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砦の日々  作者: 花屋
≪日常編≫
32/68

27.新たな住人


Side:ナグサ


 窓から差し込む光が、朝だよって知らせてくれる。でも、あたしの上に落ちるのは影。


 ……誰?


「ナグサ、起きてよ」

「今日は2人が来る日なんだから」


 あたしのプライベートルームに無断で入ってきていたのは、カエデとアケビだった。2人ならスキル《瞬間移動テレポート》が使えるから簡単だよね。 


 でも、2人って誰?


 あ、そうだ!


「今日なの!?」


「そうだよー」

「はやく着替えてね」


「うん、ちょっと待って!」


 2人がまたスキルを使って消えるのをみて、急いで服を脱ぐ。


 もう、いつかなんて全然言われなかったから、わかんなかったよ。昨日のうちに言ってくれればよかったのに。


 衣装箪笥からテキトーに服を引っ張り出す。

 理由はよくわかんないけど、ルウくんがスカートじゃなくていいよって言ってくれたのは嬉しい。だってパンツのほうが絶対動きやすいもん。


 鏡でさっとチェックしたあと、扉の外へと駆け出る。


「おまたせっ」






「こんにちは。えーと、……誰だっけ?」


 酒が入ったグラスを優雅に傾けていた女性は、クスリと笑った。


「アケビとカエデから名前を聞いていないのかい?それとも忘れてしまった?

 私は亜音亜アネア。こっちが夫の斬都キルトだ。これからよろしく頼む」


 髪型はショートカットだから男性っぽいけど、はちきれんばかりの胸元がそれを否定している。口調もクールで格好いいし、酒場兼ギルド支部にはあんまり似合わない人だ。


斬都キルトだよ。よろしくね」


 男の人のほうは、優しく笑ってみせる。こういうのを……「尻に敷かれる」?


「あたしは菜草ナグサ。よろしくね!」


 にっこり笑うと、2人は顔を見合わせて何かをささやきあった。


「可愛いな…双子といい、この町には美形しかいないのか?」

「にい……リアが見たら、危ないかも。あれでも両刀なところがあるから」


 両刀?双剣使いってことかな?


「はいはい、2人とも。ナグサに丸聞こえだから止めようね」

「でも、本当によかったの?子供ができるまで冒険者を続けてもよかったのに」


「いや、両親に結婚の報告を言ったら、いい加減地に足をつけろと怒られてな。子供ができてからじゃ襲いとね。だから、ちょうどよかったんだ。

 私もキルトも、子供の世話は嫌いじゃないしな。

 それに、ギルドのほうも辞めないぞ?週に2,3回は仕事をしようと思っている」


 実は、カエデとアケビの知り合いだっていうこの2人には、ルウくんの孤児院を手伝ってもらうことにしたんだ。

 ルウくんは「あの2人の知り合い……?」とかいって、心配そうだったけど、あたしの魔法で話したときに、安心したみたいだった。確かに、知り合いっていっても信用できない人は困るもんね。


「それぐらいなら、大丈夫じゃないかな?

 でも、ごめんね。ほんとはルウくんが来れればよかったんだけど、1人で孤児院をまわしてると、大変だから。最近は成長した子が手伝ったりもしてるんだけど」


「いや、仕方ないさ。逆に、それでよく今までもってきたなと驚いているぐらいだ」


「ルウくん、真面目さんだから……って、カエデとアケビ、なに驚いてるの?」


 目を丸くしてこちらを見ている2人に問いかける。


「いや、カエデがまともなことを言って、ルウをフォローするなんて……」

「明日は槍が降りそうだなって思って」


「ひどいよ2人ともっ!!」


 酒場に快活な笑い声が響き渡った。



少しずつ話は進んでいきます。


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