死後の世界
目を覚まし体を起こす光
「ここは…確か俺はテロで銃に撃たれて……夢…?」
周りを見渡すと神殿の内部のような作り
明らかに見たことのない景色と非現実な雰囲気に戸惑っていると不意に後ろから声がかけられる
「ようこそ名も無い世界へ、あなたは戦士として選ばれたのです。」
後ろを振り向くと赤く長い髪の白人
モデルを思わせるスタイルに出来過ぎという程に整った容姿、正に絶世の美女がいた
「選ばれた?戦士?あなたは誰でここはいったい…?」
全てに疑問がつく今の状況を知っていそうな美女へと質問を投げかける
「急な事で困惑するのも当然ですよね、私の名はフレイア
現世で死を遂げたあなたの魂をこの世界へ導いたものです」
「フレイア…さん? すいません、まだ頭がついてこないみたいで…
この世界とは何の事でしょう?」
「この世界では様々な世界の種族がこれから戦争を始めようとしています。あなた達人間もその中の1種族として戦わなくてはなりません」
その言葉がスッと自分の中に入ると自然と戦わないとならないという闘争心が芽生える
明らかに異常だが使命感に近い感情
このために自分は生きてきたのだと感じた
「これから戦争が始まると言いましたが何故まだ始まらないんです? それに争う理由は?」
「準備期間よ、今すぐ戦いを仕掛ける事はルール違反ね。
争う理由は1つ
新世界の創生の為」
「戦争が何故そんな大それた話しに?」
「この戦いはいわゆる神々の代理戦争なのよ。
勝った種族を助ける神に新しい世界をつくる権利を得られるわ
そして戦いに勝った種族はその新しい世界で新たな生をうけられる
現世で死んだあなた達を違う世界で生き返らせるって事ね」
「ちなみにこの戦いに参加しないという人間は?」
「そんな人間はいないわ
というより戦う意思のない人間はこの世界に来ないのよ。
だから死んで誰しもこの世界にくるわけではないの」
なるほど、争いが嫌いだった後輩の空はここには来てないんだろうなと考えたとこで大きな入り口から人が来た
「失礼します!お呼びでありますかフレイア様!」
大きな声と共に入ってきた男は身長190センチ程の大きな体格に坊主頭 年齢は40歳程だろうか
「よく来たわ真司 この子をあなたの隊に任せるから頼むわね」
「はっ!お任せ下さいフレイア様!聖戦が始まるまでに立派な戦士に育てましょう!」
「光、あなたはこの片桐 真司隊長についてまずは戦う力をつけなさい
人間は他種族より非力だけど戦う術はあるからその辺も学ぶといいわ」
片桐隊長、第一印象は体育会系
誠実で豪胆な印象を持った片桐隊長へと挨拶をする
「佐藤光です、よろしくお願いします片桐隊長!」
「片桐だ!よろしく頼む! とりあえず色々と説明しないとだろうから先ずはついてきなさい」
そういってフレイア様に軽く挨拶し入り口へと向かう片桐隊長について行った
この異常な急展開に何の違和感も感じずに