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ワールドリンク  作者: さばみそ
第十章-八賢者復活-
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第八話-円卓会議-

皆の活躍により八賢者全員の復活が達成された。だが、ケイト以外の大賢者たちは制約があり、その地域からは動くことが出来ないので、映像を繋いでの円卓会議が開かれる。結界魔法を封じていた箱が再び役に立つ。ウィンダリアの城の一室を借りて、中央に向けて各画面を設置する。さながら某アニメのような感じだ。実際、ニゲルはどうしても映りたくないという理由で『Sound Only』となっている。

八賢者に加え、三層それぞれの代表でシン、ガルド、カジャの各王が、そして進行役としてフィデスの12人が席に着く。そして全体のサポートとして俺、カルムが後ろに控える。

「八賢者の皆様、ご協力感謝いたします。各王も尽力くださり、ありがとうございました。では、今後の方針をカルム殿に…」

「どうも。カルムです。地球人です。では、早速説明を…」



説明を終えると、ロードが話す。

「シルヴァさんは、何か知らないのかい?」

「私がわかるのは植物のある場所だけ。リコリスの方が発見しやすいんじゃない?」

風魔法の使い手だが、感知系の魔法は植物を通じてでないと使えないようだ。後で確認すると、自身の魔力を風に乗せ、植物に寄生させることでいろいろ出来るそうだ。

「天界は全部見てますけど、魔界とかはほとんど見れてないのですよ?」

光魔法の使い手は、光の届かぬ場所はやはり対象外らしい。

「俺も自分の領域意外はな~ 魔界と言えば、デフロスとニゲルの坊やはどうだ?」

ディールが静かな二人に話を振る。

「うむ。山脈の中心にいたのでは、足元の自国を見るのでやっとだったわ。俺は、感知能力は低い方だし」

「ぼ、僕は… 興味なかったし… 見ようともしなかったよ…」

デフロスは戦闘能力は高いが、補助系魔法は苦手らしい。ニゲルに至っては引きこもり系のようだ。

「ワシハ ジブンノ チョウセイニ テイッパイ ダッタカラナア」

最後にテンペストが答える。彼は老人だったが、動き難くなった体に嫌気がさし、ダイヤモンドでゴーレムを作り、そちらに体を乗り換えたそうだ。その代償として定期的な身体のメンテナンスが必須らしい。


「えっと… つまり、現状は大賢者たちですらわからないということですね?」

賢者たちが渋い顔をする。

「あ、お気になさらないでください。むしろ、全員一致の意見なので助かりました」

その言葉に反応し全員がこちらを見る。

「もし、敵が大規模な勢力なら、どこかで誰かが気付くはず。ところが、誰の感知にも引っ掛からずにいる。つまり、情報収集から拡散までかなりの少数で、なんなら個人で動いている感じですらあります。少数で動き、植物もなく光も届かず皆さんのいなかった地域。そういう場所の可能性が高いです」

なるほど、と皆が頷く。

「そういうことなら、今回送り込まれた兵の国の中にもいない可能性も高いかもね」

とロードが話す。

「む? その心は?」

「自分んとこの国力を低下させることになるからだろ。相手国の主力が留守とはいえ、自国の主力を投入した全面戦争だ。国が疲弊するのは目に見えてる。俺ならやらん」

デフロスの問いにカジャが答える。

「むしろ、あいつらはよく戦争を吹っ掛けてきたもんだ。洗脳のことは聞いてはいたが…」

「ただただ愚かだった、のでは?」

続いてのガルド王の話にリコリスが答える。見た目の麗しさに反し、なかなか辛辣だ。

「終わった話より、これからの話だ。結局、それらを除外すると何処が残るんだ?」

シンが王らしい対応を見せる。が、それ以外の場所もまだまだ範囲が広い。

「ムシロ ホシノ テンソウニ シュウチュウ スベキカ?」

テンペストが言うと、皆がそれもありかと考える。

「そういうわけにはいかないんです」

ここまで静かに見守っていたケイトが語りだした。

「敵の能力は高い。星の転移魔法に干渉されては、それこそ最悪の事態を招きます。ですので、最優先事項なんです」

わざわざ会議というエサを撒いたが、敵の魔法が干渉してきた様子はない。聞き耳立てたところを逆探知と思っていたのだが… なかなかうまくはいかないものだ。そもそも見当違いだった可能性すらある。さて、残る場所を捜索となるとかなり難しい。


「あ… たぶん、心当たり、あるよ…」

ニゲルが恐る恐る話した。

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