見据えゆく者達
「接触しては、ならぬ。」
声の主と、2人の影が薄暗い部屋で大きな鏡を見つめている。
「どうなるんだろうね♪楽しみ♪」
それに対し一人の青年が、彼女に答えた。
「観賞するな。マモ・・・。
我々は主の為、動くだけだ。」
「でもこのままだと、あの2人死んじゃうよ?」
マモは、青年に不満そうに答えると
青年は、何も言わず鏡を見つめている。
「準備は、いいな?」
大男が、2人に言った。
青年は、大きく溜息を吐いた。
「お前の気持ちはわかる。だがこれも我々の役目だ
言っただろ。観賞するなと。」
そう言って、青年は、真っ先に鏡へ進み歩いていく。
すると鏡は、青年の身体を呑み込み。
青年の姿は、跡形もなく消えたのだ。
「マモ、遊びに行くのではないぞ」
「わかってるよ♪」
マモも続けて、鏡へ飛び込んだ。
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=森の国=
魔女の住むう森付近
既に5体の動物兵士と、植物の兵士達の戦闘は、始まっていた。
次々と現れる兵士達を、力の限り薙ぎ払う5体の兵士達。
森へ続く道が切り開く瞬間に、進んでいくセツナとリクべべ。
リクべべは、剣を抱えるセツナをサポートしながら、5体が、切り開いた道を共に進んでいく。
「――凄い・・・。」
セツナは、5体の強さに圧倒されながらも前に進んだ。
これなら行ける!っと確信した瞬間だった。
ゴリラが大きな悲鳴を上げた。
それと同時に植物の兵士達が、束になってゴリラに巻きつき囲んでいく。
必死で自慢のパワーで、薙ぎ払うも数に押され一瞬で植物の兵士達に埋もれて行く
セツナが振り返ろうとするも
リクべべが「振り返るな!!」と怒鳴りそのまま進んでいく。
次に悲鳴を上げたのはヒョウだった。
足をツルで捕まれ身動き取れぬまま兵士達に囲まれ潰されていく。
その悲鳴に振り返りそうになるセツナをあの感覚が襲った。
頭痛と眩暈めまいと共に、
再び身に覚えのない記憶が、頭を過ぎる。
倒れ込むセツナをリクべべは、問い掛け
答えぬセツナの手を掴み必死に前へと進むも
植物の兵士達に、攻撃を受けてしまい倒れ込む。
その姿を見て、リクべべを襲う植物の兵士達を薙ぎ払っていく2匹の熊達。
「行ってください!!」
大きく叫んだ白熊の兵士の声に
リクベベは、頷きセツナを背負い再び走り出す。
暫く走り抜けると、リクベベの目に
魔女の自宅が映り立ち止まる。
「ようやくここまで辿りついた・・・」
息を切らしながらリクベベは、一歩足を踏み出した瞬間だった。
殺気を感じセツナをその場に投げた後、
背後から刃物の様に鋭い葉が、リクべべの身体を何度も切り裂いた。
投げ飛ばされたセツナは、その衝撃で目を覚ます。
「痛・・・。」
セツナが立ち上がり振り返ると、そこには横たわったリクべべの姿が。
「リクべべさん!?」
「構うな!!早く行け!!!」
リクべべは、セツナを睨みつけセツナは、あたふたしながら慌てて魔女の家へ進んだ。
そしてリクべべを囲む植物の兵士達。
「・・・」
リクべべは、にやりと笑い植物の兵士達は、リクべべを覆い潰した。