プロローグ
ー100年前。
魔法使いと、人々が共存した魔法文明が存在した時代。
技術が、そこまで発展していないこの時代は、
人々は、魔法使いに力を借り、
時には、火を熾し
時には、雨を降らせ
時には、王国を築き上げた。
しかしある日、何処かの国の預言者が言った。
“魔法使いは、いずれ我々人間を滅ぼし、世界を支配するだろう”
その言葉を鵜呑みにした国王は、兵士を集め
人々と魔法使いの共存に、終止符を打つことにした。
魔女狩り戦争
武器を手にした兵士たちと、魔法使いによる戦争。
しかし。
当時の兵器では、太刀打ち出来ない事を考えた王は、
再び預言者を訪ねた。すると預言者は、こう答えた。
「一番力を持った黒魔道士の力を借りなさい。」
王は、黒魔道士の所を訪ね、
欲しい物を全てやる変わりに、全ての魔法使いをこの世界から消す事を要求した。
“全てか?”
黒魔道士は、魔法使いの世界から追放された存在。
『全て』と言う言葉を真に受け
魔女狩りに参加した。
黒魔道士が、魔女狩りに加勢して、状況は、一変した。
名の在る魔法使い達は、黒魔導士の圧倒的な魔法によって命を落とし
数々の魔法使いが、世界から散った。
一月を過ぎた頃には、7千といた魔法使い達は、
たった7人の子供達だけとなった。
「何処にいる?餓鬼共!!」
7人の子供達は、力を合わせ、それぞれの知恵を絞り
国王から、国から、兵士から、そして黒魔道士から逃げ切ってきた。
しかし、7人の子供達の命運は、すぐに尽きた。
白いアネモネの咲く丘。
この場所で、7人の子供達と、黒魔道士との最初で最後の決戦が、行われた。
次々に散っていく仲間達。
散りゆくまえと、仲間を逃がそうと囮になる者。
仲間が死んでいく姿を目の辺りにし動けず散る者。
そして気づけば、最後の一人となっていた。
「言い残す言葉は、在るか?」
僕は。許さない・・・。お前を。
この世界を。
1ヶ月に渡る魔女狩りは、7人の子供達を最後に。
魔法使いは、歴史から滅ぼされ
人間と黒魔道士の勝利に、終わる。
そして100年後。