2/40
2:書くことについて
最近まで、1000文字程度の短い文章を書いては消しを繰り返していた。
文章は頭の中にいくらでも沸き上がるのだけれど、そのどれもにまとまりがなく、受け入れられなくてすぐ消した。
私は本を読むのが大好きで、編集と切っては切れない業界で育ったこともあって、「人に読んでもらう文章とはかくあるもの」という考えが心のどこかにある。
ライターでもないのに、文章を書くことを求められるシーンが多いのは、そういった素地が関係しているのかもしれない。
しかし人に公開できるような形にしようとすればするほど、完成度が気になって思うように筆が進まない。
ましてや仕事上は端的な結論が好まれるので、とりとめのないことを書くことに苦手意識すら持つようになった。
これではイカン。
あと5年の間に、書く文章の選択肢が狭まってしまうなんて、不幸の極みだ。
だから自由に書くことにした。
小説とか、論文とか、そういったスタイルにこだわらず、好きなように書いてみることにした。
こんな落書きでも、とにかく書けば誰かに届くかもしれない。
今はそんなことを考えている。