余談の余談 4
「では、勉強を始めましょう」
「はい!」
「まず最初にキツイことを言いますね」
「は、はい!」
「…読み書きすら出来ていないのは、壊滅的です」
ズギャーンと私の体に電流が走る。
「そ、そうなんですね…そうですよね…」
「平民にはあるあるですから貴女の生育歴も考えると仕方がないんですけどね…」
「…読み書きから教えてください!」
「任せなさい。完璧に習得させてあげます」
ということで、先生と読み書きを勉強することになった。
先生はまず私に絵本をくれた。
そしてそれを見ながら読み聞かせしてくれた。
この絵本は建国神話というらしい。
子供向けにしては、難しいものだとも言っていた。
そのうち私は徐々に文字を読めるようになった。
「素晴らしいですよ、ルシア様。驚異的な知識の吸収力と言えるでしょう」
「本当に?嬉しい!」
「さあ、その調子で書けるようにもなりましょうね」
「はーい!」
読めるようになると、書く練習が始まった。
書く練習は先生が褒めて褒めて褒めてくれるから調子に乗って何度も書いて、そのうちミミズののたうち回ったような字が貴族のお嬢様の書くような綺麗な字になった。
「はい、お上手です。これで読み書きは完璧ですね」
「わーい!」
「では次はマナーを身につけましょうか」
「はい!」
聖女候補に相応しいマナーを、ということで色々な作法を教え込まれた。
でも先生は教え上手で、褒めて褒めて褒めて時々注意されるくらいだからやってて楽しい。
気付いたら上流貴族のマナーまで完璧になっていた。
「素晴らしい。さすがは光魔術の使い手だ。素養があったのでしょうね。ここまで身につけられるとは」
「ふふ、先生ったらお上手ですね」
「おや、世辞ではありませんよ?本当に可愛い生徒ですね」
微笑む先生に内心ときめくけど、それを表に出さないだけの良識も身につけた。
「あとは歌と編み物や刺繍も趣味としてやってみましょうか」
「はい!」
「あとは簡単な算術を少し身につけて…それと詩を読み、歴史や哲学を学び、魔術は…完璧ですから学ぶ必要はありませんね。まあそのくらいですね」
算術に詩と歴史と哲学…魔術は大丈夫みたいだけど…出来るかな。
「大丈夫、私と共にゆっくり学んで参りましょう」
「は、はい!」
ということで、ここからさらに本格的な勉強が始まることになった。
でも、算術は先生が懇切丁寧に教えてくれて一度覚えると割と早く習得できた。
歌や編み物や刺繍は本当にお勉強としてではなく趣味としてやらせてくれたから楽しくできて、段々上達した。
詩と歴史と哲学は…なんともユニークな方法で学ぶことになった。




