少女と幼馴染とお仕事勉強
プロット見直してだいぶ脱線してるかと思ったけど一応プロット通りには進んでるから少しだけ安心できた。
一夜明け、リンはギルド職員見習いとしての初出勤のため朝から行動していた。
アリスもどうやら今日からハンターとしての活動を再開するらしく、朝ご飯を食べた後は夜のうちに手入れを済ませた皮籠手や肘当て等の防具を素早く身に着けていく。急所部分のみを守った軽装はアリスの素早い動きを阻害しないように各所に工夫が凝らされている。
また、軽装であるが故の防御力の低さは魔道具で補っている。アリスが首元に着けている魔道具『身護りのネックレス』は使用者が魔力を流すことによって魔力の壁を展開するといったものだ。流す魔力量によって壁としての能力が変わるが、アリスの魔力量ならば鉄でできた鎧と変わらないほどの壁を展開することも容易だろう。
「おまたせ!」
「…」
「…リン?」
「ハッ!いつもと違う雰囲気だから魅入ってた」
「ふふ、ありがと」
「?」
何でもない、とアリスが告げると玄関に向かい歩き出す。
頭に?を浮かべていたリンだが、アリスの後を追う。
リンとアリスは靴を履くと、玄関の戸締りをして鍵はギルドで仕事をするリンが預かる。
爪先で地面を小突き、靴内で足の収まりを整えるとギルドに向けて歩き出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ギルドに着くとリンはアリスに別れを告げ、受付で仕事をしていたディビアーノに向けて歩き出す。
ディビアーノもリンのことに気が付き、手を振ってリンを歓迎する。なんとなく迎えられているといった感じがしたリンは自然と微笑み、歩みが早くなる。
「おはようございます、ディビアさん」
「はい、おはようございます。リンさん、今日からよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
リンはディビアーノに挨拶するとついて来てと言われ、ディビアーノの後姿を追い受付の奥に入っていく。
そこには2人受付嬢の服を着た女性がおり、書類を見ながらもリンの方を物珍しそうに見ていた。
ディビアーノによって軽く2人に紹介されたリンは挨拶もそこそこにさらに奥の扉に連れて行かれる。
「あの、ディビアさん。どこに向かってるんでしょうか?」
「裏方の方にね。今日1日はとりあえず受付嬢のマニュアルを見ながら指導していくからね。明日からは私と2人で実際に受付嬢の仕事をしてみよっか」
どこに向かうのかとついでに、軽く今日と明日の予定について話すとディビアーノは扉を開け中にリンを誘導する。
中にはたくさんの資料が棚に陳列されており、本棚にも魔物や動植物に関する本など雑多な種類の本が並んでいる。その中には、ココ村でリンが読んでいた本もありなんだか懐かしい気分になるのだった。
「さて、私もお仕事があるので最初の一時間は机に置いてあるマニュアルを読んでもらいましょう。その後、テスト形式で私が問題を出すのでそれに答えてもらいます。とりあえず午前中はそこまでにしまして午後からはリンさんが知識活かせるといっていた鑑定受付嬢について詳細な説明をします」
「わかりました」
「それでは少しばかり席を外しますが、わからないことがあれば私なり先程紹介したお二人なり聞いてください。疑問を残したままにするのが一番いけませんからね、しっかりとわからないことは聞いてください」
「はい」
ディビアーノは一つ頷くと、扉を開け受付に戻っていった。
静かになった部屋の中で気合を入れなおすように、リンは自分の頬を軽くたたく。
「よし、がんばるぞ」
そう言うと、机の上に置かれた本を手に取り読み込むのだった。




