表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砦の日々  作者: 花屋
≪日常編≫
33/68

28.夫婦と兄(上)


Side:カエデ&アケビ


「あなたちが、アネアさんとキルトさんですか?」


 美人な妻と穏やかそうな夫をみて、ルウは目を見張った。

 普通の夫婦だと思うけど……何か変かな?


「あ、いえ失礼。カエデとアケビの知り合いですから……普通な人で驚きました」


「私としては、予想以上に美人と言ってほしいところなんだがな。まあいい。それにしても……魔法で話したときも思ったが、カエデ、アケビ……狙っているな?」


「「あれ、ばれちゃった?」」


 まあ、2人には「リアは美人さんだけどタイプじゃないんだよね~」って、僕らの好みを伝えたことがあるからね。

 綺麗な美人さん。腕力や魔力――力は弱いが、そんなことは気にせず、頭ですべてを動かしてみせる。負けず嫌いだが、勝ちにこだわるほど頭は悪くない。だけど意外と純情で、恋愛事には真っ赤になって反応してみせる。

 いちいち僕らのツボを押してくるんだから。

 可愛すぎて困っちゃうよ。


「ベタぼれだね。食われないように気をつけなよ?」


「食われ……?」


 数秒ののち、意味がわかったらしいルウが「絶対ありえませんッ!」と猛烈に反論していたけど、顔が真っ赤だからいまいち真剣味がない。

 うん、でもそうだね。食べちゃいたいってのは否定しないかな。


「ねえねえ、はやく子供たちに会いに行こうよぉ」


 理解できない会話に匙をなげたのか、ナグサが催促する。おそらく無意識下で判断したのか、この中で場を動かすのに最も適切で、しかもナグサに目をかけているアネアに話しかけていた。






「へー!アネアとキルトって、冒険者だったの!?すごーい!」

「なあ、俺たちを鍛えてよ!ルウって弱いからさ、そういうのぜんっぜん当てになんないんだって」


「ミライ、ユーゴ……あなたたち、またお仕置きされたいんですか?」


 心なしか空気がひんやりしてきた気がする。ううん、ルウにアメほどの魔力はないから有り得ないんだけどさ。


 ひっ、と怯えたように2人の子供が首をすくめた。


「アネアさん、キルトさん。この2人は要注意人物ですからね。目を離さないでください。森に行こうなんて考える馬鹿たちですから」


「……森?」


 キルトが首をかしげる。その目がこう言っている。「この町は砦と他の町に囲まれているし、森なんて近くにないはずだけど?」

 フレアロンティって町は、砦の1番近いのに、砦に関心がない。なぜって、「砦があって日常的に戦争が行われている」のは、フレアロンティでは当たり前だからだ。当たり前のことをいちいち口に出す人はいない。

 だから逆に、余所から来た人はこの“常識”に慣れず、苦労することになる。

 僕らとしては、あんまり砦のことにふれないし、わざわざ嘘をついてごまかさなくてもいいから、嬉しいけどね。


「そうか、あなたたちは遠くから来たんでしたね。森というのは――」


 心優しい――というよりは責任感の強いルウが、説明しようとしたとき。



「みつけたわよ――ッ!!」



「兄さん!?」


 僕らの他には子供たちだけのはずの孤児院で、金髪美女が部屋に飛び込んできた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ