人は、馬車に乗ったまま何も答えない。

 表情が硬い。


「返事ナシッスか? これ、奴隷狩りッスよね? 現行犯ッスよ。死罪ッスよ。言い訳するなら今のうちッス。ほら、事情を話す方が良いッスよ!」


「「「「……」」」」


 ブンゴ隊長が、男たちに話しかけている間に、部下たちが捕らわれていた三人を遠ざけた。

 部下たちは馬車を警戒し、逃げられないように周囲を固めようとした……。


 だが、馬車の男たちの方が早く動いた。


 荷台に乗っていた二人の男が、腰からナイフを引き抜きブンゴ隊長に襲いかかった。


「インターナショナル万歳!」

「革命万歳!」


「なんなんスか!」


 突然の凶行。

 しかし、ブンゴ隊長に油断はなかった。


 ガンマンのような手慣れた動作で、腰から手斧を引き抜き両手に構える。

 左から飛びかかった男をかわし、後頭部に手斧を振り下ろした。


「セイ!」


「アガッ!」


 手斧を振り下ろされた男は、一撃で絶命した。


 ブンゴ隊長は、振り下ろした勢いで姿勢を低くし、ショルダータックルを右から迫る男にぶちかました。


「ソイ!」


「グッ!」


 みぞおちにタックルを食らった男は、息を詰まらせた。

 そこへ、ブンゴ隊長の手斧が振り下ろされ、男のこめかみにめり込んだ。


 男は頭から血しぶきを上げゆっくりと倒れた。


 部下がブンゴ隊長の身を案じ、駆け寄る。


「隊長!」


「大丈夫ッス!」


 一瞬で二人を屠ったブンゴ隊長。

 見た目こそ、ノンビリした人の良い雰囲気だが、そこに隙はなかった。


『無双のブンゴ』


 ――二つ名は伊達ではない。


 その間に、奴隷狩りの馬車は逃走していた。

 二人の命を盾にしたのだ。


 ブンゴ隊長は、すぐさま指示を出した。


「追うッスよ! 半分は残って、その子たちの護衛ッス! 合図の魔道具を打ち上げるッス!」


「了解!」


 ベテランの部下が、ケッテンクラートの荷台から筒状の魔道具を取り出した。

 打ち上げ花火のような光の魔道具だ。

 これで哨戒に出ているグースや仲間たちに異常を知らせることが出来る。


 ベテランの部下が魔道具のピンを引き抜くと、赤い光球が空高く上がった。


「ヨシ! 行くッスよ!」


 ブンゴ隊長は、ケッテンクラートの荷台に飛び乗った。


 ケッテンクラートの運転手、荷台の攻撃用魔道具を操作するガンナー、ブンゴ隊長の三人が、馬車を追った。


 ブンゴ隊長は、自分に襲いかかった二人の男たちが叫んだ言葉が気になっていた。


(あれは……。何が万歳なんスかね……。聞いたことがない言葉だったッス……)

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