表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

作者:

 あなたはいつも ないていた。

 おおきなものに すがりより、

 およおよおよと ないていた。


 あなたはいつも ないていた。

 みんなのみみに とどくよう、

 おおきなこえで ないていた。


 あなたはいつも ないていた。

 いつもだれかを よぶように、

 どんなときでも ないていた。


 あなたはいつも ないていた。

 きらりとそらが かがやくひ、

 あつさをよそに ないていた。



 ある日。


 あなたの声が聞こえなくなった。

 あなたはただ倒れていた。

 わたしの眼前で。


 昨日まではあんなにないていたのに、もうその声は聞こえない。


 あなたは何を伝えようとしたのか。

 あなたは何を残そうとしたのか。

 あなたは誰に向かってないていたのか。



 あなたのこえが きえうせた。

 ちいさいからだ ふるわせた、

 もうそのこえは きこえない。


 あなたのこえが きこえない。

 なきごえひとつ あげないで、

 ただしずしずと ねむりいる。


 あなたのこえが きこえない。

 なにもなかった かのように、

 わたしのまえで ねむりいる。


 あなたのこえが きこえない。

 ついにひとこと そえようと、

 わたしはいった さようなら。



 わたしの夏は、終わった。

 そのなき声と共に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ