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砦の日々  作者: 花屋
≪日常編≫
31/68

26.喧騒の裏、2人の甘い朝

きっとこれがR15という奴だと思います。


それとは別に、いつもに増して双子が直接的な言葉を使っているので

苦手な人はご注意ください。


Side:アメ


「キスで起こして」


 ……?


 違和感を覚えて数百回の反芻。


 あ。


「間違えた。起こして」


 頬の高潮。


「わかったよ。いま行く」


 シンの優しい声音に安心。


 まだ眠たい。そのまま睡魔に落ちる。





Side:シン


 アメのプライベートルームに入れば、いまだカーテンはひかれておらず、室内は暗いままだ。

 起きている様子もないし、まだベッドの中らしいので近づく。


「……おい、アメ。アメ?なんだ、寝てるのか?」


 だが予想に反して、声をかけてもアメは起きなかった。さっきまで会話していたのに、熟睡しているらしい。


「ん……?」


 体をゆすれば、身じろぎしてまぶたを開いた。


「んぁ、シン……?」


 戦う者として致命傷かもしれないが、アメは寝起きが悪い。どれぐらい悪いかというと、先ほどのように、寝ぼけていたら普段は絶対にしないのに、いくらでも甘えてみせる。

 さらに、これが大変色っぽい。

 俺は自分が起こしたときしか知らないが、他の者のときもこうだと考えると、非常に不安になる。

 まだ強暴化してくれたほうが安心だ。


「アメ、起きろ」


「シン、ハグぅ……」


 救いは、セクシーなネグリジェじゃないってところか。ただ、綿のパジャマの第一、第二をとめて寝る奴なんてそうそういないだろう。真っ白な肌とそれを包むレースがちらちらと見える。


 何だこの目の毒。


 イラッときた。


 いや、アメが意識してやっているわけじゃない。しかし、こうして襲ってほしいのかほしくないのか微妙な行動をされると、こっちが我慢しているのが馬鹿らしくなってくる。だいぶ戦闘していないのもあるだろう。


 というわけで、お仕置きだ。


「アメのお願いだったからな?」


 ちゅ。


 頬――さすがに唇にはしない――に1度だけ口をよせる。惜しむように繰り返すことはしなかったが、そのかわり、その短い時間に頬をぺロリとなめさせてもらった。


 む、意外と甘い。


「……?」


 完全に開いた目で、不思議そうにこちらを見返してくる。いや、そんな無邪気な顔をされても、反応に困るんだが。


 数秒が経過し、ようやく事態を理解したアメが、


「―――!!!!!」


 頬をりんごみたいに真っ赤にして照れるから、可愛くてしかたがない。


「どうした、アメ?今度は唇にしてほしいのか?」


 わざとからかってみる。アメは意外と素直に答えるからおもしろい。


「やッ」


「嫌?」


「ヤ、じゃない」


 その表情筋はピクリとも動かないのに、これだけ目で訴えかけるというのは凄い。


 その表情を読み取れる、数少ないうちの1人が俺だというのも、男の独占欲を満たす。


「はは、冗談だよ」


 思いっきり不満そうに目をとがらせたアメの唇に、今度こそキスを落とした。 



 意識していないアメの誘惑もそうだが。


 何より困るのが、俺が嫌じゃないってことだ。



 俺たちの朝は、こうして和やかに始まっていった。






Side:カエデ&アケビ


 戦闘音が途絶えたから様子を見に行けば、ナグサがシンの胸に突き刺さった短剣を引き抜いていた。床に広がる血はかなり多い。……あ、抜いたらさらにドバッとあふれたね。


 って、ちょっと!


「「《治癒ヒール》!」」


 慌ててセドに近寄って手をかざし、スキルを使う。《再生リターン》とは少し違うけど、みるみるうちに傷が治っていく。


 耳を澄ませば、小さな呼吸音が聞こえた。あー、よかった。まだ生きてる。

 《治癒ヒール》も《再生リターン》も、死んだのを生き返らせることはできないからね。砦に来て1ヶ月もしないうちに、しかも戦争じゃなくて訓練中に死んだら、さすがにマズイよ。


 普段僕らって殺してばっかりだからね。仲間の足元で血を噴いて倒れてる=死んでるって思っちゃうから、ドキドキしたよ。


「どうだった~?セド、生きてる?」


「生きてなかったら困るよ」

「最後の避けれないのはわかってるんだから、ちゃんと手加減して欲しいなあ」


 にこにこと笑うナグサに釘をさす。


「ちゃんとしたよ?ほら、即死しないように心臓じゃなくてお腹でしょ?それに、せっかくカエデとアケビを呼んだんだから、ちょっとは楽しまないと」


 この出血の量は楽しむってレベルじゃないと思うけど。


 ナグサも血を垂れ流してるだけ、一方的じゃないからマシなのかもしれないけどさ。


「ナグサも怪我してるじゃん」

「治してあげるよ」


「んー、怪我したっけ?あ、そっか!壁にぶち当てられたときと、左腕やられたときだ!アハハ、なんか痛いと思ったら左腕血だらけじゃん」


 ナグサは、他人にも自分にも興味が薄いところがある。戦闘が始まると特に、だ。

 楽しいことや可愛いものは好きで関心があるけど、痛いことや辛いこととなると忘れてしまう。隠す様子もない過去の話から、仕方ないとは思うけどね。


「ほら、治すからさ」

「こっち向けてよ」


「は~い」


 素直に肩と腕をみせるナグサに《治癒ヒール》をかける。


 その片手間に《千里眼セカンドサイト》でアメたちのほうをのぞけば、同じくスキルを使っているアメに睨み返された。

 でも、だいぶ仲は進行しているみたいだ。


 あー、はやくくっついてくれないかなあ。いや、もう恋人以上だと思うんだけどさ。


 前に4Pしたいってシンに言ったら怒られたし。今度は大丈夫かな?

 いっつも3Pだから、たまには4人でしてみたいんだけど。男2に女2で、ちょうどつりあうのもいいよね。


 どっちでもいいから、はやく押し倒しちゃえばいいのに。


読んでくださってありがとうございました。


感想等あればお願いします。

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