7話 お宝ゲットだぜぇ~♪
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僕たち二人は、ミヤビダンジョンの最深部まで潜り、魔王を討伐することが出来たので、トベルの家に帰る前に、ミヤビの街に寄って、少しだけ遊んでいくことにした。
ミヤビはこの世の娯楽が全て集まる街で、遊園地に各スポーツの競技場、演劇、コンサートなどの他にも、ショッピングやカジノなど、老若男女にお金持ちもそうでない人も、とにかく楽しむことの出来る施設が、所狭しとひしめき合っている、世界でも有数の大都市だ。
「ねぇトト、パフェ食べ終わったら、SSショップに行きたいんだけど、良いかしら?」
「僕は別にかまわないけど。」
「ありがとう、マクソンのSSが先週発売されたから、買いに行きたいと思っていたのよ。」
「へぇ~。アイラって、マクソンが好きなんだ。でも、アイラSSプレイヤーなんて持っていたっけ?」
「この間、パパが作ってくれたのよ。『いいかいアイラちゃん、サウンドストーンプレイヤーというものはね、スピーカーコーンも大事だけど、この木で出来たスピーカーボックスの方がもっと大事なんだよ!』とか言いながら、嬉しそうに作っていたわ。」
「あはははは、アイラのパパにそっくりだね。」
「トトのお父さんも出来るわよ!『いいか、刷毛で塗装する時はな、同じ方向に動かすんだ。返し筆は厳禁だぞ!』」
「あはははははははは、すごく似ているよ!!」
僕たちは、ダンジョンを攻略したことで、気分が高揚していたのか、取り留めもない話で盛り上がり、ジェラードショップでパフェを食べている時には、隣に座っていたおじさんに睨まれてしまった……。
「そういえば、さっきから街が綺麗にライトアップされてると思って見てたんだけど、今日ってミヤビの創造祭の日じゃなかったっけ?」
「そういえばそうね、ミヤビに住んでるわけじゃないから、すっかり忘れていたわ。でも、確かこの創造祭って、家族や恋人同士で過ごす日なんじゃなかったかしら。プレゼントを贈りあったりして。」
「へぇ~。そうなんだ。」
「プレゼントを贈りあったりして。」
「ん?あ、アイラは何か欲しい物はあるの?」
「私これからマクソンのSSを買いに行くって言ったような気がしたけど。」
「そ、そうだったね、そうだ!僕がマクソンのSSをプレゼントするよ!」
「あら、それは嬉しいわね。楽しみだわ!」
僕は、アイラ御所望のマクソンのSSを手に入れ、無事プレゼント?を渡すことが出来たので、転移魔法陣でムーシルトまで移動し、そこからトベル行のバスに乗った。
僕達二人は、家に帰るなり、家の裏庭に行き、宝箱に罠が仕掛けられている場合を想定して、念のためプラモを装着しての“開封の儀”を行った。
しかし、宝箱は普通に宝箱で、中には装備や珍しい素材などは入っていなかった。
だが、若干色はくすんでいるものの、一目見てわかる程の存在感を醸し出すそれは、僕たち子供でも分かるような、珍しくはないけど、とても価値が高いとされる物だった。
「アイラ、これって……。」
「そうよね、これって……。」
「ちょっと、僕のマジックバッグに入れてインベントリリストを確認すれば正確な数字がわかるよね。」
「そうね、そうしましょう、もしかしたら、本物じゃなくて、偽物かもしれないわ。糠喜びは禁物よ。」
「まぁ、その時はその時で、何かしらの用途には使える素材にはなるだろうし。」
僕は、言いながら、宝箱の中身を自分のアイテムバッグに入れてみた。
「トト、なんて表示されているの?」
「アイラ、落ち着いて聞いてほしいんだけど、Gold 50㎏って書いてあるよ。」
「それはつまり、金が50㎏あるってことで良いのよね?」
「そういうことになるね……。」
「確か、今も金の相場って、1gが300ミルくらいじゃなかった?」
「僕もそう記憶している。つまり、これはお金に換算すると、1500万ミルということになるよね。」
「大変よトト、私の脳みそが壊れていなければ、一人頭750万ミルという計算になるわ。」
「アイラにお願いがあるんだけど、アイラのパパとママと、僕の両親を呼んできてくれないかな……。」
「わかったわ、と、言いたい所だけど、私もどうやらびっくりが過ぎて、動けそうにないわトト……。」
「うん、その気持ち、よくわかるよアイラ……。 それじゃあ、二人で叫ぼう!」
「そうね、それが良いかもしれないわ。」
「それじゃあ、せーので行くよ。」
「「せーの!」」
「わぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
「きゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
僕たち二人が、思いっきり悲鳴をあげると、僕たちの両親はもとより、背中合わせのかたちで建っている裏の家の人たちまで出てきてしまい、ちょっとした騒ぎになったけど、僕たちが謝って、なんでもないことを告げると、それぞれ引き返してくれた。
「それで、なんなんだ二人して大声をだして。近所の人たちへの迷惑が考えられない程子供じゃないだろう!」
「「ゴメンなさい……。」」
「僕たちも、騒ぎを起こしたかったわけじゃないんだ。でもね、ちょっと、あまりの驚きで、立ち上がるのが難しくなっちゃって、お父さんたちを呼ぶのに大声出そうってことになって、でも、今考えれば普通に呼べばよかったんだろうけど、二人ともテンションがあがっちゃっていて。でも、お父さんたちも落ち着いて聞いてね。普通に大声出ちゃうかもしれないから。」
「お前たちと一緒にするな。お父さんたちをなんだと思ってるんだ。」
「わかった、じゃあ、出すよ。」
僕は、自分のマジックバッグにしまっていた50㎏の金塊を、家の中で出した。
「「「「えぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!」」」」
「もう、パパたちだってうるさいじゃない!!!」
「ごめんごめん、でもなんだいこれは、こんな量の金塊を見て驚かない程、パパたちのメンタルは強靭じゃないよ!」
「ほら、大人がこれなんだから、私たちが大声出したのも仕方のないことだということよ。」
「あはははは、でね、まぁ、驚くような量の金塊なんだけど、全部で50㎏あるんだよね。それで、僕とアイラと二人で山分けするつもりなんだけど、10㎏は僕とアイラの、共同の冒険者ギルド口座を作って、そこで管理しようと思うんだ。後の20㎏ずつは、それぞれの家で管理ということにしたいなと。」
「ちょっと、待て、お母さん、今日の新聞とって。」
「新聞?新聞、新聞……。」
「食器棚の隣のラックに入れたと思うよ。」
「ラック、ラック、あぁ、はいはい、ありましたよ。」
「ありがとう。っと、ほら、今日の新聞で見たと思ってたんだよ。金の価値が急騰してるんだって。この間まで1g300ミルだったのが、今は350ミル。で、来年いっぱい高騰は続いて、来年末には400ミルに到達するんじゃないかって話だ。」
「僕たち、とんでもないものを手に入れちゃったね。」
「下手なレジェンダリーの武器とかよりも、圧倒的にこっちの方が当たりだと思うわ。だって、これだけのお金があったら、レジェンダリーの一つや二つ、余裕で買えちゃうもの。精々数万ミル程度でしょ?」
「そうは言っても、普通じゃ絶対に手の届かない金額だけどね……。でも、これだけお金があれば、冒険者としても有利なのは間違いないから、僕とアイラでカリンダに拠点となる家を買おうかと思っているんだけど、どうかなアイラ。」
「そうね、ここからだと、なにかと不便だし、良い考えね。」
「「「「いやいやいやいや、ダメだろ!」」」」
「「え?なんで??」」
「お前たち子供二人で家を買って住むなんて、もってのほかだ。」
「それに、アイラちゃんは女の子だろ、いくらトト君が幼馴染とはいえ、結婚前の女の子が、パパはそんなこと了承できないよ。」
「そうね、それじゃあ、みんなで、ムーシルトに住むのはどう?ムーシルトの城側の邸宅街なら、転移魔法陣も近いし、買い物も便利だし、お金も十分あるし、投資に回すなり、このまま金で保有するだけでも、複利で食べて行けるでしょ。どうトレイシー、良いと思わない?」
「そうね、不動産も良いけど、既に金という形で保有出来てるんだし、他に形を変える必要性も感じないわね。二人ともどう?ここからカリンダとなると、色々と不便も多いけど、ムーシルトなら話は別でしょ?カリンダはもちろん、ハーコッテもミヤビも、すぐに行けるわ。」
「それなら、それでも良いかな。と、私は思うけど、トトはどう?」
「僕がカリンダに家を持ちたいと思ったのは、単純に塔の目の前の街だから、便利だろうと思っただけだし、ムーシルトなら実質カリンダに住んでいるのと何も変わらないとすら思う。だから、僕もメイリーンおばさんの提案は悪くないと思っているけど、一つ、お願いしたいのは、ムーシルトに家を買うにしても、お互い今と同じく隣同士で買うのが条件かな。なんなら、両家の間に僕たちパーティー用の拠点を作りたいね。といっても、ほとんど僕のプラモ制作部屋になるだろうけど。」
「よし、わかった、それじゃあ、そうと決まれば、皆でムーシルトの物件探しに行くとしようか!」
「「「「「「おぉ―――――!!!」」」」」」
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