23.生真面目青年と孤児の子供たち(下)
復活しました……連日更新頑張ります!
Side:カエデ&ナグサ
「あっ、ナグサだ!」
「いいにおいするー」
「おみやげ、ケーキあるの!?」
奥のほうから子供たちが駆け寄ってきた。ケーキのにおいにつられたみたいだね。
数としては獣人が多い。魔界にいる絶対数が多いからだし、両親とも獣人でないのに、先祖がえりしたのか、獣人の子が生まれる場合があって、当然「お前、浮気したのか!?」ってことになる。それで捨てられる子は少なくない。
「あれ、カエデとナグサもいるー?」
「出入り禁止じゃなかったの?」
「ううん、大丈夫だよ?」
「また今度、遊びに来るからね」
「来ないでください!」
「「えー、ケチー」」
ルウってば、そんなにいじられるのが嫌なのかな?
でもね、本当、僕らにとってストライクゾーンなんだよね。リアはうぶな青年が好きだけど、僕らはこういう、勝気で自分の気持ちに素直になれない、ツンデレさんが大好き。じらしてじらして、無理矢理「好き」なんて言わせたら、可愛くって仕方がない。
問題は、僕らは互いの同意を経て行為をするから、あんまり無理強いはできないってことだけど。
それにしても、ルウってば気づいてないのかな?
あれ、かなり危ないと思うんだけど。
「ミライ」
「ユーゴ」
駆け寄ってきた子供たちのうちの、2人。勝気な目をしている男の子と女の子。
「「君たち、森に行ったでしょ?」」
フレアロンティの近くの森なんていったら、砦とともに人間界と魔界を隔てている、あの森しかない。 ミライとユーゴからは、豊かな木々や土の臭いがした。あの2人はおてんばだから、怪しいな、って思って《透視》を使えば、一発でわかった。
町の中じゃ安全すぎて実感がわきにくいとはいえ、人間との戦争は続いている。
森を抜ければ人間界に出られるし、それを止めるような魔法もかかってはいない。逆に、人間界からこっちへ来るのを止めるような魔法ない。人間たちが馬鹿だから、まだ無事ですんでるけど。
つまり、森に入れば、いつ何時人間にでくわして殺されるか、わからないのだ。
「あなたたち、また森へ行ってたんですか!?止めろと言ったでしょう!!」
「ええー、カエデもアケビもばらすなよなぁ」
「別に怒るようなことでもないでしょ?こうして無事に戻ってるんだから。危ないことなんて、全然なかったよ?」
とかいいつつ、隠そうとしてるあたり、悪いことをしたっていう自覚はあるんだろうね。悪びれないのがすごいけど。
「ほら、こんなに綺麗なお花を摘んできたんだよ!ねえ、ナグサも別にいいと思うよね?」
「うん、そうだねー。2人の好きなようにすればいいと思うよー?」
「ナグサ!?」
ルウが驚愕の声をあげる。森に入る危険性がわかってないのか、っていう危惧だ。
でもね、ナグサは危険だってこと、百も承知だと思うよ?自分たち以外が森を抜けたらきっと死ぬってこともね。
その上で言ってるから、ナグサってばすごいよね。
僕らのうちで、1番他人に興味がないのは、ナグサじゃないのかな?
ミミが死んだときだって、「あれ、ミミちゃんが死んでるー」だけだったしね。
「ナグサ、お前、何いって……」
「ナグサさんってば、わかってる!」
「てか、ナグサ、今日スカートなんだ。めずらしいな!」
ぺらり。
「うわー……」
何の恥ずかしげもなく、ユーゴがナグサのスカートをめくった。
白い清純なパンティ。逆に、恋愛事に疎い青少年――すなわちルウの劣情にストライク。
にしても、ナグサはもっと子供っぽいの履いてると思ってた。意外だなあ。
「何してるの?駄目だよー、こんなことしちゃ」
という台詞も、のほほんと言われたら、真剣味がない。
ほら、ルウのほうが顔真っ赤にして、ナグサの数百倍恥ずかしがってるじゃん。
「な、な……」
「大丈夫ー?ルウ。顔、赤いよ?」
「こんなとこにいるから、そういうのに慣れないんだよ。ルウはもっと女慣れしなきゃ」
赤くなったルウって可愛い。
「あなたたち、1回そこに座りなさい!!!!!」
小さな孤児院に、ルウの絶叫が響き渡った。
結局、全然関係ない僕らまで説教されることになった。最悪。
ナグサは最終的にスカートはやっぱり止めろって言われたから、嬉しそうだったけどね。
それよりも、あのやんちゃな2人。
反省してた様子だけど、ああいう子供はまた言いつけを破るに決まってる。ルウってば叱るだけだもん……それに、ルウ1人で孤児院をまとめるのは大変だよね。
まったく、この町は子供が成長するのに向いてないよ。
あ、そうだ!アネアとキルト、子供ができたから冒険者を引退しようかなって言ってたよね!この孤児院を手伝わないか誘ってみようかな。
カエデ&ナグサはSをいじめるのが好きなドSですね~
ルウの性格は書いてあるとおりです
純情生真面目青年
小さいころから近くにいた美少女=ナグサに照れてますが一方通行です
残念ながら付き合う可能性は0です……今のところ
そしてまた、新キャラ登場の予感…




