表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/32

飲料を作る理由

「よくわかったの。童は最初、サンドイッチか何かかと思ったぞ」


 答えを一発で当てたウィズに、ルミナが関心の眼差しを向ける。

 その様子に気を良くしたのか、少しだけ饒舌になってウィズが語り始めた。


「食料は1か月は食べなくても耐えられるけど、水は4~5日が限界だからね。食料よりも飲料の方に需要が傾くのは当然さ」

「それに、飲料は他の商品との併売が起きやすいんだよ。サンドイッチや弁当買うにしたって、飲み物なければ一緒に買うだろ」

「確かにね」

「先にレベルアップしておけば、いろんな新商品を開発したときに客単価が上がりやすい。後々の為にも、飲料の強化はマストだ」


 すべてのコンビニに当てはまるかどうかはわからないが、大体のコンビニの売れ筋は飲料であるのは違いない。

 それは店の構造が物語っており、たいていのコンビニは飲料の棚が、入口から一番離れたところにある。それはそれだけ売り場を入口から離しても、お客様が買い求めてくれる証拠であり、

 加え、飲料を買いに行けば、自然と店を大きく回る順路をたどるから、飲料以外のコーナーにも自然と目が向き、商品を見てもらう導線ができているってわけ。


 真っ先に目立つ商品群ではないが、それぐらい飲料ってのは、コンビニを陰から支えている、見えない大黒柱のような役割を果たしている。


「皆のおかげで飲料の数も充実してきておるのじゃ。普通の飲料水にお茶が数種類、加えて採れたての果実で作ったジュースが10種類近く。さらにレベルアップとなると、いったい何を作ればよいのじゃ?」


 確かに、店を出したばかりのころは、一度煮沸した飲料水に、果実や木の実の果汁で作ったジュースが少し並ぶだけの貧相なラインナップだった。

 そこから神樹精(ドリアード)たちの努力で、森の薬草や山菜を煮出して作った薬膳茶や、果実をうまくブレンドして、味に深みを持たせたミックスジュースなど、ラインナップは確実に広がりつつある。自然素材のものだけで商品の拡張を広げても、それなりの売り場になるだろう。


 だからこそ、飲料でドカンと目立つ商品を開発することで、店への興味、そしてそれを開発した神樹精(ドリアード)に対する関心や興味につなげたい。

 そんな重要な役割を担える、今回の作戦の要となる商品は——


「炭酸だ」

「たん、さん……?」


 聞いたことがないワードにルミナが首をかしげるも、一方でウィズは俺の考えを見透かしていたかのように、余裕のある表情だ。


「ルミナ様。多分だけど、シュワシュワと泡立つ不思議な水のことだよ」

「おお! あの不思議な水か!」


 そうだろう? とウィズが俺に視線を投げてきたので、俺も笑って頷いた。炭酸という名前は知らないみたいだが、俺が作りたいものが何かは想像がついているらしい。


「今回のミッションは炭酸飲料の開発だ。他の神樹精(ドリアード)はサイダーやコーラに×をつけていたが、お前は△をつけていた。作れる見込みはあるんだろ?」

「もちろんだとも」


 自信ありげにウィズが答えると、ルミナも「なんと!」と驚きの表情だ。


「よーし、そこまで自信があるなら、みんなの前で作り方を説明してもらおうじゃないか」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ