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第25話 俺、光魔法が使えるってこと!?

 ロッテから魔法が使えるはずだと聞いた俺は、ネッサさんにお願いして魔法習得に必要な儀式をしてもらえることになった。


「この部屋で俺の魔法適正が分かるんですか?」


 それはギルドの奥にひっそりとたたずむ扉。

 しばらく使っていないのだろう、少しだけ取っ手にほこりが被っている。


「はい。でも、まさかツクモさんがご自分の魔法適正を把握していないとは露知らず……先にご案内しておけば良かったです」


 とネッサさんが謝罪する。


「いや、謝らないで下さいよ。聞いた限りじゃ、自分の魔法適正は子供の頃に調べるものだから、大人は知っていて当然。俺みたいなのは滅多に居ないって話じゃないですか」

「それは、そうなんですけど……」


 あ……なんか親に戸籍届出して貰えなかった人への同情みたいな視線だ、コレ。


「それにしてもこの部屋、何だか色んな物がありますね」


 扉の先を開けると、そこにあったのは狭く、古めかしい部屋。

 吹き抜けになった細長い空間には、山のように雑多な物が積み上げられていた。

 同じものは一つとしてない。

 本、ランタン、水槽、ナイフ等々、数えるのが馬鹿らしくなる量だ。

 それに、開いた窓からは新鮮な風と陽光まで入り込んでくる。


「ドン・キホーテの陳列の百倍くらい物量があるな」


 ちなみにロッテはさっきのホールで留守番だ。 

 ロッテの力が強すぎて精霊が混乱してしまうからだそうだ。


「ここには、ありとあらゆる精霊が住んでいるんですよ。では、この部屋の中央で意識を集中してみてください」


 ネッサさんに言われるまま移動した俺は、瞳を閉じ心を落ち着かせる。


「身体の中を巡る魔力を感じますか? 暖かくて、それでいて力強い流れ――」


 暖かい、力強い流れ……ああ、分かる。感じる。

 

「これが魔力……」


 良かった。異世界人だから魔力0だったらどうしようかと思ったぜ。


「それをほんのひと匙、指先に乗せてみてください。そう、優しく、小鳥に餌をあげるようなイメージで」


 ゆっくり、集めて、小さじ一杯くらい……。


「そうです、上手。では、目を開けてみてください」


 ゆっくりと目を開ける。

 すると、俺の指先には小さな金の光が蛍のように集まっていた。


「凄いです、ツクモさん。その子、光の精霊ですよ」

「え、光の精霊? ってことは俺、光魔法が使えるってこと!?」


 なんてこったい、

 どうせまた期待するだけ無駄で、土をボコって盛り上げるくらいの魔法しか使えない――なんて結果に終わると思ってたのに。


 期待以上の成果だが、何だろう……期待を裏切られた気分だな。


「光の魔法適正がある人はとても珍しいんです。魔力量の多い人が使えば、アンデッドを一瞬で塵にしたり、レーザーで地平線を薙ぎ払うこともできるそうですよ!」


「マジか。そんな、世界で最も邪悪な一族の末裔みたいなことまで出来るのか……凄いな光魔法……ってアレ? 魔力量の多い人が使えばって言った?」


「えーーー。言いましたね」


「つかぬことをお聞きしますが、俺の魔力量って分かります?」


「さっきの精霊の集まり具合から言って……人間基準だと、中の下ってところですかね……」


「中の下!?」


 びっみょー。

 どうせだったら、下の下の方が面白かったんだけど……いや全然面白くないわ!


「じゃ、じゃあ、俺の魔力で使える光の魔法って……」


「ライトとピクトくらいでしょうか……」


「ライトとピクトって?」


 俺の質問に、ネッサさんは至極申し訳なさそうに口を開く。


「身体の一部を光らせる魔法と……写真を撮る魔法です」


 あー光だしね。

 物が見える理屈も光の反射だしね……。


「記録した風景を、好きなタイミングで宙に映し出すことが出来るんですよ! 凄いですよね! 超レア魔法ですよ!」


「うん、珍しいのは分かったけど……それ……冒険で何の役に立つの?」

「思い出作りとか?」

「思い出作りのために冒険者になるわけじゃねえんですけれども」


 不満そうな俺を見たネッサさんは、少し考えた後、ハッと思いついたようにこう言った。


「他には機材なしでカメラマンにもなれますよ。魔法で身体を光らせればフラッシュも要りません!」

「冒険者パーティで職業カメラマンって聞いたことあります?」

「無いですね」

「需要は?」

「無いですね」


 やっぱり期待通りのオチだったな……。

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