少女と幼馴染とお泊り会~中編~
前半紅茶の話しかしてませんw
後、思った以上に長くなった。
コポコポと、台所で紅茶を準備するためにリンはお湯を沸かせる。
予めティーカップとティーポットにはお湯を入れ器を温めておく。ティーカップも紅茶の香りを際立たせる為に浅いものを使用している。
これは以前、鑑定士としての勉強の傍らに休憩で読んだ『美味しい紅茶の淹れ方~カップと淹れ方で全てが決まる~』に書いてあったことを実践している。
紅茶は淹れ方一つで味も風味も変わる。美味しい紅茶を入れようと思うと様々な物に気を使わなくてはいけない。
例えば、鉄系のティーポットを使うと香りを損なうばかりか淹れた紅茶が黒っぽく変色してしまうのだ。なので、ティーポットには陶磁器でできた物や銀製の物を使用することが推奨されている。
お湯も沸騰させすぎるのもいけない。かといって逆に温度が低すぎてもいけないのだから調整が難しい。
何度も紅茶を淹れて練習していたリンの見極めは完璧で、沸騰した瞬間に魔力を止め火を消す。
ティーポット内のお湯を捨て、軽く布で拭くと人数分の茶葉をポット内に入れその上に勢いよく沸騰したお湯を注ぐ。こうするとお湯によってポット内の茶葉が勢いよく混ぜられ美味しい紅茶を淹れることができるのだ。
蒸らしている間に角砂糖や茶こしを準備する。
この蒸らしている工程も美味しい紅茶を淹れるための重要な点になる。
蒸らしすぎると味が濃くなりすぎ、蒸らしが足りないと味が薄くなってしまう。
ここも見極めが非常に大切な工程だ。
しばらくして、蒸らし終えるとポッド内の紅茶をスプーンで軽く混ぜ紅茶を淹れていく。
お湯を捨てた5つのティーカップに茶こしを使い少量ずつ均等になるように紅茶を注いでいく。それを、ティーポッド内の紅茶を全て注ぎきるまで繰り返す。こうすることで全てのティーカップに注がれた紅茶の味を均一化するのだ。
「うん、いい感じ。上手く淹れられた」
紅茶から立ち昇る白雲の香りを堪能すると満足そうに微笑む。
香りの立ち方から、自身ができる最高の紅茶を淹れることができたリンはとても楽しそうだった。
配膳用のお盆にのせ皆の紅茶を運ぶ。
「あら、いい香りですわね」
リンが今に入ると同時にフローレンスが紅茶の香りに気が付く。
「…お~、いい香り」
「確かに上品な香りだ」
口々に嬉しい言葉をかけてくれるロゼッタ達にリンの頬が緩む。
「リン~、お菓子って棚に閉まってあったものでいいの?」
「うん、アリス机の上に準備してもらっていい?」
フローレンスが持ってきたお土産と、アリスが棚から持ってきたお菓子を机の上に広げる。
「…クッキーとマドレーヌ~」
「このマドレーヌって『アトリエラ』の高級品じゃないか…」
「このクッキーもしかして」
「リンの手作りだよ!」
「リンさんお菓子も作れるのですね!」
「個人の趣味レベルだから口に合えばいいんだけど…」
アリスや家族以外にはあまり料理を振舞ったことがないため少々不安になるリン。
事前にアリスに味見してもらったときはかなり好評だったため、おそらく不味いことはないだろうとは思っているリンだが初めてのことなので緊張していた。
「では、紅茶が冷める前にいただきましょう」
フローレンスの声と共にお菓子会が始まった。
最初は各々リンの淹れた紅茶に口をつける。
フローレンスは上品にティーカップを持ち、フェルマータは両手で抱えて、ロゼッタは鷲掴みで、アリスは取っ手に指を通して紅茶を口に流し込む。
しっかりと口内で、舌で味わって喉を通して胃に流し込む。
「…ふぅ、いい味ですわ。透き通るような緋色に立ち昇る香りもとても素晴らしいですわ」
「…おいしい。…でもちょっとお砂糖が欲しい」
「紅茶ってここまで味が変わるものなんだな、うん、うまい」
「リンの紅茶は何時も美味しーねー」
「不安だったけど口に合ったようで何より、クッキーも味わってみて」
「わたくしの買ってきたマドレーヌもどうぞ」
リン達は作ったクッキーとマドレーヌを食しながらガールズトークに花を咲かせる。
「リンさんがよろしければ是非当家の使用人になっていただきたいほどですね…」
「ありがとうございます、フローレンスさん」
「…クッキー、おいしーからまた作って」
「いいですよ」
「お、それあたしも教わりたいな」
「ぜひ今度一緒に作りましょう」
「リンもすっかり打ち解けたよねー」
緩やかな時間に少女たちの賑やかな声が響く昼下がりになった。
めっちゃ調べたけど紅茶って難しい。
なんとなく以前ティーカップを温めておくといいっていうのは聞いた気がして色々調べたら出るわ出るわ(笑)
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