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神州鬼狩東征伝(休止中)  作者: 織上ワト
幕間 人物詳伝
14/14

其之壱 〜東雲覇切・黒条百合編〜

お久しぶりです! この度予てから連載していたグロリアスマーチを一時休止しまして、こちら神州鬼狩東征伝一本に絞って連載していくことにしました。グロリアスを読んでくださっていた皆様には本当に申し訳ないのですが、あちらの方は一、二年以内にはリメイクという形でまた続きを書きたいと思っています。打ち切りではないので気長に待っていただければ幸いです。


というわけで今回の東征伝なのですが、お話ではありません。いきなり出鼻を挫いてしまって申し訳ないのですが、これはこれで読めば楽しいと思うので、第二部突入前の箸休め的な意味で読んでいただければと思います!


東雲しののめ 覇切はぎり

《出自・経歴》

16歳。身長は5尺9寸(約178センチメートル)、体重は18貫4斤(約70キログラム)。千刃暁學園第九十七期及び鬼剋士特科第一期生。學園編入時の列位は乙種。浄土東端に位置する山村の出身で、地域一帯を治める藩主の家柄である蟒蛇家に生を受ける。両親、祖父母、三人の兄と一人の姉、そして最愛の妹に囲まれた賑やかな生活を送っていたが、六年前の鬼の浄土侵攻で総てを奪われる。以降精も根も尽き果て当てもなく浮浪していたところを、当時の季華十二鬼将である東雲涅々に拾われ、後に姓を『東雲』と改める。鬼への雪辱を果たすため、そして当時のある出来事をきっかけに抱いた『歪んだ復讐心』を遂げるために、涅々の指導のもと鬼剋士としての鍛錬を積み、彼女の紹介で千刃暁學園への編入を決めることとなった。


《本人概要》

右眼の眼帯が特徴的な青年。無駄なく鍛え上げられた身体からは暴力的というよりも守るべきものを守れる安心感を印象付け、その静かな包容力は自然と周囲の人間を惹き付ける。比較的口数が少なく、寡黙と言って差し支えない性格だが、自分を持っていないというわけでは決してなく、むしろその胸の内に秘めた信念は誰よりも固い。また表情の変化にも乏しく感情を表に出すことが少ないが、内心では熱くなりやすい気性で周囲には冷静な人間だとよく誤解されている。妹の生前には彼女を溺愛していたことから、年下の女性に対して甘いところがあり、百合や梗などの年少組を特に可愛がっている。


《戦闘技能》

[五行万象術・環境支配]

陽属性・金烏神陽陣

[鬼宿等位]

剛之象 ■■■■■■□□□□ 砕之象 ■■■■■■□□□□

堅之象 ■■■■■■□□□□ 絶之象 ■■■■■■□□□□

迅之象 ■■■■■■□□□□ 冴之象 ■■■■■■□□□□

活之象 ■■■■■■□□□□ 快之象 ■■■■■■□□□□

練之象 ■■■■■■□□□□ 覇之象 ■■■■■■□□□□

[概要]

五行万象術の属性は、基本の五属性から外れた陽の属性。通常万象術の属性は木火土金水のいずれかで、そこから逸脱することはないため、これは非常に稀。覇切のような陽の属性の神威や陰の属性の神威は、他の五属性とは異なり一概にどのような特性を有するかを図ることは難しい。しかしある程度の傾向を見出すことは可能で、陽属性の神威は主に収斂や統一を司る。故にそこから生まれた覇切の環境支配である金烏神陽陣の効果は、覇道域――すなわち己が環境支配の力を行き届かせることができる範囲内の神威を、自身に収束させること。鬼剋士は自らの体内にそれぞれの属性神威を持ち、生成しているが、万象術の行使は見た目以上に莫大な神威が必要となる。故に体内で生成する神威では供給が追い付かず、早晩燃料切れとなってしまう。そのため鬼剋士たちは通常、空気中に自然に存在する神威を自らの身体に取り込み適合させることで、効率よく万象術を運用する術を身につけている。覇切の環境支配とはすなわち、この特性の超効率化である。通常であれば、自分の周囲数間の距離の神威しか取り込むことができないが、金烏神陽陣の発動下では覇道域内――覇切の場合最大にして十五間――の神威総てを一息に集めてしまう。結果、神威の運用効率が爆発的に上昇し、合技などの連続使用が難しい高等技能を途切れることなく繰り出すことが可能となる。要するに必殺技を際限なく繰り出し続けることができる状態を維持できるということ。この環境支配こそ総ての鬼宿等位が平均値である覇切の切り札であり、同時に生命線でもある。

[欠点・課題]

言うまでもなく、覇切の最大の欠点は等位陸で統一された鬼宿等位。『穴が存在しない万能型』とも取れるが、覇切本人曰く、『得意分野が存在しない器用貧乏』。故に勝ちづらい性格であることには間違いがないが、同時に苦手分野もないために非常に負けづらいという特性も持つ。ただし単一で飛び抜けた分野がないことには変わりないため、長所と呼ぶには憚られる部分は大いにあり、覇切は合技を中心とした戦術を組み立てることで自身の不得手を補っている。環境支配である金烏神陽陣はその究極系とも言え、覇切にとってはなくてはならない必須の能力であるのだが、こちらにも大きな枷が存在する。それは能力の持続時間と発動環境。前者の持続時間とは厳密に時間制限があるわけではない。覇切の環境支配の特性上、周辺一帯の神威を喰い尽くすことになるため、持続時間とはつまり一帯の神威が枯れるまでの時間のことである。故にその時間を過ぎると、環境支配はおろか通常の万象術の行使すらできなくなり、生命線と表現したのはつまりこういうこと。発動すれば最大最強の切り札となり得る強力無比な力だが、一度発動したら最後、時間内に敵を殲滅できなければ逆に自らを窮地に追い込む諸刃の剣でもある。もう一つの制限が、能力の発動環境。前述の持続時間の内容とも重なるが、覇切の環境支配は一帯の自然神威を一切の例外なく喰い尽くしてしまう。それはすなわち味方を交えた集団戦の不成立を意味する。他者の取り込もうとする神威まで奪い取ってしまう性質上、誰かと共闘するということが事実上不可能で、使用できる場面は限定される。故に使いどころを誤れば自軍の破滅を招く力であることに違いはなく、この強大な力をどの機会にどう扱うか。その見極めが今後の彼の戦いでの最重要事項となってくる。




黒条こくじょう 百合ゆり

《出自・経歴》

15歳。身長は5尺1寸(約153センチメートル)、体重は12貫5斤(約48キログラム)。千刃暁學園第九十七期及び鬼剋士特科第一期生。學園入学時の列位は丙種。浄土最西端に位置する都、日向の出身。名門貴族である竜胆家に生を受けるが、百合がその身に宿した『ある異常』が原因となり、彼女が七つの時に両親は離縁。百合の兄である百夜は父方に、百合自身は母方に引き取られ、以降母の旧姓である黒条を名乗ることとなる。しかし実のところ、これらの情報は百合が後に百夜からの伝聞によって得た情報であり彼女自身の記憶に基づくものではない。何故なら彼女にとっての最古の記憶は四年前、陰陽寮所管施設の簡素な寝台の上で目覚めたときより始まっている。自分が何者かもわからず、総ての記憶を失った百合は絶望感に打ちひしがれるが、当時の陰陽守で後の千刃暁學園学園長、月代兎和子の叱咤により自らの記憶を取り戻す決意を固める。以後鬼剋士としての研鑽を積み、自身の目的を果たすために、四年後千刃暁學園の門戸を叩くこととなる。


《本人概要》

背中まで伸びた美しい黒髪と吸い込まれそうなほど深い漆黒の瞳を持つ少女。低身長の割に豊かに育った胸が特徴的で周囲の女性からは羨ましがられているが、本人としては動きづらくてあまり好きではない。端的に言って美少女だが、あまり人付き合いが上手くなく取り繕うということが苦手。百合自身他者を遠ざけようとしているきらいがあるため、これまで友人の類は一人もいなかったが、それは人嫌いと言うよりも『自らの異常』が原因で他者に否定されることを恐れるが故。常日頃から自分を抑え込んでいる百合だが、本当は誰より感情豊かで自身の心に素直な普通の少女である。覇切たちと打ち解けた後は、その直情的な性格もあって完全ないじられ役となっているが、その遠慮のない関係性を彼女自身心地よいと感じている。


《戦闘技能》

[五行万象術・環境支配]

水属性・絶氷陣

[鬼宿等位]

剛之象 ■■□□□□□□□□ 砕之象 ■■■■■■■□□□

堅之象 ■■■□□□□□□□ 絶之象 ■■■■■□□□□□

迅之象 ■■■■■■■■■■ 冴之象 ■■■■■■■■■□

活之象 ■■■□□□□□□□ 快之象 ■■■■□□□□□□

練之象 ■■□□□□□□□□ 覇之象 ■■■■■■■■□□

[概要]

迅之象にひと際優れた才覚を持つ速度重視型。鬼剋士は一般的に、十ある鬼宿等位のうち一つか二つの分野に優れた傾向を見せることが多いとされるが、百合は速度を司る迅の他に冴と覇、合計して三つの系統に秀でており、鬼剋士として類稀なる才能を有していると言っていい。五行万象術の属性は、木火土金水五属性の内の水。覇之象に優れた資質を持つ百合は、自らの属性神威を広範囲に拡張する環境支配に長けており、自らを中心に最大で二十間の空間を一瞬で氷の世界へと変貌させる技を得意とする。そうして展開された氷点下の空間で、動きが鈍った敵手を迅と冴によって強化された持ち前の敏捷性と精密性によって、一瞬のうちに屠り去るのが彼女の王道戦略。速度強化が極まっているために、空間を駆け回りながらの戦いにも十分以上に適応できるが、百合の場合、体力面を強化する活之象が比較的低い数値ににとどまっている。そのため、そういった戦い方も可能ではあるが得意ではないといったところ。彼女が得手とするのはあくまでもその敏捷性、自身の瞬間的な速度を生かした戦法。一ヶ所にとどまりつつ相手の刹那の隙に神速の斬閃を叩き込む。百合が最も得意とし、そして好む戦法とはこの一点であり短期決戦においてこそ彼女の真価が発揮されるのである。

[欠点・課題]

三つの分野で優れた資質を見せる百合だが、半面で苦手とする部分も多い。その一例が弐等位にとどまっている剛と練。攻撃という面における代表的な二系統の能力が低資質であるが故、一撃に必殺の威力を込めるということは不可能に近い。その代わり相手の防御を崩す砕之象に平均以上の高い資質が備わっているため、最低限の攻撃力はそれで補われている。しかし防御面では補いようのない多くの不安要素を抱えており、物理系と神威系の攻め手に対する防御の資質、堅之象と絶之象は共に平均以下。加えて治癒を司る快之象もさほど高いとは言えない資質であるため、なんてことのない一撃であっても真芯で受ければそれが命取りになりかねない。故に百合は総ての戦いにおいて、事実上決定打を一撃も受けることなく勝利しなくてはならない。さらに言えば百合は覇之象に優れてはいるものの、神威の物質化には不得手である。要するに広く場の環境を支配することには長けているが、一点に神威を集中し巨大な氷柱や氷の礫を創造することができない。そのため攻め手の種類が極端に狭く、得意戦法を封殺されると、その後臨機応変な戦術の対応が間に合わないという弱点がある。彼女の直情的な性格もそれに拍車をかけており、精神面で乱されると自ら立て直すことが難しく、最悪自滅にも繋がりかねない。今後戦術の幅を広げること、追い詰められたときに精神的支えとなる存在を見出すこと。この二つが彼女が鬼剋士として生きていくにあたり、一生ついて回る大きな課題である。



というわけで今回は主人公格である二人の紹介とさせていただきました。自分はゲームの説明書はきっちり読むタイプだったのでこういう設定資料は好きなんです。皆さんはどうでしたか? 主人公格残りの四人に関しては公開できる情報が少なかったこともあっていっそ載せない方向でいきました。また判明し次第、順次公開していきたいと思っているので、宜しくお願いします。


さて、そして本編のほうですが、ひとまとまりできてからアップしたいと思っているのでまたしばらく間が空きそうです。せめて『二ヶ月更新していません』の表示が出る前までには書き上げたいところですが、頑張りたいと思います。それでは今回も読んでくださりありがとうございましたー!

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