表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

3rd 私たちが主役の日。さいしょの方

忘れないように唐突なキャラ紹介(今後もたまにやるかも)


(くれない) 一華(いちか)

本作の主人公。高校一年生。過去の回想から宗教系の家っぽいけど……?由来的に結構、いやだいぶ名前気に入ってる。

『クワ(クー)』

もう一人の主人公。年齢不明。素性も不明。いつか分かる日は来るのだろうか。名前に対する思いは特にないかな。クーは可愛い。

天笠(あまがさ) (あおい)

一華の高校の友達。です。作者目線マジで天才的な苗字やと思う。葵はまぁ置いといて。

「楽しかったねお姉ちゃん」

「だねー」

 他愛もない会話の中、ふいに思い出した。あのクレープの時のおじいさん、なんだったんだろう。クーちゃんはもうすっかり忘れてる様子だけど、つい意識すると頭から離れない。

 ぼーっとそんなことを考えながら歩いていると、ふっと視界の端に暗い路地裏が入り込んだ。

 私とクーちゃんが初めて出会ったあの路地裏。クーちゃんはあの時と比べて心なしか大きくなったように感じる。抑えられていたけど解放されたかのような……。やっぱり疑いから入るのは良くないよね。クーちゃんに会って、よくそう思う。

 子供の成長は早い。(こころ)も、肉体(からだ)も。

「……待って、今日って何日だっけ」

 ポケットからスマホを取り出して電源を入れる。

『5/6』

 綺麗な雲の画像を背景に、それが映し出された。と、同時に時間を確認する。良かった。

「そっか、すっかり忘れてた。クーちゃん、スーパーに寄ろう!今の時間ならまだやってるスーパーが近くにあるから!」

「え、うん」

 街灯だけが頼りの暗い街を二人で駆けていく。路地裏から離れていく。なにかを振り切るように走る。走る、走る。明るい看板の光が差し込む頃にはもう、おじいさんのことも路地裏のことも頭から抜け落ちていた。

 店内はガランとしていて、お客さんは一華の他には数える程しかいなかった。いつもの事だけど。

「よかった、やっぱりまだ残ってた」

 イベントの棚に二個だけ残っていた『こどもの日』に欠かせない柏餅やちまき。一応装置で冷やしてる棚とはいえ、不安ではあるけど……このスーパーはどうもこういうことが多い。クレームが入らないのかなとは思うけど、私みたいにたまに助かる人もいるんだろうな。

「なにこれ、おもち?」

「え、クーちゃん知らないの?」

 正直意外だった。クーちゃんなら知っていると思ってた。確かにこどもの日だからおもちが食べたいとか言わなかったけど……。

「実は忘れてたんだけど……昨日はこどもの日っていう祝日で、この柏餅とか、ちまきとかを食べるんだよ。あっ菖蒲忘れてた。後でそれも買わなきゃね」

「こどもの日?お姉ちゃんとかクーとかの日?」

「そう。確か男の子の日って言われることも多いんだけど、でも本当は私たちも合わせてみんなの日なんだよ」

「へー」

「た、確かね。自信は……ない」

 その時だった。

「あれっ一華?」

「えっ葵!?」

 レジの前にカゴを持って並んでいる葵の姿があった。カゴの中には食パンとかヨーグルトとかが入っていた。

「偶然だね。朝ごはんの調達?」

「そーそーすっかり忘れちゃっててさぁ。やっぱ毎日同じやつにしとくと迷わなくていいね。一華は?」

「私はコレ。昨日こどもの日だって忘れてたの」

「一華、イベント結構ちゃんとしてるのに珍し〜。てか二つも買うの?」

「うん。一個じゃ足りないでしょ?あっ葵前」

 葵がはっとして前を向く。

「わあぁごめんなさい!じゃあ一華またね!食べ過ぎには気をつけなさいよー」

「んん?はいはい」

 私は少しムッとすると、クーちゃんの手を引いて菖蒲を買いに行った。

「お姉ちゃんさっきの人は?」

「私の友達の葵だよ。天笠葵。結構近くに住んでて、たまーにさっきみたいに会うんだ〜」

「仲良いんだね」

「うん、いわゆる親友ってやつ?中学で会ったのが最初だから、幼なじみとかそういうのじゃないんだけどね」

「お姉ちゃんのことよく知ってるの?」

 ……?

「えーっと、うーん。そんなに深く話したりはしてないけど……心の中で分かりあってるって感じかなっ!まぁうん、私も葵のこと詳しく知ってるわけじゃないし。でもっ仲が良いのは事実だし、親友だよ」

「そっか。お姉ちゃんのことわかってくれるかな」

「……そうに決まってるじゃん?お父さんもお母さんも、クーちゃんもわかってくれたんだし。おじいちゃんとかおばあちゃんとか、みんなの知り合いだって私と同じ考えで、もちろんわかってくれたし」

「なら安心だね」

 閉店の曲がかかるまで、もう特別スーパーに用はないのに私たちはそこで話し続けた。後で思うと店員さんに悪かったけど、でもあの時の私たちに『時間』なんて概念はなかった。


「はーいおつかれー。着いたよ〜」

「お姉ちゃんおもち、はやく食べよっ」

「あれはデザートね。ほら、用意してたのがあるから、その後ね。手、洗ってきてー」

「わかったー」

 パンとクリームシチューはあっという間になくなった。いつもと比べてクーちゃんの食べる速さがとてつもなく早い……!

「そんなに楽しみだったの?ふふっ、どうぞー」

「やったー!」

 大きな口で美味しそうに柏餅を頬張るクーちゃんを見て思う。最近特に明るくなった。初めは結構クールな感じなのかなって思ってたような気がするけど、違ったみたい。

「んん?かたい……」

「あっちょっと、葉っぱは食べないよ!?も〜桜餅じゃないんだから……」

「こっちは?」

「ちまきも葉っぱは食べないよ」

 本当に知らないんだなぁ……それでも葉っぱは食べないか。……うん、美味しい。あれ、こんなに美味しかったっけ。普通のご飯は葵と一緒に食べることも結構あったけど、こういうちょっと特別な感じのって、最後に誰かと一緒に食べたのいつだっけ。

「……お姉ちゃん?」

「ん?なに?」

「はい、ハンカチ」

 クーちゃんが差し出した淡いピンクのハンカチに、少しずつ、少しずつ。一華の涙が染み込んでいく。頬を伝って、ゆっくりと顎に向かって、ぽとりと落ちて。少しずつ、少しずつ。

「ありがとう……」


「え、この草お風呂に入れるの?」

「そうだよー。菖蒲っていって、ちゃんとこのイベント用のやつだから大丈夫」

「でも変わったにおいするよ?」

「うーん、気になるなら飾っておこうか」

 そうして袋に入ったままお風呂の前に放置された菖蒲は、なんやかんやあってしばらくの間気づかれることなく、日の目を浴びる日を待つことになるとは……この時は誰も思っていなかったのです。


(あれ……僕ら(菖蒲)、腐ってね?)

「お姉ちゃん、この辺から変なにおいするよ?」

「やっぱりそうだよね……あっ」

「……お姉ちゃん」

「うん……」

「「捨てよう」」

こんにちは!はとです!

ということで、一華と同じくこどもの日に投稿することをすっかりと忘れておりました^^;

しかも六日に焦って書き始めて七日に投稿ですからね。困ったもんだ。

さてさてみなさんは柏餅やらちまきやら菖蒲風呂やらやりましたかー?私の家は割とそういうイベントやるのでしっかり楽しみました。やっぱりこういう文化は後世に残したいなーと思います。


それはそれとしてコメントってなかなかつかないんですよね。サクラしてやろうか。ごめんね長くて。読者のみなさんに言葉を伝える機会ってなかなか……。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

意見・感想・考察その他色々お待ちしております!

それではまた!( *¯ ꒳¯*)ノばいばーい♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ