表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砦の日々  作者: 花屋
≪日常編≫
9/68

8.砦のルール

ぐだぐだ……


Side:セド


 砦に戻ったら待っていたのはケーキだった。



「セド、カエデとアケビに助けられたらしいが、大丈夫だったか?」


「助けられてねえしっ」


 反射的に答えてから、そういえば助けられたと思い出す。双子がくすくす笑っているのが悔しい。


「そういう意味じゃない。予備知識なしにあの双子に会って、大丈夫だったのかってことだ」


 予備知識。確かに必要な奴らだった。


 臆面もなく誘われたことまで思い出して、赤面する。


「アイツって男なんだろ?何でスカートなんかはいてるんだよ!」


「今日はたまたま、スカートだっただけだよ」

「セドがそこまで言うなら、明日はパンツにするよ」


 質問と答えが合ってねえっての。


「あの双子はああいうモノだ。そういう風に思っておけ」


「シン、それじゃあ全然わかんないよー?せめて《2人にわかれた異能ハンプティ・ダンプティ》のことぐらい話さなきゃ。


 あ、あとセドお疲れ様。はい、ご褒美のケーキ!」


 おいちょっと待て。


 小隊を虐殺→お疲れ はまだいい。


 小隊を虐殺→ご褒美が必要→ケーキ って、どっかで間違ってるだろ!?


 そもそも俺ケーキとか好きじゃねえし。


「嘘は駄目だよー、ナグサ」

「攻めてきたなんて知らずに、遊びに行ってたんでしょ?」


「え……と、てへぺろっ」


「可愛く言っても駄目だよー」

「今晩お相手してくれるならいいけどね」


「夜の相手?えっと、チェス?あたし得意だよっ」


「そっかぁ、ナグサには早かったか」

「うん、仕方ないね」


 ああ、そうか。コイツら誰にでも同じこと言ってるのか。本気っぽいのが怖いけど。


「てか、ケーキ?作ったのか?」


 まずそう。食べたくねぇな。


「双子が『遊びに行った』と言っただろう?町で買ってきたに決まっている。この砦にそんな能力を持った奴はいない」


 町で?その言葉に違和感を覚える。町って行っていいのかよ。


「ああ、そうだったな。双子の話をするよりも、セドにここのルールを説明しておくか。


 安心しろ。糞ッタレな役人どもは規則がなんたらってよこしてきたが、ここのルールは3つだけだ」


 そう言ってシンが振りかえれば、真っ先にナグサが反応した。


「ひとーつ。一般人には手をださないこと!」


「ふたつ」

「砦の仲間は信用すること」


「最後に、命を惜しまないこと。まあ、お前は3つめは大丈夫そうだな。


 そして、この中に『身分を詐称してフレアロンティに遊びに行っては行けない』というものはない。ゆえに遊びに行く。わかったか?」


 わかったも何も。


「とにかく、この砦が非常識すぎて面白すぎるってことだけはわかったぜ」


 双子が顔を見合わせてにっこり笑った。


「「そう来なくっちゃ!」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ