5:ミステリーザリガニ
ミステリーザリガニ。
登山の帰りに寄ったシマ○ューでその謎の生物に出会ったとき、私の目は釘付けになった。
(また別の機会に書くが、私は魚とかアクアリウムが趣味なのだ)
それにしてもミステリーザリガニの名前のインパクトよ。
いったいなぜ、なにがミステリーなのか。人でも殺すのか?
奇しくも外来生物ウチダザリガニの美味しい食しかたについて、家人と真剣に会話をしていた矢先のことであり、ウチダザリガニ以上に謎めいたザリガニなど存在するわけがない――そう考えて調べ始めてしまったのが運の尽きであった。
どうやらミステリーザリガニは「無性生殖」するらしい。
もっと分かりやすく言うと、オス無しで繁殖するザリガニ。
孤高のメスザリガニ、それがミステリーザリガニ。
それを聞いて、もう何というか、ああ。
剛なるメスよ、君こそ我が水槽(30cmキューブ)に住まい、私の理想のアクアリウムワールドの女帝の座に君臨するにふさわしいと。そう思ったわけです。
しかし良く良く調べると、もう、すっごいペースで増えるらしい。
なにしろ単体で繁殖しちゃうわけだから。
たった3~4cmの体にして、日本の生態系を脅かすところまで来ているとのこと。
いくらクローンコピーとはいえ、命あるものを間引いたり、劣悪な環境で飼うことをよしとせず、心優しい私は思い止まっている。
それに飼い始めたら、なんか達観しちゃいそうな気もするし。
オスが不要って……。




