第七話-戦闘-
格闘系のヴォード、ディールは体に魔法を纏った打撃戦。デフロスも拳に岩を装着し、殴ると同時に地面から石槍を放つ。アレクも鎖に銃弾砲弾、ヒートブレードと健闘している。テンペストの爺さんに至っては替えのきく体だとばかりに放電しながら暴れまくる。
「技のいい練習になるな」
「しかし、埒があきませんね」
「もとより、俺たちは足止め要因。その使命を全うするのみ!」
「ケイト、頑張れよ…」
リコとニゲルはめんどくさそうにかわし続けている。洞窟内では光の力は弱まるので、ニゲルはリコを庇うように、影を伸ばして一体一体ゴーレムを飲み込む。
「穢らわしい土人形」
「キモい… これなら人の方がマシだよ…」
ニアとルーも共闘している。ニアが自分の力を試すように、様々な魔法で人形たちを捕らえ、そして砕いていく。その砕かれた人形にルーがトドメを刺していく… のだが
(あれは腐敗魔法!? )
時間魔法の流れをくむ闇系のレア魔法だ。土はどす黒く変色し崩れ落ちる。
「土のくせに、なかなか丈夫だね」
「では、私たちも合わせてみますか」
「いいね」
ロゼクスが氷の槍で人形を貫くと、その槍の支配権をロードに譲渡。ロードが氷を水に変えて内部から水流で破壊する。
しかし、皆それぞれ対処してはいるが圧倒的な物量に少しずつ押されていく。こちらも突破口が見えず、特に戦闘経験の低いケイトは疲労困憊していた。
「いいぞアマデウス。救世主さえ殺せばこいつらは詰みなんだ」
「それでお前らは満足か? 今、救世主を殺せば星の崩壊に対処出来ん。お前らも死ぬだけだぞ」
極力、力の拡散を抑えて一体ずつ土人形を消し炭にしていくカジャが問う。
「そうですよ。何故こんなことをするのか、せめて理由くらい教えてくださいな」
シルヴァが風で動きを封じながら徐々に切り刻んでいく。優しい言葉とは逆にエグい魔法だ。ソーマは風で捕らえきれなかったゴーレムの足を静かに鋭く斬り落としていく。
「何故だとっ! この英雄気取りの悪党共がっ!! 我が一族の恨み、今ここで晴らさせて貰うぞ!」
男は凄まじい形相で吠えた。だが、まだ内容は全く見えてこない。
「だから、理由はなんですの? それがわからなければ謝罪も出来ませんわ」
男はシルヴァの問いに呆れた顔をする。
「もはや記憶にも無いか。どこまでも非道な連中よ… ならば教えてやる。3000年以上も昔、そこで何があったのかを!」




