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プラモ召喚ガチャでありえない機体を引いた僕、塔攻略で気づけば無双していた件  作者: すずき 虎々
第一章

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9/14

9話 雲海牛登場!

新年あけましておめでとうございます。

昨年中は、私の作品をご愛読いただき大変感謝しております。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

 19階のフロアボス、通称“反射騎士”、あらゆる攻撃を反射する厄介な敵だが、僕たちは、この反射騎士を攻略するために、ある検証をすることにした。


「アイラ、作戦通り、僕が体を晒して反射騎士の左側にまわりながら射撃をするから、アイラは攻撃がヒットする瞬間を狙って、右側から攻撃してね。」


「わかったわ。トトに意識を奪われている間に、私の攻撃がどう作用するのか、楽しみね。」


 僕たちは、「せーの!」と掛け声をかけて、反射騎士に飛び掛かった……。


 僕は反射騎士の足元に一度ビームライフルの射撃をすることで、反射させずに反射騎士の意識が僕に向くように仕向けた。

 そして、僕は反射騎士の左側に回り込みながら、アイラが反射騎士の背後を取るタイミングを見計らい、絶妙なタイミングで反射騎士が持つシールドを狙って射撃した。


 アイラが僕の呼吸を読んだかのように、これまた絶妙なタイミングで、反射騎士の背後から、首筋を狙って一閃する。


 僕の射撃と、アイラの剣戟が、ほぼ同時に反射騎士にヒットした。


 すると、僕のシールドを狙った攻撃は、数瞬前に僕がいた位置へと、正確にはじき返されていたが、アイラの首を狙った一撃は、そのまま通ってしまい、反射騎士の首がゆっくりと地面に落ちて、そのまま黒い霧となって霧散してしまった。


「あらら、倒せちゃったね。やっぱり同時に二発は反射できなかったみたいだね。」


「そうみたいね。前に戦った時に、そのままゴリ押してれば、案外行けていたのかもしれないわね。」


「そうかもしれないけど、試練の塔は危険だから、慎重に行った方が良いよ。アイラに何かあっても困るし。」


「そうね、ありがとうトト。それじゃあそこの宝箱を回収して、上に進みましょう。この上は確か、雲海がとてもきれいと噂だったわよね。」


「そうだね、それじゃあ行こうか。」


 僕たちは上の階へと移動する転移魔法陣を踏んだ。


 20階に到着すると、10階とはまた衣装の違う、メイド型ホムンクルスが出迎えてくれた。


「雲海テラスへようこそ。」


「「うわぁ~~~~~!!!」」


「すごく幻想的な景色だね。」


「そうね、とても綺麗……。」


「お疲れ様でございました。お食事のご用意をいたしましょうか。それとも、御入浴になさいますか。」


「アイラどうする?僕はお腹がすいちゃったから、ご飯を用意してもらおうかと思うんだけど。」


「私も同じで良いわ。お腹いっぱいになったら、ゆっくりお風呂に入るとするわ。眺めも良さそうだし、楽しみね。」


「そうだね、それじゃあ、ご飯をお願いします。二人分で。」


「かしこまりました。お好きなお席でお待ち下さい。ここまで来られた方は、皆さま窓際のお席を好んでご利用になられます。」


「でしょうね。」


「トト、私たちも窓際に行きましょう!」


「どうぞ、ごゆっくり。」


 窓際の席に腰を下ろすと、目の前には果てしなく続く雲海が広がっていた。

 夕暮れの光が雲を金色に染め、まるで大地そのものが輝いているように見える。僕とアイラは思わず息を呑んだ。


「すごいね。塔の中なのに、まるで天空の楽園みたいだ。」


「ええ、本当に幻想的。ここまで来た甲斐があるわ。」


 やがて、メイド型ホムンクルスが料理を運んできた。銀の蓋を外すと、香ばしい肉料理と色鮮やかな野菜、そして温かいスープが並ぶ。どれも見た目からして完璧で、匂いだけでお腹が鳴りそうだった。


「お待たせいたしました。本日のお料理は、雲海牛のステーキでございます。」


「雲海牛……?」


 僕は首を傾げる。


「この階層でのみ育つ特別な幻獣の一種を、食用に改良したものです。脂が軽く、口の中でとろけます。」


 僕とアイラは顔を見合わせた。


「「いただきま~す!」」


 ナイフを入れると、肉は驚くほど柔らかく、口に入れた瞬間に旨味が広がった。スープは優しい味わいで、疲れた体に染み渡る。アイラは目を細めて幸せそうに微笑んだ。


「これは……、危険ね。」


「え?」


「こんなに美味しいと、ここから先に進みたくなくなるわ。」


「確かに……。でも、僕たちの目的は最上階だし、ここで満足しちゃダメだよ。」


 食事を終えると、ホムンクルスが案内してくれた浴場へ向かった。

 そこは大きな窓があり、湯船に浸かりながら雲海を眺められる造りになっていた。

 僕たちは用意されていた水着に着替えて、大浴場の中に入った。

 湯気が立ち上り、ほんのりとした温かさが体を包み込む。


「はぁ……最高ね。」


 アイラは肩まで湯に浸かり、雲海を見ながらため息をついた。


「本当に。戦いの疲れが全部抜けていくみたいだ。」


 雲海は刻一刻と色を変え、夕焼けから夜の蒼へと移り変わっていく。

 星々が浮かび上がり、まるで天空に浮かぶ温泉にいるような錯覚を覚えた。


「トト、こうしてると忘れそうになるわね。ここが試練の塔だってこと。」


「うん……でも忘れちゃいけない。ここは人の限界と可能性を試す場所だし、快適さも罠の一部なんじゃないかな。」


 湯から上がり、用意された浴衣に着替えると、ラウンジに戻った。

 窓際の席には既に冷たいジュースが用意されていて、僕たちはそれを手に取りながら雲海を眺めた。


「ふぅ……さっぱりしたね。」


「ええ、最高の気分だわ。」


 二人でグラスを合わせ、甘酸っぱい果実のジュースを口に含む。爽やかな味わいが喉を潤し、心まで軽くなるようだった。


「さて……次の階のことを考えないとね。」


 僕はグラスを置き、真剣な表情になる。


「そうね。20階は安全地帯だけど、21階からはまた試練が始まる。どんな仕掛けが待っているのかしら。」


「これまでの流れからすると、単純な力押しじゃなくて、精神的な試練や複雑なギミックが増えていくんだろうね。」


 アイラは窓の外を見つめながら頷いた。


「でも、私たちなら大丈夫だと思うわ。ここまで来られたんですもの。」


「そうだね。反射騎士だって倒せたんだ。次もきっと突破できる。」


 その時、静かな足音が近づいてきた。メイド型ホムンクルスがトレイを持って現れ、僕たちのグラスに新しいジュースを注いでくれた。


「お代わりをどうぞ。」


「ありがとう。」


 僕は微笑んで受け取った。

 しかし、ホムンクルスは注ぎ終えると、少しだけ表情を曇らせた。微笑みはそのままだが、声の調子が低くなる。


「この先へ進まれるおつもりでしょうか。」


「ええ、もちろんよ。」


 アイラが即答する。


「そうですか……。でしたら、一つだけご忠告申し上げます。」


 ホムンクルスはグラスを置き、僕たちを見つめた。


「死をお望みでなければ、ここで引き返すことをお進めいたします。」


 その言葉に、僕とアイラは思わず息を呑んだ。

 ラウンジの静けさが一層深まり、雲海の幻想的な景色さえ不気味に見えてくる。


「……どういう意味?」


 僕は慎重に尋ねる。


「そのままの意味でございます。この先は、これまでとは比べものにならない程の危険が待ち受けております。この先の魔物に比べれば、反作用の剣士などとの戦闘は児戯に等しく。ここから先は、命を落とす者が後を絶ちません。」


 アイラはグラスを握りしめ、真剣な眼差しを返した。


「それでも、私たちは進むわ。最上階を目指すって決めたもの。」


「そうだね。僕たちの夢だからね。」


 ホムンクルスはしばらく黙って二人を見つめ、やがて小さくため息をついた。


「承知いたしました。どうかお気をつけて。私たちは止めることしかできません。進むのか、引き返すのかは、あなた方の意思によるものであるべきです。」


 そう言って、再び微笑みを浮かべると、静かにその場を去っていった。

 僕とアイラはしばらく黙って雲海を眺めていた。ジュースの爽やかな味わいも、今は少し苦く感じる。


「トト……怖い?」


「正直、少しね。でも、それ以上に楽しみだ。どんな試練が待っているのか、僕たちならきっと突破できる。」


「ふふ、そうね。怖さも楽しさも全部ひっくるめて、試練なんだもの。」


 二人はグラスを掲げ、再び軽く合わせた。


「行こう、アイラ。21階へ。」


「ええ、トト。」


 雲海の向こうに広がる未知の試練を思い描きながら、僕たちは決意を新たに立ち上がった。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。(次回更新は新年特別増話回として、1月3日 土曜日 を予定しております。内容は普通に話が進んでいくだけです。)

どうぞよろしくお願いいたします。

このお話が面白いと思っていただけたなら、評価やコメントなどいただけるとありがたいです。

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