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ワールドリンク  作者: さばみそ
第十一章-敵-
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第一話-敵地探索-

「流刑島って知ってる?」

「そこにいるのか!?」

何人かが食い気味に叫び、ニゲルはヒィと小さな悲鳴をあげる。

「そ、うじゃなくて、あんな感じの小島が他にもあるんだ。僕の知るかぎり、他に2つ」

「よく知っているな」

「うむ。やる男だと思っていたぞ」

ディールとデフロスが感心する。何故かこの二人は、人見知りでヘタレ気味のニゲルを気に入っているらしい。当のニゲルは困り顔であるが。

「や、やめろよ~ 将来独りで静かに暮らせるとこを探してただけだよ。別に誉められることじゃない…」

そう言って照れるニゲルを、謙虚でいいとさらに誉める二人。そろそろやめなよと止めるケイト。それを眺めて微笑む他の方々。それを見て、なんだかほっこりする。

「どうしたの? 楽しそうじゃん」

ソーマがこっそり話しかけてくる。

「ん? こういうのいいなあって思ってさ。大賢者といえども普通の人間で、それぞれ年も考えも、生まれた場所も全然違うのに、いつの間にか家族のように仲良くなってさ」

「うらやましい?」

「かもな。やっぱりさ、自分は異世界人って一線引いてたんだと思う。全部終わったら、もう少しだけ積極的に人と関わって生きてみようかな」


と、そんなことを話したのだが、その島の捜索は難航していた。シルヴァの風によって魔力を飛ばし、触れた植物と感覚を共有するという感知魔法と、リコリスの光子こうしを飛ばして触れた物を認識解析する感知魔法、ニゲルの影に魔力を通して、影の中の生物の動きと感情を感知する魔法。それらと俺の空間魔法をリンクさせ、世界中に魔力領域を広げる。小島とはいえ、それでも流刑島の1/3の大きさはあるらしい。それだけ大きな物なら見つけるのは難しくはないと思っていた。しかし、時間だけが過ぎていき、ケイトが俺の体力の回復を、他の賢者は魔力供給をしてくれていた。

「クソッ! 何処だ? 何処に潜んでいる!?」

ただ過ぎていく時間に焦っていた。

「魔法式を見せてみろ。省エネに修正出来るかもしれない」

見かねたロゼクスが提案してくる。

「あ、うん。ありがとう…」

言葉をかけられ、一呼吸ついた。そして、ふと思った。

(あぁ… さっき、人と関わって生きるって言ったのに、結局自分だけでなんとかしようとしてたな。自分にしかやれないわけじゃないんだ。頼ってもいいじゃんか)

肩の力が抜ける。頭もすっきりしてきた。

「おい、大丈夫か?」

皆が心配してくれる。なんと心地よく心強いことか。

「大丈夫。てか、ひとつ聞きたいんだけど、ニア、デフロスさん、流刑島の1/3くらいの島、動かせる?」

「たぶん出来る」

「うむ。速度を問わぬなら可能だな」

皆がざわつき出す。そう、島が漂っているのではなく、要塞として動き隠れた可能性、こんな簡単なことに気づかなかった。

「どんな小さなことでもいい。気づいたことをどんどん出していこう!」

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