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神様チートは美少女《ヒロイン》のもの!  作者: 文月蜜夜
第一章 少女と幼馴染と共同生活
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少女と幼馴染とお風呂

進んでるのか…?

 リンとアリスは買い物を済ませ家に戻ってくると、食材を備え付けの冷蔵魔道具に収納すると2階の片付けをした。2階部分も主にアリスの魔法で粗方掃除を行い布団などの荷物を運びこんでいた。2階には4部屋あり、1部屋ずつ自分の部屋として使う様に取り決めると二人は荷物を片付けた。

 そんなこんなで家のことをしていると夕日が窓から差し込み、夜の訪れを伝える。

 昼が重めのメニューだったことを考慮し、夜はサラダやお豆腐、スープに卵焼きといったメニューにし、お昼の時余ったパンを包みに入れて持って帰っていたのでそれを食べた。

 リンとアリスは食べ終えた食器を手分けして洗い食器を片付けていった。


 一通り片付け終え、一息つくと夜も深まり始める時間帯になっていることに気が付く。


「さて、お風呂に入ろう」

「あ、僕部屋の整理したいからアリス先に入っていいよ」

「…お風呂に入ろう」

「…一緒に?」

「一緒に」


 アリスが顔を近づけながら言う。

 まじかー、という表情をリンは思いっきり顔に浮かべるがアリスは目を逸らさない。やがて、諦めたように溜息を吐く。


「今日だけだよ?」

「えー、毎日リンと入りたい」

「がっつり要求してくるね!?」


 アリスはリンの手を握り逃がさないとばかりに拘束する。


「だって3年も一緒じゃなかったんだよ!?幼馴染の交流を深めなきゃ!」

「でももう15だよ?流石に一緒に入る年じゃないと思うんだけど…」

「学院では今のパーティメンバーと入ってたよ?」

「大浴場とかの話でしょ?家のは二人で入るには…十分広かったね」

「ね?一緒に入ろ?」


 うーん、と唸ってしばらく考えていたがよくよく思えばアリスがリンの家に泊まりに来ている時はお互いの身体を拭いたりしていたので見慣れたものだった。今更お互いの裸で思うところはないだろう、と思ったリンは結局入ることを了承した。


「やった、じゃあお湯入れてくるね!」

「いってらっしゃーい」


 お風呂場にアリスが消えると魔法を唱えることが聞こえる。それを耳にしながら残りの食器を片付ける。5分程で片付け終えると丁度アリスも戻ってくる。


—―一糸も纏わぬ全裸で。


「アリス!?」

「ん?」

「裸でうろつかない!いくら自宅でもはしたない!!」

「もうお風呂入るからいいでしょ?それより早く早く!」

「ちょっと!」


 アリスはリンの腕を引っ張り風呂場へ連れていく。

 お風呂にはアリスが魔法で出したお湯が檜の湯船に張られており湯気が立ち込めている。4人が足を伸ばして入ると丁度隙間が無くなるほど湯船は広く、また、魔道具のシャワーも2台付いている。

 リンは着ていた服を脱ぐと選択籠の中に入れる。着替えるスペースには寝間着が置かれており、アリスが準備してくれたのだろう。

 生まれたままの姿になると手で秘部を隠しながら先に風呂場に入ったアリスを追う。


「広いね」

「私たち二人で住むにはちょっと広すぎるかもね」


 リンの言葉にアリスが補足して返す。


「久々だし体洗ってよ」


 シャワーの前に設置された木製の椅子を水で濯ぎ、腰掛けながらアリスが言う。

 ハーフアップにしていた髪を下ろしたアリスは、まるで絵画の中に出てくる女神のように美しい。均整の取れた身体はハンター生活で鍛えられ引き締められている。

 見惚れてアリスの肢体を眺めていたリンは、アリスの言葉に我に返ったリンは若干赤面しつつも椅子に座るアリスに近付く。


「えっと…どうすればいいの?」

「あ、そっか…まだ使い方教えてなかったね。じゃあ、先にリンから洗おうか」

「あ、うん。お願い」


 リンとアリスは場所を入れ替わるとアリスがシャワーの使い方を教える。


「シャワーの先に石がはめ込んであるでしょ?」


 そういいながらアリスはリンにシャワーの先端を見せる。そこには青色と赤色2種類の石が取り付いていた。


「こっちの赤いのに魔力を流しながらで青い石に触るとお湯が出て、魔力を流さずに青い石を押すと水がでるよ」

「へー便利だね」


 この世界では人は必ず魔力を持って産まれる。日常生活の中でも小さな灯や少量の水を出すぐらいなら、村人でも使うことができる。魔力の扱い方に関しては雛鳥が成長し空に飛び立つかの如く、自然に魔力の使い方を理解している。

 つまり、あまり魔法を使ってこなかったリンでも簡単に魔力の操作はできるという訳だ。


「最初は少しだけ魔力を込めてお湯を出してみてもし温かったら少しづつ魔力を込めて適温にするの。一度込めた魔力は大体10分ぐらいは持つからね」


 そういい、アリスは魔力を込めお湯を出す。

 小さく穴が開けられたシャワーヘッドからお湯があふれ出る。


「んー…ちょっと温いかな?どうリン?」


 そういいアリスはリンの足先にお湯を当てる。


「んー、確かに温いかも」

「じゃ、もうちょっと熱くするね」


 アリスが魔力を込めると先程よりも熱くなったお湯が出てくる。


「ちょうどいいぐらいだね」

「よし、洗っていくよー。眼瞑っててね?」

「ん」


 リンは目を瞑りお湯が目に入らないようにする。それを確認してからアリスはリンの髪にお湯をかけていく。その際軽く頭を揉み髪をほぐしていく。


「はうぁ…」

「痒いところありませんかー?」

「うむ、くるしゅうない」


 茶化すようにアリスが言い、リンもそれに冗談で返す。

 お互いクスリと笑うとアリスは続いて髪にシャンプーをする。


「この『しゃんぷー』ってすごいよね、美容ギルドの人が発明したらしいけど髪が綺麗になるし良い匂いもするしいいことずくめだよねー」

「そうなの?でも確かにいい匂いする」

「そっか、リンは『しゃんぷー』初体験だもんねーお風呂あがったら髪の匂い嗅いでみるといいよ、もう『しゃんぷー』無しじゃ生きられない体になるから」

「待って、何それ怖い」


 そういった話をしている間もアリスは髪を洗うのをやめずにどんどん泡立てていく。

 リンもアリスに現れるのが気持ちいいのか緩み切った顔をしている。

 5分ぐらいして髪を一通り洗うと指で梳き、余計な泡を落とす。


「流すよー」

「ん」


 お湯をかけながら丁寧に指で泡を落としていく。『しゃんぷー』が髪に残ると髪や頭皮に悪影響があると店頭で説明を受けていたアリスはリンの髪が痛まないようにしっかりと泡を落とす。

 その後『りんす』を付け髪に艶を持たせる。

 身体も隅々までアリスが洗おうとしたが流石にリンからの許可は下りず、背中だけをお互いに洗いあうことになった。


 リンも交代でたどたどしいながらもアリスの髪と背中を洗い湯船につかる。

 湯船に髪を付けるとよくないので頭の上で髪を纏め布で押さえる。


「ふー…気持ちいいね」

「そうだねー」


 湯船でお湯につかるという心地よさに二人して語彙力を失い、ただただお風呂を堪能する。

 お湯の温かさが身に沁み、ゆったりとした時間が流れる。


「ねぇ、アリス?」

「何ぃ?」

「僕ね、仕事何ができるか結構考えてたんだ」

「もう?のんびりでもいいんだよ?その間リンはお嫁さんのごとく手料理を作って家で待ってくれているとよいのだー」


 お湯に溶かされ謎の口調でリンに自身の願望を伝えるアリス。


「お嫁さん…」

「んー?」

「いや、何でもないよ」


 呟きをごまかすと一つ息をつく。


「仕事の件なんだけどね?僕、受付嬢の仕事がしてみたい」

「受付嬢かー…ならシアさんに話通してみようか?」

「ほんと?お願いできる?」

「でもなんで受付嬢なの?」


 アリスが率直に思った疑問を口にする。王都なら受付嬢以外にもたくさん仕事はあり、何も急いで決める必要がないのではないかとアリスは思ってしまう。


「うん、ギルドでアリスが言ったじゃない買取を担当している人がいるって…その受付嬢なら私が身に付けた知識が活かせると思ったんだ」

「なるほどね」


 アリスは納得したようで頷く。


「じゃ、明日は朝から一緒にギルドにいこっか」


 そういい、アリスは湯船から立ち上がる。リンもそれに倣い湯船から立ち上がり脱衣所に出て行ったアリスの後を追うのだった。

一応、カタカナ使う部分と使わない部分の差は転生者、転移者が持ち込んだ知識と言うイメージです。

シャワーぐらいなら発明されてるかなと思ったのでカタカナ表記です。

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