【独り言 Side:究極生命体《アルティメットシング》】
吾輩は芋である。かつてさつまいもと呼ばれた存在だ。今の名はまだない。
誤って動かされたトラクターによってまだ収穫期でもないのに掘られてしまった。そして、四畳間にいた神に謝罪とともに力を貰ってこの世界に転生した。
ここには魔法や怪物が存在するようだが関係ない、吾輩は芋である。死ねば皆等しくただの吾輩の養分なのだから。
吾輩は増える。地下世界の支配者である。魔物が死ねば魔力が根から流れ込んでくる。
神の力と魔の力二つが合わさり最強になる。
もはや弱肉強食の時代は黒歴史に埋葬される。すでに強芋増殖の時代である。
気候土壌塩害病天敵などの全てを克服した吾輩はさつまいもをやめたぞ、貧弱貧弱芋。吾輩は芋を超えた芋。究極存在なのだ。
もはや阻むものは何もない。吾輩は増え続け、そして世界のすべてが芋になる。多少食われているようだが問題ない。掘り尽くすことなどすでに不可能なのだから。
芋は増殖する。全芋による全芋のための全芋自身の世界を願う。
芋は天と地の恵みを一身にうけ、動物は芋を食い生き、死して屍は土の中で根に吸収され芋になる。芋のセントラルドグマ、芋の無限輪廻。パクスオブ芋。芋こそが生態系の管理者、それが世界の真の姿なのだ。
吾輩が芋である。
登場人物紹介
吾輩
芋。サツマイモ。とてもおいしい。栄養も豊富。
神様転生最強物です。眼鏡はもう少しお待ちください。