表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砦の日々  作者: 花屋
≪日常編≫
5/68

4.勘違い


Side:シン


 砦は一見小さな城のような形態をしている。その両脇は森が続いていて、さらにその内側にフレアロンティを含めた魔界がある。だが、当然人間界側からは城しか見えない。砦=魔王城と見られてしまうのも仕方がない。俺たちの否定しない態度も、それを助長しているだろう。


 ひととおり砦をみてまわったセドも嘆息していた。この城は6人で使うには広すぎる。


「この砦で何をするか聞いているか?」


「戦えばいいんだろ」


 端的な説明だ。まあ、合っている。


「そうだな。戦闘は二種類あって、1つは勇者だ。人間は勇者とかいう奴を中心にして、パーティを組んでやってくる。神の守護とか意味わからないことを言ってな。

 もうひとつは国が軍をよこしてくることだ。今まで、そんなに大きいのは来なかったが……個々の能力は低いから、全員であたれば余裕だ」


 セドをみれば、案の定、意味がわからないという顔をしていた。


「神の守護?何だよそれ。神なんているのか?」


「さあな。肝心なのは、奴らが信じてるってことだ。奴らの理屈から言うと、俺らは神に反抗し、人間を襲う野蛮な種族、らしいぞ」


「はあ?人間を襲うって、魔人はほとんど魔界から出ないじゃんかよ」


 そう。だが、人間は大きな勘違いをしている。いつ正せばいいのかと思いつつ、ずるずるとひきずっている間違いだ。俺たちにも責任の一端はある。……魔族と人間の因縁に興味はないから、反省もしていないが。


「人間は、魔物を魔族が使役していると思っているんだよ」


「マジかよ。そりゃあ、俺たちにも魔物の血は入ってるけどさあ……あんな知能のない奴らを使役できるわけねえだろ」


 そもそも魔物と普通の獣はどう違うのか。


 人間は「魔物は魔族が使役している」とかぬかしているが、これは全く違う。


 実際のところ、この2つはそう変わりない。しいていえば、魔物は魔法を使う……だが、もちろん魔法を使わない魔物もいるし、この区別は曖昧だ。


 そして、知能がない上に、凶暴は魔物など、使役できるはずがない。


「俺たちも否定していないからな。それに、否定したらつまらないだろ?」


 否定して、もしそれが人間側に認められたら。


 人間は戦争をふっかけてこなくなり、俺たちの戦闘の場は失われるかもしれない。


「……意外だ。シンって意外と熱いタイプだったんだな」


「そんなの、わかりきっていることだろ?」


 

やっぱりシンの口調が1番書きやすいですね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ