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砦の日々  作者: 花屋
≪日常編≫
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閑話 忘れられない記憶3 Nagusa


 いつも笑ってれば大丈夫。


 にこにこにこにこ。


 そうすればみんな笑顔でハッピーエンド。みんなあたしに優しくしてくれる。いい子だねって褒めてくれるの。いいよねっ、そういうの。



 ワカッテタヨ?


 あたしがヌイグルミとしてしか見られてナイことなんて、ずうっと前からシッテタヨ?





 あたしのお母さんは綺麗な奴隷。美人で頭のお耳もキュート。けっこう人気。でもお客さんは、生まれたときからお父さん1人だけ。


 あたしはいい子ちゃんだったから、1度だけおねだりしてお母さんに会いに行った。


 ねえねえお母さん。わかる?あたしだよ。あたし、お母さんの子供だよ。


 悲鳴をあげて叩かれた。飼い主さんにも叩かれたことって少ないのになぁ。

 ごめんなさい。目から変なモノがでてとまらないよ。どうすればいいかなあ?叩かれたのに、ぜんぜん痛くないの。おかしいなあ?どこかで狂っちゃった?


 シネバイイノニって。


 ごめんなさい、お母さん。あたしいい子ちゃんなのに、お母さんが何言ったかわからなかったよ。初めてお母さんがあたしに話しかけてくれた言葉だったのに。どういう意味かわかんなかった。


 いつかわかる日が来るのかな?





 あたしのお父さんは偉い人。格好よくて噂ではたくさんの人間の女から秋波を寄せられてるって。でも愛してるのは、お母さんだけ。


 お父さんはよく会いに来てくれる。だけど笑いかけてはくれない。どうして?あたしが笑うと、みんな笑ってくれるよ?


 お前がいれば    も繋ぎとめられると思ってたのに。お前なんか産ませなきゃよかった。


 長々とお父さんは言うの。あたしはそれをにこにこ笑って聞いてる。きっとお父さんは意味なんてわかってないって思ってるんだよね。

 でもね、大体の意味はわかるんだよ。

 お父さんはお母さんが大好きで、あたしを産めば自分のことを好きになってくれるって思ったんだよね?でもそうはいかなかったんだよね?


 あれ?じゃああたしって    子なのかな。





 飼い主さんたちは、いつもあたしの周りにいてくれる。あたしがにこって笑えばにやって笑ってくれる。撫で撫でしてくれる。でも他の子とは違って手は出さない。

 あたしは物分かりがいいから、商品価値が高いんだって。さらにその価値をあげるために、処女のままにしておくんだってさ。


 他の子はみんなあたしを責める。媚売って自分を助けてる。自分たちを貶めてるんだって。よくわかんないよ。でも、そう言いたいんだよね?それでみんなが助かるなら、あたしは反論も何もしないよ。


 だけどね、最近すごく困るんだ。


 お母さんもお父さんも飼い主さんも他の子たちも。


 ぜんぶ殺して殺して切り刻んで、原型をとどめないくらいに破壊したいんだ。


 あたしってオカシイのかな?





 どうやら東の端には魔王ってのがいて、あたしみたいな魔族が暮らしてるらしい。


 本当はね、嫌だったんだ。奴隷として扱われるのも、玩具にされるのも、好きじゃない相手に抱かれるのも。

 だって飼い主さんたちは、あたしたちより綺麗な服を着て、あたしたちからしたらご馳走みたいな料理を食べて、綺麗な部屋で暮らしてるの。窓の外からみる景色は広くて、でもあたしたちがそこへ行くことは許されてないの。外へ行きたいんだ。自由に暮らしたいの。おいしい物を食べて、ベッドで眠って。


 ああいや本当は違うんだ。本当は殺したいんだよ。自由に殺したいの。強い敵と戦って、自分のしたいことだけをして。そういう暮らしがしたいんだよ。


 今度ね、足りない家畜(魔族)を補うために、その魔界の近くへ行くんだって。


 じゃあ、そのときにしよう。あたしが頼めばきっと連れていってくれる。不思議だけど、魔界に近いほど、魔族の需要は高くなるんだって。人間って敵に近いモノを虐げたら喜ぶ生き物なんだってね。飼い主さんの1人が笑顔で言ってた。


 1番、魔界に近い町に行ったときに、みんな殺そう。魔界にまで逃げてしまえば、捕まらないと思うし。殺されたらそこまでだよね。


 さあて、そのために準備しなきゃ。最期のパーティになるかもしれないんだから。





 そのあと、あたしは砦に行き、兎の耳をつけたお姉さんと出会って、ようやく世界を知るのだけど。


 今はおおむね、最高の人生を送ってると思う。


 ほらね?笑ってればハッピーエンドになるんだから。



 お母さん。今ならお母さんが言いたかったこともわかるよ。だけどごめんなさい。あたしは立派に生きていくね。



わかりやすくまとめるとこんな感じです

(想像だけで補います!って人は飛ばしてください)


人間界→フレアロンティは不可能ですが、

魔界→人間界は可能なので、人間界に魔族は少なからずいます

ナギサが生まれたのはその魔族を奴隷として扱っていて管理している組織です


母は奴隷、父は母を買った貴族で、母を組織で管理させていました

ナギサを産めば自分に好意を抱いてくれるかな?と思って産ませましたが案の定失敗

母は嫌いな男の子供であるナギサを嫌悪します


組織ではこのように産ませた子供を育てて、奴隷にしています

ナギサはそのうちの1人

何故か(おそらく性格が馬鹿なのが原因)他の奴隷と違って人間にも愛想がいいので、

「コイツは金になる」と大切に育てられます


しかし戦闘狂の血が騒ぎ、魔界の近くに移動したときを狙って

管理する人間と管理されている奴隷を皆殺しにし砦へ逃亡

現在は死んでいる(11話参照)ミミに出会って今に至ります


こうしてみると、実はナグサの過去が1番ひどかったり……

シンの話が可愛くみえますね


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