表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/51

ご苦労様

帰宅するとローズが、待っていた。


「大丈夫だったか?」


「ええ、問題ないわ」


「すまなかった」


「いいのよ」


俺は、ローズを抱き締める。


「じゃあ、後でね」


「わかった」


ローズと別れてみんなの所に行く。


「お疲れ、リゼ。今日は、保管庫行きだったらしいな」


「ああ、うん」


「ルカは、またラーメン食べてるよ」


「そうか!」


保管庫行きになった赤ん坊は、母親が妊娠する時に再度お腹に戻されるのだ。


その数は、6回。


それを越えれば、抹消対象になる。


魂を抹消されれば、二度と復活する事はない!


そして、死神世界(このせかい)の唯一のタブーが一つだけ存在する。


それは、自殺だ!


自殺者は、魂を抹消される。しかし、現世の相手に深い悲しみを残したり、怒りを残したものは懺悔の泉に送られる。


懺悔の泉に連れて行かれると、有無を言わさずにすぐに輪廻転生するのだ!自殺をやめない限り、何度も何度も、生まれ変わらされる。


輪廻転生は、死を望むものにとっては、まさに地獄だ!


しかも、生まれ変わっても全く同じ状況にしかならないのだ。貧乏人が大富豪なんて事は、おとぎ話の世界だ。


「また、来たよ」


俺は、その言葉に彼女を見る。彼女の名前は、北村彩(きたむらあかり)、初めてここに来たのは、高校三年生だった。


「いやー!もう、嫌です」


彼女は、今日8回目の輪廻転生を向かえる。


「だったら、いい加減。死ぬのやめろよ」


彼女の担当のカイルは呆れながら連れていく。


「何で?何で?同じなの?全く同じよ!全く同じいじめよ」


「それは、乗り越えられるって神様からの課題だろ?詳しい事は、俺達にはわかんないけどさー。いい加減、ちゃんと向き合ってみ」


「嫌よー、嫌」


拒む北村彩の前に、ジェイが行く。


「いじめられてるんだよね?」


「はい」


「何故、いじめられてるかわかる?」


「わからないから、死んでるんでしょ!」


「君に非はなかった?」


「知らない」


「もしないなら、君が可愛いとか才能があるとかそんな事でいじめられてるだけだよ!」


「どういう意味?」


「簡単さ!笑顔で、おはようって言ってごらん!いじめてる人間はね!君が思うより臆病者だったりするんだよ」


「臆病者?」


「そう!群れなくちゃ生きれないんだから!後さ、小さな世界は抜け出しな!習い事したりしてさ!人と触れ合ったりしなよ!年上がいいよ!年を取った人は君より壮絶な経験をつんでるからね」


ジェイの言葉に、彼女の目付きが変わった。


「もう、いいだろ?ジェイ」


「あー、ごめんね」


「ほら、行くぞ」


「わかった」


トゲが消えた気がする。


「刺々しかったんだよ!彼女」


いつの間にかやってきていた、ローズが彼女を見つめて言った。


「愛想が悪いって事?」


「そうだと思う!人は、無意識に嫌いだってサインを出された相手をいじめるのよ!」


「側面しか見てない結果だね」


「そうね」


その言葉に俺は、桜木杏奈の事を考えていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ