第六話-ヴォード・アレク・ソーマ-
ヴォード隊
ウルカニス火山洞窟最深部。祭壇前。
「偉大なるディールよ、我らに力を貸して頂けぬだろうか?」
「よかろう。ただし、お前たちが力を貸すに値する者か、試させてもらうぞ。遠慮は要らぬ。殺す気で来い!」
まさかの期待通りの展開が繰り広げられていた。巨大な蜥蜴の姿から、大柄なスキンヘッドの男性の姿へと変化する。
「魔闘術式炎武が開祖、炎術師ディール、参る!」
「ふふ… ここに来て、我が全力を持ってしても倒せぬだろう者と対峙出来るとは。これだから戦いはやめられぬ!」
アグラス様と部下たちも興奮し、力試しを行うのであった。山が揺れる。
アレク隊
結界を破り、海の深部へと進む。
「酸素ボンベ、準備してたけど、必要なかったな…」
ケイトの結界で空気の確保と水中移動は万全だった。
「でも、魔力が使えなくなったら絶対必要だからね。頼りにしてるよ♪」
照れるアレク。水圧を押し退けさらに潜ると海の中央には神殿… いや、小屋があった。中に入ると
「とうとう来ちゃったね。いらっしゃい。とりあえずお茶でもどう?」
額に短い角のある長髪の青年が迎える。アレクがケイトの前に出る。その後ろでケイトが呟く。
「あなたは…」
青年がにこりとする。
「ロードだよ。久しぶり、っては言えないか。さぁ、少し話しをしよう」
ウルカニスとは逆に、こちらは穏やかな時間が過ぎていくのだった。
ソーマ隊
カルネア鉱山は既に閉鎖された鉱山だ。ダイヤモンド鉱山として繁栄したが、あらかた掘り終わればこんなものである。さらに、一部のマナーの悪い採掘者のせいで、滅茶苦茶な道と崩落で迷宮と化してしまった。
「俺たちだけだったら間違いなく迷ってたね」
「全くだ。依頼して正解だったな」
そこには俺の予定にはなかった人物がいた。超一流冒険者として名高いマグダル・ゲイン氏である。
「いつかは挑戦したいと思っていた。お声掛け頂き、感謝いたします。しかし、ここまでとは…」
歴戦の冒険者でも躊躇する程の入り乱れた洞窟。だいぶ奥まで来たはずだが、未だに結界すら見つからない。ゲイン氏が立ち止まる。
「これは… もしや!? この地面を破壊してください!」
ソーマとレオンが指示された場所を砕くと、崩落が起きて更に下の階層が現れた。
「やはりか。崩落に次ぐ崩落で埋まっていたようだ」
そして、落下中に箱が反応し結界が解呪される。まさにこの場所だったのだ。そして、地面に着地すると中央にあった金剛石のゴーレムが動き出す。
「止めるぞ!」
「はい!」
剣士たちがダイヤモンドを斬るべく挑む。




