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砦の日々  作者: 花屋
≪界渡編≫
52/68

46.意味不明な人達

Side: ナグサ


 意味わかんない。


 ルウくんたちもさ、何でこんなとこにいるの?


「んー、どうすればいいんだろ。とりあえず、そこ の人間を殺せばいいよねぇ?」


 どうなんだろ。殺しちゃ駄目なのかな。初めてのことだから、わかんないよ。


 いっかい戻ってシンに聞くとしても、ここどこかわかんないし。戻ってる間に逃げれちゃうよ。

 魔法で聞くためには、《血濡れの戦場アンチマジックフィールド》を解除してもらわなきゃ駄目だし。


 もー、頭がパンクしちゃうよぅ。


 アケビとカエデが来れば良かったのに。


 ん、でも待って。

 あたしをここに放り出したってことは、あたしに任せるってことだよね。つまり、刺し殺しても絞め殺しても焼き殺しても、あたしの自由ってことだよね!


 うん、アケビもカエデも大好き!



「ナグサ、その腕……」


 黙りこんだあたしに、ルウくんが話しかけてきた。あーもうルウくんでもいいから、どうすればいいか教えてよ。


 ってか、腕?改めて見直すけど、変なところはない。至って普通に、血に濡れている。


「え、腕がなあに?」


 血まみれだけど、全身そうでしょ?いったいどうしたんだろ。


「……いえ、何でもありません」


「そうなの?」


 ルウくんって、ホントになに考えてるのかわかんない。スカート来てこいって言ったり、駄目って言ったり。

 ちゃんと頭の中で整理してから、口に出せって、昔ルウくんが言ってたのになあ。



「すまない、聞いてくれるか」


 突然、人間が話しかけてきた。すっごく丁寧で、ルウくんみたいに馬鹿にしてる感じもしない。

 けっこーいい人たちじゃん、人間って!

 うん、やっぱり殺さないでおこうかな!


「うんうん、なになに!?」


「あ…わ、私たちは、あなた方と争うつもりはない」


 へ?


「そちら側も、防衛の為に戦っているようだ。私たちはそれを今まで知らなかった。これを期に、無礼を詫びて、互いの平和の為に手を取り合わないか」


 ……?


 ちょっと待って。


 人間の言葉を頭の中で何度も繰り返して、



 やっぱり。


「ルウくん、通訳して!この人の言ってること、意味わかんない」


 場が急に静かになった。

 え、どしたの?何か起こった?


「やはり、ナグサですね」


「何それ。どーいう意味?」


「いえ、気にしないでください。ただ、ほっとしただけですから。


 その人間たちの言っていることですが……今まで、魔族のことを何も知らなかったんでしょう。敵意があるのでないならば、戦争を止めて仲良くしましょう、ってことです」


 その意味を理解するうちに、頭の中が真っ白になっていく。


「なかなか信じることはできませんね……。人間がそんなことを言い出すとは、 」


「なに言ってるの!?」


 何か呟くルウくんの声を遮って、あたしは叫んでた。


「駄目駄目!ぜぇったいに駄目!そんなこと、許さないから!戦争が終わっちゃったら、戦えなくなるんでしょ!?殺せなくなるなんて、そんなことさせないから!」


 ルウくんたちと人間が、同じように口をぽかんと開けてる。馬鹿みたい。

 当たり前のことを言っただけなのに。


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