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神様チートは美少女《ヒロイン》のもの!  作者: 文月蜜夜
第一章 少女と幼馴染と共同生活
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少女と幼馴染と対策会

そろそろ1章が終わる予定です。

 リン達がお泊り会をした翌週。

 リンはディビアーノと一緒にギルドの裏方に居た。


「すいません、ディビアさん」

「ん?どうしたのリン?」


 3ヵ月の間にある程度仲良くなったリンとディビアーノはお互いの呼び方を変えていた。

 とはいえ、あくまで私的な時のみで仕事中はお互いにさん付けで呼んでいる。


「いえ、折角の休日なのに僕の勉強に付き合っていただくので…」

「気にしないで、私が好きでやっているのですから」

「それでも、気が引けます…」

「だったら、貸し一つということで今度私のお願いを聞いてください」

「僕にできることなら…」

「ふふ、ありがとうございます」


 大人のディビアーノが唇に人差し指を当て微笑む姿は、名画から飛び出してきたかのようだ。


「さて、それではそろそろ始めていきましょう」

「…はっ!よ、よろしくお願いします!」


 ディビアーノは手始めに机の上に置いた草の葉をリンに見せる。


「リン、この草は何でしょう?」

「えっと…表側には網目状に葉脈が走っていて、裏も奇麗な緑色…葉縁もギザギザになっていないから…『リシア草』ですか?」

「正解です、よく特徴を覚えてますね」


 ディビアーノが褒め、リンがはにかむように笑う。


「では『デリシア草』の特徴はわかりますか?」

「葉脈と葉の裏は『リシア草』と殆ど一緒で、葉っぱで見分けるポイントは葉縁がギザギザになっていることです。また、全体で見分けるなら球根の形が違うことです。『リシア草』は白くて丸い球根に対し、『デシリア草』は白い球根が円錐のような形になっていて黒い斑点があることですよね」

「完璧ですね、流石リン。よく勉強していますね」


 リンはディビアーノに頭を撫でられ嬉しそうに笑う。

 リンとディビアーノは7つ離れており、ディビアーノにとって妹のような存在のリンは無性に構いたくなるのだろう。最初のうちは遠慮していたリンも、最近二人きりの時には大人しく撫でられるばかりか嬉しそうにすることが多くなってきていた。


「では、次に行きましょう。気力を回復させる効果があると知られている薬草を特徴と共に3つ答えてください」

「はい、『レッド草』『光虫草』『水面草』の3つです。『レッド草』はその名の通り赤い葉が特徴的で花は淡い桃色をしていることです。『光虫草』は光虫が好んで食べる草で夜中には光虫の光と、白い壺形花冠の中にあるめしべが光ることが特徴です。『水面草』は川辺や湖の浅い所に広く分布していて茎から3つに別れた丸い緑の葉が特徴で、葉裏は表より薄い緑色になっています」

「そうですね、3つ答えられれば十分ですね。このような人体の治療などに効果的な薬草はよく問われますし、その薬草によく似て初心者が間違えやすい毒草等はよく出題されます。実技試験でも出されることがあるのでしっかりと覚えておきましょう」

「はい」


 草花の知識を中心に午前中は勉強を行い、お昼ご飯にはギルド以外で食事をしようということになり大通りにあるカフェに二人で来ていた。


「私は日替わりランチ定食で、リンはどうする?」

「僕もディビアさんと同じものでお願いします」

「かしこまりました」


 カフェの制服を着た男性が注文を取ると厨房へ下がっていく。

 お洒落なカフェに似合う清潔感あふれるその姿は見ていて気持ちがいい。


「ディビアさんはここにはよく来るんですか?」

「そうねー週に1回ぐらいかな?ほら、私たちの休みは何日か置きでしょ?日替わりランチが毎回違うから飽きが来ないのよ」

「確かにそれは楽しみですね」


 楽しそうに談笑する二人。

 料理を持っている間、二人の話題は先程行っていた試験対策のことになる。


「リンは本当によく勉強していますね…」

「そうですか?」

「えぇ、このままいけばもしかしたら2ヶ月後に控えた鑑定士試験も突破できるかもしれませんね」

「…もし、合格出来たらそれは僕の努力だけじゃなくディビアさんや職場で協力してくれた皆さんのお陰だと思います」

「ふふ、合格するために私も協力するわ」

「ありがとうございます」


 そうこうしていると先程注文を取ってくれた男性が料理を運んできた。


「お待たせいたしました、こちら本日の日替わりランチになります。食後のコーヒー、紅茶は無料で給仕させていただきますので机上のベルを鳴らしてお呼びください。では、ごゆっくりお寛ぎ下さいませ」

「さて、料理もきたし食べましょう」

「はい」

「午後からは鉱石と魔物の素材に入っていくからね、しっかりと栄養取って頑張りましょう」

「よろしくお願いします!」


 午後の内容を確認し終えると、二人は運ばれてきた食事に手を付けるのだった。

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