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三話 ものすごく目立ちました。

ごめんなさい半年以上も遅れて本当にごめんなさい!!

そして閲覧ありがとうございます!!


 


 時はクラスメート達が王と会話をしている最中まで遡る。

 無論、場所は天界だ。





「さて最高神よ、何を代償とし、俺を使役する?」



 ムルドはその声を聞き、その目に一縷の希望を宿した。



「っ! 儂にできる事ならば如何なる事でも実現して見せよう!」


「そうかそうか。……って言ってもハッキリ言って俺もそこまで欲しているものは無いからな……」


「ならば儂らの世界の知識をそなたに授けよう。知識はあって困ることはないだろう?」



 知識、か。良いな、それ。



「承知した。その願い、引き受けよう」



 途端、先程まで張り詰めていた空気が一気に霧散し、神々は安堵の表情を見せた。



「感謝する、矢崎透殿!」



 ムルドが何度も頭を下げる。

  【ヴォルガント】の民ってのは幸せだな。

 お前らの世界のために神が必死こいて頭下げてるぞ。



「んじゃ、もう行っていいか」



 もうここには用はない。



「あっ、ちょっと待っとくれ」


「? なんだ?」


「儂らから加護を授ける」


「別に要らんのだが」


「いや、万が一でも世界の救世主に何かあったら困る。儂の知る限りの力と恩恵を与えよう」



 その言葉に他の神々も賛同する。



「……分かった。そこまで言うなら」



 ムルド達はその声に満面の笑みを零しながら、手をこちらに掲げた。


 瞬間、俺の体を黄金の光が囲む。



「うわ、眩し」



 綺麗とかそういうの以前に、とても眩しかった。



「よし、これでいいじゃろう。うむ、似合っておるなぁ」



 ふと、ムルドの発言に引っかかる。



「は? 似合ってるって、何が?」


「なにって、その目と髪じゃよ」



 は、髪?


 俺は長い前髪を摘んで見てみる。



「うおっ?!」



 俺の髪は……見事な金髪になっていた。


 なんで気づかなかったんだ、俺?!



「なんなんだ? これ!」


「これから与える知識の中にあるのじゃが、この世界では能力値によって目と髪の色が異なるのじゃよ」



 そんなものがあるのか?

 差別の原因になるだろ。



「一番下から、黒、灰、ピンク、青、赤、そして、銀と金じゃよ」


「つまるところ……俺は最上級な訳か」


「そうじゃの」



 ムルドが得意げな顔をする……が。





「……却下だ」


「…………へ?」



 ムルドが呆けた顔をする。勿論、他の神も同様だ。



「却下だと言っている!


 異能創造(イノウソウゾウ)

 コマンド:万物偽装(バンブツギソウ)!!」



 ムルドは俺の真っ黒になった髪と目をみて、「あああぁ……」と声を漏らしていた。




 ────────────




「よし、これでもう行っていいだろ」


「……うむ……」



 どこか不満げなムルドの返事に気付かないふりをする。



「さあ、送ってくれ」


「分かった。じゃがここに長くいすぎたせいか、儂の時間を遅らす魔法でも少し皆の召喚よりも遅れるかもしれん」


「……まあ、それはそれで仕方ないさ」


「……では、王城の召喚の間に送るぞ」



 光が俺を覆い、体が一瞬浮遊感に包まれる。



 その瞬間。

 ……俺は、落下した。



  ドスッ



「ってぇな。っち、あのじじいわざと空中に移動させやがったな?! ……次会ったら絶対ぶん殴る」



 俺がムルド(クソじじい)に憤りを感じていると、ふと大量の視線がこちらに集まっているのを感じた。





 ……あ、やべ。

 ここ召喚の間か。つまり、クラスメートも当然いるわけで……




「「「「「……」」」」」


「……」



 き、気まずっ!


 ああ、俺今、いままでの学園生活で一番目立っている気がする……。

 いやもうここ学園じゃないんだけど……。



「と、とりあえず、皆様別室へご案内致しますね……」



 おお、グッジョブだ姫さんらしき人。


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