もちこの世界が終わるまで
私がWバースを始めたのは、3年前のことでした。
『Wバースを起動します』
その言葉を最後に、私の視界は真っ暗になった。
どんな世界にどうやって生まれるのか、私は楽しみで仕方が…狭い!!
なにこの狭い空間は!!
出して!!
丸い空間、硬い壁!!
怖い!!!
壁を叩く、叩く!!
なんとか壁が割れ、そこから光が差し込んできた。
これで助かる…いや。
生まれることができるみたい。
私はどうやら卵の中にいたようで、壁は卵の殻だった。
なんとか卵から抜け出すと、そこは洞窟で、私が出てきた卵に似た卵が周囲に散らばっていた。
すぐに誰かが洞窟に入ってきた。
それは人間に翼の生えた存在…天使。
と一瞬考えて、その翼は腕から広がり、所々羽毛が生えていることに気づいた。
彼女はハーピィだった。
まさか人間に生まれないとは思っていなかったのでそこそこ動揺した。
ただ、生まれた時から肉体はほぼ完成していたので、攻略サイトでよく見る、ある程度成長するまでの不自由さはなさそうだ。
彼女は私を見ると嬉しそうに、だがそこまで激しい感情は見せず、私に挨拶をした。
言語を取得する前のことで、記憶に自信はないがこう言われたような気がする。
「