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神様チートは美少女《ヒロイン》のもの!  作者: 文月蜜夜
第一章 少女と幼馴染と共同生活
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少女と幼馴染とギルドマスター

あけましておめでとうございます。

期間が開きましたが更新再開します。

「リンさんを受付嬢に?」

「はい」


 リンはしっかりと頷く。

 ディビアーノは顎に手を当て考える。


「うーん、私一人の判断じゃ難しい話ですね…一度ギルドマスターに話を通してみます」

「すぐには無理ですか…」

「えぇ、こればかりはしっかりした手順を踏んでいただかないと。もちろん私個人としては可愛いリンさんが同じ職場で働けるのは嬉しいですしギルドとしても華が増えるのは非常に喜ばしいことです。そこに他意はありません。えぇ、ありませんとも」

「あ、はい。そうですか」


 後半の部分、特にディビアーノの願望が入っている部分に関しては息継ぎせずに言い切っていた。リンはなんとなく、ディビアーノが所謂残念美人といわれる人物なのだろうと心の中で思った。


「ディビアさんってよく残念とか、これが無ければって言われますよね」

「今更私は変えれないので、いっそのこと曝け出してしまおうかと」


 そういい、胸を張るディビアーノ。

 豊かな胸が揺れる様にアリスとリンの視線が誘導される。年頃の少女としては大きな胸と言うのは羨ましいものなのだ。


「その話はまた今度にするとして、今の時間ならギルドマスターは部屋に居ますし聞いてきましょうか?」

「え、今おられるんですか?」

「えぇ、今日はギルドの方に居ますね。偶に居ないときもありますが基本的には居ますね」


 そういうとディビアーノは、隣の受付嬢に少し受付を抜けることを伝えると階段を上りギルドマスターに伝えに行く。


「ギルドマスターってどんな人なんだろ…」

「優しい人かな?まぁ、悪い人ではないよ。ギルドマスターになるぐらいだし、実力も高い人」


 そんな感じでアリスと話していると先程ギルドマスターに会いに行ったディビアーノが戻ってきた。


「上の部屋で直接会って話をしたいとのことなのでついて来てください」

「わかりました」

「私は待っていた方がいいのかな」


 面談までついて行った方がいいかアリスはディビアーノに問う。


「いえ、アリスさんも来てください。何やらギルドマスターが丁度用事があるみたいですよ」

「そうなんですか、じゃあついて行きますね」

「よかった、アリスもついて来てくれるんだね」


 一人では心細いと感じていたリンはアリスが付いてくると知ると、ホッと一息つく。


「では、行きましょうか」


 ディビアーノはそう言うと、受付の横にある階段を昇っていく。リンとアリスもその後に続き、ギルドマスターのいる部屋を目指してついて行く。

 階段を上がる途中にリンが周囲を見渡す。2階には多くの部屋があり、その部屋に入っていくギルドの従業員や商人などが見受けられる。新居に行く時にギルド前を通った際のアリスの説明によると2階は商談室や、ギルドで働いている従業員の居住区があると説明されていた。商人たちは魔物の素材を買い取りに来た者達や、道具などを売りに来た者達だろうことが予想される。


「リンさんはギルドについてどのぐらい知っていますか?」


 階段を上がる途中でディビアーノからリンに質問がされる。


「知ってることですか?」

「はい、採用されれば同じギルドで働く仲間になりますし、新人教育もあります。手取り足取り腰取り頭の先からつま先まで面倒見ますよ」

「あ、そんなに密着型じゃなくて大丈夫です」

「そうですか…」


 露骨に残念そうな顔をするディビアーノ。何故か罪悪感を抱いたリンだったが頭を振り、その考えを霧散させる。


「えっと、ギルドについて知ってることは各階にある施設や部屋と、受付嬢の役割が違うことぐらいです」

「そうですか、なるほど…。わかりました、新人教育の際の参考にしますね」


 そう言って、ディビアーノは微笑む。

 美人が笑うとそれだけで周囲への全体攻撃となり周りにいた男や一部女性が顔を赤くする。こういうところを見ると言動さえ気を付ければ普通の美人なのにな、と心の中で思うリンだった。


「さて、ギルドマスターの執務室に着きましたよ」

「ここですか?」


 大きな扉の前にたどり着いたリン達。この中で最も身長の低いリンを縦に二人分並べたぐらいの大きさがある。


「ギルドには多くの人種の方が居ますから、その方たちにも配慮された作りになっているんですよ」

「なるほど…」

「その辺りもしっかり教えますね」


 そう言うと、ディビアーノは扉をノックする。


「ディシオギルドマスター、受付嬢希望の方を連れてきました」

「入ってくれ」


 扉の奥から初老の男性が発する(しわが)れ声が聞こえてきた。

 扉を開けるとそこには白い髭がたくましい初老の男性が座っていた。その肉体は(しわが)れ声からは想像できないほど引き締まった体をしている。鋭い眼光は猛禽類を思わせる。


「久しいな、アリス」

「ご無沙汰してます、ギルドマスター」

「そして、そっちの女子(おなご)が受付嬢になりたいと言っているリンだな」

「は、初めましてリンです」


 ぺこり、と頭を下げギルドマスターのディシオに話しかけるリン。

 ディシオは頷くと席に座るように促す。

 リン達は高級そうな椅子に腰かけ、ディビアーノは何時の間にやら用意していたお茶を差し出すとディシオの後ろに控える。


「さて、受付嬢になりたい動機から聞いて行こうか…」


 そして、ギルドマスターによる面接が始まった。

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