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第十四話 無害な気持ち悪さ

 ヒクトは灰色のスライムのような姿の精霊だ。灰色と言っても、綺麗な混じりけのない灰色ではない。向こう側がはっきり見えるほどの透明度はあるが、微妙に赤やら黄色やらが混ざっていてちょっと汚い色。サイズは小さめの部屋がみっちり埋まるくらいはある。

 ヒクトが好きな事は様々な生き物を抱きしめる事。生き物であれば植物なども嫌いではなかったが、特に好きなのは常に高い体温を持つ生き物達だった。多くは毛や羽毛に覆われ、触れるとその奥にはっきりと体温を感じられる。

 だが、大体の場合その手の生き物はヒクトに触れる事を嫌がる。特に人間の場合は叫び声を上げられる事も多い。時々嫌がる生き物が暴れた時は毒で動きを止めてやった。

 あまり嫌がられるものだから友人の精霊ジャユリに相談したところ、まずその姿を止めろと言われた。しかし、ヒクトはこの姿にこだわりがあった。どれだけ相手の形を動きを温度を感じられるか語ったところ、ジャユリはせめて相手の感覚を変えろと言った。

 言われた通りに乾いたさらりとした感触に変えたところ、相手は以前ほどは嫌がらなくなった。

 人間の中には見かけと違う感触に違和感を覚えたのか、何とも言えない微妙な顔をしている者もいたが、ひとまずヒクトは満足だった。

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