表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/62

第23話 理想のお姉さんって感じだ……最初に自爆してきた人だけど

「では、邪竜ヴリトラの討伐の依頼を受けて頂けるとのことですね。でしたらヤマダツクモさん、まずは冒険者登録をお願いいたします」


 と、ギルドのお姉さんが笑顔で対応してくれる。

 初っ端自爆してきた第一自爆街人だいいちじばくまちびとではあるが、こうしてみると普通に可愛いな。


 濡れ羽色の綺麗なショートボブ。

 真面目そうな瞳を飾るのは、色気のある泣きぼくろ。

 スレンダーな身体を包む制服。タイトなスカートが生み出す絶対領域が素晴らしい。


 危険な冒険に出る俺を、陰ながら応援し心を寄せてくれる綺麗なギルドのお姉さん……いい。実にイイ。

 そんな夢のためには、まず冒険者登録で凄い結果を出して、周囲からザワザワされるイベントが必須だよな。


「さあ、冒険者登録には何が必要なんだい? 魔道具によるレベル測定かな? それとも魔力計測? ステータスやスキルが記された冒険者カードの作成かな?」


〝ボクは新世界の神になる〟的なポーズで、ギルドのお姉さんの返事を待つ俺。

 

「え? 必要なのは氏名等の個人情報と、人異の契約相手が居るならその名前と種族くらいですかね」


「え? それだけ?」


「はい、それだけです。というかレベル? ステータスとかスキルって何ですか?」


「マジで……? この世界、レベルとかスキルとか、ステータスオープンとか無いの?」


 俺の夢が……。

 冒険者ギルドで能力測定やって、魔法の多重属性持ちとか、レアスキルが判明して周囲から羨望の眼差しを受ける――という俺の夢が……。


「えっと……ツクモさんにとってショックな事があったようですが、どうか気を落とさないで下さい。皆、ツクモさんには期待しているんですよ」


「ほんと?」


「もちろんですよ。歴史上誰も成せなかった人類の悲願、悪魔族との人異の契約を成し遂げたんですから。……その、私も個人的に……本当はお仕事上こういうのは駄目なんですが……ツクモさんのこと応援していますので……」


「お。おぉぉぉぉ、ギルドのお姉さん!!!」


「ギルドのお姉さんではなく、どうぞネッサとお呼びください」


「ネッサさん!」


 そうか、そうだよな! 

 レベルとかステータスが無いのはガッカリだったけど、すでに俺はアスタロッテという大悪魔を使役しているわけだし、なんか勇者扱いされちゃっているわけだし?

 ギルドのお姉さんのフラグが立つ条件は、十分すぎるくらい達成してるってことだよな!


「分かりました、ネッサさん。あなたの期待に応えるためにも、エトラスの街の人々を苦しめる邪悪な竜を、この勇者ツクモが必ず討伐してみせましょう!」


「ツクモ、さっきリリアって娘にも同じこと言ってなかった?」


「だまれ、この悪魔め! 余計なことを言って、ネッサさんに立ったフラグがぶち折れたらどうしてくれるんだ」


 そんな俺とロッテの掛け合いすら、微笑んで見守ってくれていたネッサさん(優しい)が、「では、そろそろ」と冒険者登録の書類を手渡してくれる。


「こちらの書類に必要事項を書いて頂ければ、すぐに冒険者として活動することができますよ」


 ネッサさん良い人だな。

 最初に自爆してきた人だけど……創星教さえ絡まなければ優しくて、理想のお姉さんって感じだ……最初に自爆してきた人だけど。


 ……。

 …………。

 創星教さえ絡んでなければ…………?


 ふと、冒険者登録の書類を確認すると――


「やっぱり、こっそり入信希望書が混ざってんじゃねえか!!!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ