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ダンジョン『説明会』 後始末

冒険者組合・商業ギルド・領主には『説明会』参加のお礼に、ウイスキー一本と丸芋(ジャガイモ)と甘芋(サツマイモ)の素揚げを2皿ずつ贈った。

やはり甘芋(サツマイモ)は女性職員に効果抜群のようだ。


ただ冒険者組合は『一ヶ月ほど様子を見てから』と保留で依頼を受けてもかまわない様子だったが、商業ギルドは難色を示して依頼拒否だった。

おそらく色々と解答を拒否したのが原因だろう。

駆け引きのつもりだろうが、こっちには折れる要素が無い。

生き物以外は『DP-Shop』で買える。

生き物だって別に商業ギルド通さなくても、冒険者組合に『隣町での買物の依頼』を出せばいい。



領主には王都に報告書を送るのに便乗して、ダンジョン開設の挨拶の手紙とウイスキー2本を託した。

酒精が強いことと、飲み方の解説を添えたのは言うまでもない。




南の孤児院へはトマト味の肉じゃがというかポトフを寸胴二杯程作った。

ルプに何度かダメだしされたのと、顆粒コンソメを少し使ってズルをしただけに評判だったようだ。



「しかし美味しいのに、なんであれでダメなんだ?」



「問題はシスターさん達が真似して作って、ある程度再現できるかどうかなんですよ。

 なので地元の畑とかぶって農園で作れないニンジンや玉ねぎいっぱい、それだけでなくウサギ肉いっぱいってのも安く作れないのでダメなんです。

 あと地球の調味料使いすぎると、お金かけても再現できずに『なんかおかしい』って話になります」



「奥が深い。

 もうちょっとこの国の料理も研究しないとダメなのか‥‥?」



「この地域の好みの問題もありますが、要はコストですね。

 材料費だけでなく、寸胴いっぱいの量を一時間煮立たせる火力ってのは『かまど』があっても結構『薪』を使います。

 昼間のウサギのソテーとかの焼き物だったら、すぐに串焼き屋台でも安価に真似できると思いますよ」



「孤児院の財源を補って代わりにDPが尽きたり、これ以上試練や制限が増えるのは本末転倒だな。

 試練の巻き添えにでもしたら目も当てられない。

 

 毎日料理作って届けると言う訳にも行かないから、かなり自重しないとダメか‥‥」



「そうですね。

 ただ南の孤児院は人員的にも足りてないので、今日は結構無理してシスターを送り出したようです」



「それだけでも肩入れする価値はあるな。

 とりあえず生存の為にDP稼いで、そして金だ」




最後に偽名を名乗った自称:孤児院の人だが‥‥『説明会』の翌日の朝、予告通りに普通に開放した。

孤児院が代理人を送って知らんふりしてるのか、ただの詐欺師の成りすましかは不明のままだが正直どうでもいい。

拷問するわけにもいかないので放置。


シスターさんを送った南の孤児院以外は、便宜図ることも寄付もなし。

入場禁止にすることも無ければ、積極的に関わる必要は無いだろう。

あぶく銭とかで儲かって余裕が出たら、領主経由で匿名の寄付を送るかもしれない。

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