スノーボード派 VS スキー派の論争
とある論争により、発展の無い関係に進展をもたらすこともある。
【スノーボード女】「12月にもなったし、雪が待ち遠しいね」
【スキー男】 「そうだね、いよいよスキーシーズン到来だね」
【スノーボード女】「スノーボードシーズンの間違いでしょ」
【スキー男】 「……まあ『スノーボード女ちゃん』から見るとそうなるね」
【スノーボード女】「つまるところ、すべてのスノーボーダーに喧嘩を売ったってことよね? スノーボードとスキーがどっちが上か決着つけようって話よね?」
【スキー男】 「そうなっちゃうの? まあ、どっちが上かっていうより、どっちが面白いかってことだね。別に喧嘩売ってないし」
【スノーボード女】「面白いのは断然スノーボードでしょ」
【スキー男】 「いやスキーだね」
【スノーボード女】「よし、その喧嘩買った」
【スキー男】 「だから喧嘩売ってないし」
【スノーボード女】「まあ、幸いな事に、私達二人ともスノーボードもスキーも経験あるから公平な目で見れるはずよ」
【スキー男】 「それは無理じゃない? お互い好きな方は決まっちゃてるんだから、贔屓しちゃうでしょ」
【スノーボード女】「いえいえ、公平に見てスノーボードのほうが面白いわよ。まずね、カービング感覚よ。両方やったからわかるけど、カービング感覚はスノーボードの方が上なのよ。スキーのターンなんてずれずれだし」
【スキー男】 「それはスノーボード女ちゃんの技術の問題かと……。まあ確かにターンの切れ味はスノーボードに分があるかもね。でもね、スキーはスピード感覚が上だよ。断然スキーの方が速度出るからね」
【スノーボード女】「確かに私のスキー技術じゃ『ずれずれターン』だし、スピードも出ないし……スキーの面白さをわからないうちにスノーボードに切り替えたのも事実ね」
【スキー男】 「スキーは上達していくと面白さが増していくんだよ」
【スノーボード女】「それはスノーボードもいっしょだと思うけど。まあ、スピード感でいったらスキーには負けちゃうね」
【スキー男】 「そうだね。前にスキーVSスノーボードで直滑降勝負したしね」
【スノーボード女】「全然スキーに追いつかなかった。ぐんぐん離されたよ」
【スキー男】 「そうそう、スピードはスキーが上だよ。わかった?」
【スノーボード女】「まあ、スノーボードで直滑降することなんてないからね。ターンとかジャンプが主体だかんね」
【スキー男】 「ジャンプは俺も苦手なんだよね。『スノーボード女ちゃん』がジャンプでトリック決めるとくやしいけどカッコいいね」
【スノーボード女】「そうそう、スノーボードはスキーより簡単だしね。というかスキーが難しいんだよ」
【スキー男】 「難しくもないと思うけどね、ちゃんと教わればすぐ滑れるよ」
【スノーボード女】「うーん、でもさ、スキーのボーゲンってやつ? あれ、もうダサすぎて、ダサすぎて。男があれで滑ってると千年の恋も冷めるよ」
【スキー男】 「その点スノーボードは最初から足が固定されているね。まあ初心者から滑りのシルエットって変わらないよね」
【スノーボード女】「そう、スキーはさ、初級者と上級者の滑りに見た目の差がデカイ」
【スキー男】 「スキーは初心者が目立ってしまうのはあるね。スノーボードはごまかせるかもね」
【スノーボード女】「あとね、スノーボードは新雪が楽だよ。最高だよあの浮遊感は」
【スキー男】 「ああ、それはもうスノーボードに軍配が上がるね。悔しいけど。でもさ、スノーボーダーの人って入っちゃいけないとこすぐ入るよね」
【スノーボード女】「エリア外滑走ね。本当に同じスノーボーダーとして恥ずかしい。誰かがマナー悪いとみんな悪いと思われるわよね」
【スキー男】 「マナーといえば、リフト降りたとこでたむろったり、ゲレンデの真ん中で座り込んだり。あれダメだよね」
【スノーボード女】「リフト降りてすぐのとこは勘弁して。上級者ならすぐ装着できるけど、初心者は時間が掛かるの。でもゲレンデの真ん中で座るの、あれはダメね」
【スキー男】 「スノーボードは若い人が多いからね。なかなか周りへの配慮まで余裕が無いのかもね」
【スノーボード女】「でもそういうけどさ、スキーやってるおっちゃん達、リフトからタバコをポイ捨てしてるのたまに見るよ」
【スキー男】 「ああ、いるね。リフトでタバコ吸ってるのって年配のスキーヤーが多いね。携帯灰皿を持っている人もいるけど、ポイ捨てはダメだよね」
【スノーボード女】「じゃあ、マナーは引き分けってことで」
【スキー男】 「はいはい、あとこれはマナーじゃないけどスノーボードってリフトを降りる時に転び過ぎじゃない?」
【スノーボード女】「あるある、初心者はしょうがないよね。スノーボードは平らなところ苦手だしね」
【スキー男】 「そうだね。ゲレンデでも平らなところとか止まっちゃってかわいそうだね」
【スノーボード女】「そうー止まっちゃうんだよー。スキーのストックが羨ましいよ。あとね、コブ斜面。あれはキツイんだわ」
【スキー男】 「コブ斜面か! これはもうスキーの圧勝ですね!」
【スノーボード女】「うう、コブ斜面を滑る『スキー男君』はカッコいいさ。それは認める。私は一度怪我しそうになったよ。危なかった」
【スキー男】 「怪我といえば、スノーボードって緩い斜面での怪我も多いんだよね」
【スノーボード女】「そうそう、逆エッジね。あれで初心者の怪我が多いから、スノーボードを始めたばかりの人は特に気をつけないとね」
(逆エッジ:平らに近い斜面において本来接しているはずの山側と反対の谷側のエッジが雪面に接して、ずっこけること。滑る方と反対側のエッジが急にひっかかるので怪我につながりやすい)
【スキー男】 「スキーはスピードが出せるようになった中級者以上の怪我が多いね。まあ幸い二人とも大きな怪我はないけどね」
【スノーボード女】「あと、スノーボードは横乗りだから背中側が死角になって危ないのよね」
【スキー男】 「カービングスキーの登場以降、スキーの横移動も大きくて危ないよ。スキーとスノーボードを両方やっておくと両者の特性がわかっていいよね」
【スノーボード女】「そう、とにかく怪我には注意。意外とゲレンデ外で転ぶこともあるから注意ね。スノーボードは荷物がまとまって楽だけど。スノーボードはブーツも軽いし」
【スキー男】 「そうだねスキーは板が長いし、ブーツは重いし。荷物はスノーボードの方がコンパクトにまとまるね」
【スノーボード女】「あと、ノーマルタイヤでスキー場行っちゃう人。あれは本当にやめて欲しいな。途中でチェーンつければいいってもんじゃない」
【スキー男】 「うーん、スタッドレスタイヤ装着に念のためチェーン携行は常識だろうけどさ。慣れている人はわかっているんだろうけどね」
(4WD車にスタッドレスタイヤ+チェーン携行がおすすめです)
【スノーボード女】「で、話を戻すけど、スノーボードが上ってことでいいかな?」
【スキー男】 「いや、スキーが上でしょ。スキーの方がカッコいいからね」
【スノーボード女】「スキーはぎゅーって止まる。あれカッコいいね。ざっざっざっ、ぎゅっ、って止まられると正直惚れる。惚れるって滑りだけね。でもそれは大多数のダサいスキーヤーのおかげだからね。あんたが他の人より別格に上手いだけだかんね」
【スキー男】 「『スノーボード女ちゃん』だってかなり上手いよ。他のスノーボーダーに比べて目立ってるから。ターンがキレッキレだから」
【スノーボード女】「いや、『スキー男君』の場合はボーゲンとか、足バラバラスキーヤーという引き立て役がいるからね。余計目立つんだよ。ああ、なんかスキーやりたくなってきたな」
【スキー男】 「なんか俺も話してたら久しぶりにスノーボードやりたくなってきたな」
【スノーボード女】「ゲレンデでスキーやってるところを見ると、時々スキーをやりたくなることがあるんだよね」
【スキー男】 「あるある。人がスノーボードやっていると俺もやりたくなるよ」
【スノーボード女】「じゃあ、今年は1回くらい『スキー女ちゃん』になるかな」
【スキー男】 「今年は俺も1回くらい『スノーボード男』になるかな」
二人は論争の結論を出したようだ。
【スノーボード女とスキー男】「「つまり、、、」」
【スノーボード女とスキー男】「「お互い、『相手が気になってた』ってことか!!」」
どうやらスノーボード派 VS スキー派の論争は引き分けに終わったようです。