余談の余談 3
その後私は家族に愛されてなかったのも、虐待や搾取されていたのもなんとなく受け入れた。
そして中央教会での生活を受け入れた。
先生に案内されて、中央教会に用意された私の部屋に行ってみる。
その部屋は可愛くて綺麗なお部屋で、クローゼットには聖女候補のための高級そうな綺麗なお洋服が用意されていた。
嬉しいけど、でも、私ばっかりこんなに…いいのかな。
「気に入りましたか?」
「は、はい!すごく!でも、私ばっかこんな…」
「それだけ君は期待されているのですよ。ですから、期待に応えるだけの働きをしましょう」
「ど、どうすればいいですか!?」
先生は優しく笑って言った。
「これからはこの中央教会で、治療が必要な者への光魔術の行使をお願いします。でもこれまでのご家族の元での奉仕と違い、教会の方から正式に御礼の方は出ますからね」
「えっと…お小遣いですか?」
「ええ、まあ言ってしまえばお賃金ですね」
大体これくらいと先生が提示してくれた金額は、平民の私には考えられないくらいのもので。
「先生…」
「はい」
「しばらく先生が管理してくれませんか…高過ぎて怖い……!」
「でしょうねぇ」
いいですよ、引き受けますと先生は請け負ってくれた。
「月々一定の額を貯金して、一定の額を自分のために使ってみましょうか」
「は、はい」
「あと、もしよければ一定の額をスラム街の棄民たちのため寄付してみますか?教会から得たお金を教会へ還す形になりますが」
「!…それはぜひやってくださいっ!!!」
私が叫ぶようにそう言うと、先生はやや面食らった顔をした後破顔した。
「本当に君は可愛い生徒ですね」
「え。えっと…」
「褒めています」
「え、えへへ…」
先生から褒められちゃった。
「とりあえず、まずはここでの生活に慣れることから始めましょうか。慣れたら勉強も始めましょう」
「はい!」
ということで、私の聖女様生活は始まった。
と言っても、家にいた頃と対して変わらずみんなを光魔術で治癒するだけの日々。
違うのは綺麗なお部屋と、綺麗な服と、毎日入れるお風呂に幸せを感じること。
そしてそんな日々を先生と聖王猊下が毎日褒めてくれること。
…幸せすぎて、家族のことをいつのまにか忘れている自分に気付いたのは先生がそろそろ勉強も始めようと言ってくれた頃。
そして、貴族学園内で勉強が出来なさ過ぎて浮いて危機感を覚え始めた頃だった。




