58.新しい世界と新しい戦い
(待っていてくださる方がいると信じて…)
お待たせしました!
テストなど色々理由はあるのですが、私情ですので言い訳はしません
さて、新しい章に入ります
《期間編 後編》はまた後程…
Side:セド
黒い穴から飛び出したらそこは、異世界だった。
空はうっすらと赤く色づいてる。無限に広がる草原。それから元の世界じゃあ考えられないほど多くの魔獣。
マジすげーって感じ。
これならどんだけでも戦えるじゃんかよ。
「ブォォォォオオン!!」
一体の魔獣がこちらに気づき、咆哮をあげる。それにつられたように、群れをなしていた魔獣が次々と声をあげ始めた。
「これは…まったく、凄いな」
隣でシンが感極まったように呟いた。
気づけば全員がこっちの世界に来てた。
数千の兵を前にしたときみたいに、横1列に並んで。
「なあなあシン、もう行っていいだろ?」
「ああ……って、お前馬鹿か。素手なのにどうやって攻撃するってんだよ」
あ。すっかり忘れてた。前の戦争で折ったんだっけか。そういうわけで、俺の背にはいま剣はない。あーつまんねーの。
いっか、もう素手で行くか。けどかすり傷すら負わせられねえような気がするんだよな。それこそ指くわえて見てるよりつまんねーし。
「はい、セド!あたしの貸したげる」
ふいに目の前に剣が突きつけられた。思わず耳と尻尾の毛がが逆立ったのも仕方ねぇだろ。
「はあ?そしたらお前はどうやって戦うんだよ」
「あたし?あたしは魔法があるし、カエデちゃんとアケビちゃんにおっきめのナイフ借りるからいいの!」
だったら二人に剣を召喚してもらうほうが早いだろ。
そう思ってシンの向こうを見たら、首を振られた。
「残念ながら僕たち」
「剣は呼び出せませーん。だって使わないし」
意味わかんねーし。使わないから召喚できないってどういうことだよ。
つか毎回思うんだけど、この双子って俺らのこと馬鹿にしてる気がする。自分たちはマトモな教育受けてきたからってさ。俺たちが理解できる言葉で話せよ。
「だからね、召喚っていうのは、あらかじめあの場所に置いてあるあれを自分の元に呼び出します、ってわかってなきゃならないの。」
「そして、僕たちはナイフしか使わないから、剣はその登録してないの」
へえ、そうなのか。
「「まったく、馬鹿相手だと疲れるよね~」」
「馬鹿じゃねぇし!!」
「まぁまぁ、セド馬鹿じゃないよ。知らないことが多いだけで」
ナグサが横から口を出してくる。
けどそれフォローになってねぇし。無知だって言い換えてるだけじゃねえか。
「じゃあお前は知ってたのかよ」
「え?あたしもいま知ったけど?」
それが何か?という顔。
……カエデにアケビ、認めよう。確かに馬鹿の相手をするのは疲れる。
俺は馬鹿じゃないけどな!
「準備はいいか?」
さっき遠目に見えた群れが徐々に大きくなるのがわかる。それほど大きくはないらしい。少なくとも、あのレッドドラゴンよりかは。
「あー、マジ耐えらんねぇ」
なんでこんなの待ってなきゃならねぇんだよ。
「行っちゃう?イっちゃっていいよね、キヒヒッ」
ナグサもだいぶん興奮でおかしくなっているらしい。既に頭イッテるだろ、お前。
ま、そのほうがらしくていいけどな。
「準備?んなもんいらねえだろッ!」
剣を構えてフライング&ダッシュ。
後ろからナグサも駆けてくるのがわかる。
もしかしたらこれが最期になるかもしれない。いや、俺はこれっぽっちもそんなこと気にしねえけどさ。
でもこっちの世界の魔獣がどれくらい強いのかわかんねえじゃん。本来こっちの世界で生きているはずの生き物なんだから、こっちの世界のほうが断然強いって考えられるだろ。
逆の可能性もなきにしもあらずだけどな。強い個体だけがあっちの世界に行けた、ってこと。無いと思うけどな。人間が余裕で倒せるぐらいの魔獣だっていたわけだし。
そもそも俺はあの魔獣を見たことがない。魔法に強いのか、物理攻撃に強いのかもわからねえし、魔法を使えるかすらわからない。出方がわからない未知の相手を敵にするってことは、それだけでアドバンテージを与えることになる。
あーあ、せっかく異世界まで遊びに来たってのに、1時間もしないうちに死ぬ感じ?
ぜんっぜん気にしねえーけどさ。
「イヤッハアァァア!!」
「セド、テンション高すぎー!いやっほぉぉー!!」
勝ち目のない戦い?
そうと決まったわけじゃねぇし、だいいち上等だろ!!




